周産期喪失の悲しい現実

周産期とは、妊娠22週から生後一週間を指し、この時期に赤ちゃんが死亡する場合を周産期死亡と呼びます。周産期の喪失に悲しむ両親にとってこれは非常に辛い過程です。
周産期喪失の悲しい現実
Bernardo Peña

によってレビューと承認されています。 心理学者 Bernardo Peña.

によって書かれた Thady Carabaño

最後の更新: 06 12月, 2022

周産期に赤ちゃんが死亡すること、つまり周産期喪失による悲しみは、赤ちゃんが出生前または出生後数日で死亡したときに起こる感情で、周りの人がどう対応していいかわからなくなるほどの激しい心の痛みを伴う悲しい時期です。

妊娠中の女性は赤ちゃんの誕生を心待ちにしています。

そしてやっとその準備が整うという周産期に入って赤ちゃんを失うことは、母親をはじめとする全ての人がその悲しみと痛みを感じます。

愛する人を失う時には常に辛さと痛みが伴いますが、お腹の中で大切に育ててきた赤ちゃんを失う悲しみは、激しい苦痛を伴い、心に大きな傷を残します。

妊娠が悲しい出来事となるとき

悲しみを乗り越える女性

妊娠がわかった時、特にこれまで妊娠を望んでいた女性にとっては幸せで最高の一瞬です。

幸せな気持ちやポジティブな感情、そして様々な欲求が私たちに押し寄せます。

その後、妊娠初期、中期を経て、自分の妊娠が高リスクではないかなどを確認して、徐々に中期を終えて後期へと突入します。

一般的に、流産は妊娠12〜13週目に起こりやすいと言われており、流産も母親に激しい精神的苦痛を与えますが、これは「流産」と定義され「周産期喪失」には分類されません。

周産期喪失と呼ばれる赤ちゃんの死亡は、前述のように、妊娠22週目から生後1週間までです。

周産期喪失は静かに起こる

赤ちゃんの足

周産期喪失とは、赤ちゃんを出産してから数日が経過した時に赤ちゃんが死亡する時に起こる悲しみであり、自分が長い間待ち望み、やっと会うことができた子供を失うという事実への激しく辛い痛みに加えて、周りがその辛さをあまり理解してくれないということも悲しみを増加させます。

社会的な環境や職場など、家族以外の環境や人間関係において、子供を失った両親の悲しみを理解してくれる人が少ないと、両親が事実を受け入れて悲しみを乗り越えるまでのプロセスが複雑になり長期化する可能性が高まります。

赤ちゃんを失った女性の悲しみが増加する要因のいくつかをご紹介します:

  • 乗り越えられない流産や周産期死亡
  • 妊娠するまでに費やした時間
  • 妊娠するまでに受けた過度のプレッシャーと女性の年齢
  • 生まれてきた子供への愛情
  • 病院が精神面でのサポートを完全に行うわけではないために起こる社会的支援の欠如
  • 妊娠に協力的でははないパートナーや父親の不在
  • 赤ちゃんと一緒の時間を過ごしたり家族の思い出を作ることができなかったという事実
  • 赤ちゃんに名前をつけることができなかった、またはお別れができなかったという現実

周産期喪失が原因で起こる悲しみの段階

周産期喪失による悲しみは、数日、数週間、数ヶ月、さらには数年続くことがありますが、これは女性の性格や周りのサポートや環境によっても異なります。

悲しみの長さには個人差がありますが、その中でもいくつかの段階に分類することができます。

拒否段階

この段階では、母親の心が周産期喪失という悲しい事実を受け入れられません。

衝撃的な事実と不安感に圧倒されながら、徐々に心の中でその事実を処理していこうとする段階です。

怒りの段階

悲しみが怒りとなる

周産期喪失を経験した母親は、悲しみの段階の一つとして怒りの感情を経験します。

心が動揺し、罪悪感が母親を襲い、パートナーや自分の親戚、そして医師や看護師などに対しても怒りを表すことがあります。

自然に妊娠、そして出産をして子供を授かって幸せに暮らしている人たちを羨んだり妬ましく思うこともある段階です。

自問自答の段階

この段階では、罪悪感や混乱が起こります。

子供の死を受け入れることができず、自分を責めたり「あの時こうしていればよかった」「あの時こうしたのが悪かった」などと自分を責めるだけでなく、赤ちゃんを出産した時の思い出の中だけで生きようとする段階です。

うつ症状の段階

うつ段階

周産期喪失の悲しみを克服していく過程で現れるのがうつ症状です。

自問自答していく過程の中で、徐々にうつ症状が現れて激しい落ち込みを感じるのもこの段階です。

うつ症状が徐々に身体の健康にも悪影響を与え、睡眠障害や食欲不振などとして現れることもあります。

また、もう一度妊娠することができたとしても、赤ちゃんを失ってしまうかもしれないという恐怖から、次の妊娠に何の問題がない場合でも、恐怖を感じる可能性があります。

現実を受け入れる段階

これが周産期喪失の悲しみの過程における最終段階です。周産期喪失を経験して赤ちゃんを失ったにもかかわらず、自分は生き続けなくてはいけないことを認める段階です。

母親は徐々に日常生活に戻りますが、次の妊娠などを考えるまでにはしばらく時間がかかります。

周産期喪失の悲しみを克服するためのアドバイス

赤ん坊を失うという経験をした人は、その悲しみを受け入れるまでに十分な時間をかけてください。

妊娠が幸せな結果に終わらなかったという事実が、心に傷跡を残しますが、それを受け入れて自ら癒すという過程はとても大切です。

周産期喪失による悲しみを乗り越えるためのいくつかのアドバイスをご紹介します:

  • なぜ周産期死亡が起こったのか、専門医による医学的な説明を受け、たとえ辛くてもしっかりと話を聞きましょう。その理由を理解することで、将来的な妊娠の可能性を知ることができます。
  • 悲しみを乗り越えるために、赤ちゃんのことを忘れる必要はありません。亡くなってしまった赤ちゃんに名前をつけたり、パートナー、親戚、友人、同僚の前で赤ちゃんのことを話すのをやめず、自分の心のままに、周りと赤ちゃんのことを話すことが大切です。
  • 悲しみを克服するまでの期間を設ける必要はありません。自然と心が回復するように辛い時は自由に辛いと言ってください。
  • 悲しみを素直に表現しながらも、自分の気分が少しずつ改善するために必要なことを少しずつ実践してください。
  • 心身の健康を維持するために、運動などを行うのも良いでしょう。心の傷が癒されない場合は、専門家に相談することが大切です。
  • 赤ちゃんのために用意していた衣類や家具などを欲しいという人が現れたり、廃棄しろという人が現れても、決断するのは自分なので誰かの言葉に流されず、ゆっくりと時間をかけて考えてください。
  • 笑いは元気の素です。赤ちゃんが亡くなったからと言って笑うのをやめてはいけません。微笑んだり幸せになる権利があります。
  • 赤ちゃんを覚えておくためのなんらかの儀式が必要な場合は、躊躇なく行なってください。それはお葬式だけでなくメモリアルイベントのよう集まりでも良いでしょう。
天使

最後に

周産期喪失による悲しみは、赤ちゃんを失った原因と分けて考えてください。

辛抱強く、時間をかけて徐々に克服することが大切です。また母親だけなく、父親や周りの家族も悲しみを感じるでしょうが、自分のペースで少しずつ回復していきましょう。


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このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。