小児や若年者の糖尿病〜その特徴とは

小児や若年者の糖尿病、特に5歳未満の子どもの糖尿病が増えています。今日の記事では、この状態について、そしてその治療について見ていきましょう。
小児や若年者の糖尿病〜その特徴とは

最後の更新: 19 6月, 2020

小児や若年者の糖尿病には2タイプありますが、この年頃で最もよくある糖尿病は、1型糖尿病でしょう。14歳以下の子どもで糖尿病だと診断された患者の90%以上は、1型糖尿病です。1型糖尿病は、インスリンに依存しています。つまり、インスリンを投与することが欠かせません。

糖尿病とは、膵臓でのインスリンの生成が乏しいことによる内分泌系疾患です。膵臓でのインスリン生成量が少ないと、血液中の糖(ブドウ糖)の値が高くなってしまいます。体は、すでに機能しなくなった膵臓の細胞を自分で破壊しますので、通常は自己免疫起源です。また、インスリンの生成は正常かもしれないが、欠陥があるために細胞が正常にそれを使わない場合もあります。これは、2型糖尿病の主なケースです。

小児や若年者の糖尿病〜診断基準

小児や若年者の糖尿病の診断は、空腹時血糖値を測定する(糖血)ことで行われますが、この値が126 mg/dlを超えるべきではありません。これは、国際小児思春期糖尿病学会、ADA-ISPAD2014の基準に寄っています。

空腹時に血糖値が高い場合は、別の検査も行い、糖尿病の確定が行われるでしょう。糖尿病であるかどうか、そしてどのタイプであるか、高血糖を伴う別の病気が隠れていないかを調べなくてはいけません。正しく診断されなければ、誤った治療を行う恐れがあるからです。そうなれば、予後が悪化するでしょう。

糖尿病だと診断されたらすぐに治療を始め、血糖値をコントロールしなくてはいけません。早期の治療は、ケトアシドーシスが現れるのを予防する助けとなるでしょう。ケトアシドーシスは現れると、予後が複雑になるかもしれません。

小児や若年者の糖尿病の年齢や頻度

若年型1型糖尿病は、生後1日の新生児から14歳までの子どもの間に見られる、ますます一般的になってきた疾患です。この年齢層の子ども100,000人に10〜25人が若年型糖尿病1型だと診断されています。特に、5歳以下に目立って増えています。

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1型糖尿病の症状とサイン

誤診を避けるためには、血糖値の測定は少なくとも2日に分けて行われるべきでしょう。若年型1型糖尿病が陽性であるかどうかは以下の基準で診断されます。

  • 血糖値:200 mg/dlより高い
  • 8時間の空腹後の血糖値:126 mg/dlより高い
  • 炭水化物を食べた2時間後の血糖:200 mg/dlより高い

若年型糖尿病の患者は通常、3Pチャートを示します。

  • 多尿症:排尿回数や量が多い
  • 多飲症:飲む量が多い
  • 明らかな体重の減少

救命救急に運ばれる若年者糖尿病の患者は、通常以下のような症状を見せています。

  • 多尿症:おねしょをする原因であることも。
  • 多飲症
  • 体重の減少:ケトネミアの一部が原因である。
  • 非特異的腹痛や嘔吐が見られることもある。
  • 普通は、発熱は見られない
  • 眠気、体重の減少、目のくぼみなど全身状態がかなり衰退。
  • 呼吸が浅く速い。口から呼吸をするために舌が乾燥する。
  • ケトネミアのせいで、息が”青りんご”のような匂いがする。
  • 血圧や脈は普段と変わらないことが多い。

小児や若年者の糖尿病〜鑑別診断

最も多い高血糖のケースは糖尿病なのですが、他の病気の可能性も無視してはいけません。例えば以下のような病気が可能性として考えられるでしょう。

  • 高血糖性糖尿(尿にブドウ糖が含まれる)
  • 脳卒中
  • 静脈内療法
  • 血中ナトリウム濃度が高いことによる脱水

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ケトアシドーシスの存在で現れる症状

  • 急性で激しい腹痛
  • アセチルサリチル酸(アスピリン)中毒
  • 再発性ケトン性低血糖

ケトアシドーシスが深刻な場合の症状

  • アセチルサリチル酸(アスピリン)中毒
  • 低血糖性昏睡
  • 高浸透圧性昏睡
  • 脳卒中
  • 乳酸アシドーシス

小児や若年者の糖尿病〜治療

若年型糖尿病の治療の目的は、代謝レベルをコントロールし、急性または慢性の合併症を避けることです。典型的に、これらは若年型糖尿病の子どもの発達に影響を与えてしまうでしょう。若年型糖尿病の治療では、患者だけでなく患者の家族への指導がとても大切です。患者や患者の家族がしっかりと理解することで、この病気のコントロールや合併症の予防ができるのです。

糖尿病の治療には、基本的な3つの柱があります

  • まず最初に、患者の体はインスリンを作り出すことができない、または適切に使うことができないので、インスリンは適量を投与する。
  • 次に、摂取する炭水化物の量を正常にすることによるインスリンシステムのオーバーロードを避けるため、適切な食事を行う。
  • 三つ目は、筋肉によるブドウ糖消費を増やすエクササイズを行い、患者が摂取するものと消費するもののバランスを取る

幸い若年層糖尿病の治療は近年かなり進化してきました。製薬業界では様々なタイプのインスリンを提供しています。即効性のあるものから緩やかに効果を出すものまでいろいろあります。糖尿病のコントロールがしやすくなってきています。

小児や若年者の糖尿病〜進行と予想されること

ありがたいことに、糖尿病についての子どもたちへの適切な指導には素晴らしい努力がされています。ですが、まだ努力していかなければならない部分もあります。

  • インスリン投与器具を簡単にする
  • 子どもも興味が持ちやすいような資料の編集
  • 子どもたちの糖尿病に対する理解を促すワークショップやサマースクールなどの開催

これからの進歩が、糖尿病を抱える子どもたちの生活を楽にしてくれることになるでしょう。また、新しい遺伝子治療やインスリン化合物の合成においても進歩が期待できるでしょう。糖尿病を抱える子どもは世界にたくさんいます。糖尿病をコントロールすることで輝く未来が待っているのです。


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