食品の加工方法が栄養価に与える影響

食品を加工する過程が、栄養価に影響を与える可能性があります。この記事では、様々な食品の加工方法と栄養価への影響を紹介します。
食品の加工方法が栄養価に与える影響

最後の更新: 09 8月, 2022

時間の経過とともに、食品は人間の消費には適さなくなりますが、食品を加工することで劣化を防ぐことができます。

ただし、食品を加工することによって栄養価が変わります。本記事では、食品加工を行うことによる栄養価への影響について説明します。

食品加工が栄養価に及ぼす影響

牛乳、肉、魚、野菜、果物などの食品には多くの水分が含まれているため、保存期間が短く、他の食品よりも早く腐ります。

そのため、食品業界では次の目的で食品に加工を行なっています。

  • 生の食品に含まれる可能性がある微生物が原因の病気の感染やその広がり防ぐため
  • 食品の摂取と消化を促進するため
  • 生の食品に存在する抗栄養剤として作用する特定の要因を除去するため
  • 賞味期限を延ばすため

食品を加工する方法

食品の加工方法によっては、微生物が増殖するリスクを排除します。また、腐敗を引き起こす化学的反応や生化学的反応を回避します。

ここからは、食品業界で使用される一般的な食品加工方法に加えて、自宅のキッチンで使われる加工方法についても説明します。

冷蔵と冷凍

食品の加工方法が栄養価に与える影響 冷蔵庫

冷蔵と冷凍は、食品保存の最も一般的な方法の一つです。

食品の栄養価を保持するためには、酵素活性と細菌の増殖を防ぐことで栄養の損失は最小限に抑えられます。

そのため、冷蔵庫全体を常に清潔に保つことが大切です。

微生物は室温でより速く成長するため、食べ物を解凍したいときは冷蔵庫で行いましょう。

乾燥

食品から水分を部分的または全体的に抽出する加工方法です。

食品を乾燥させる加工による栄養価への影響は次のとおりです。

  • 高温によるいくつかのビタミンの喪失
  • タンパク質変化
  • 感覚を刺激する特性の変化

低温殺菌

低温殺菌は主に乳製品と野菜に適用されます。

低温殺菌の過程でいくつかのビタミンが失われますが、病原体が含まれている可能性のある生の乳製品の摂取は何があっても避けてください。

加熱殺菌

病原性や栄養性の有機体と細胞胞子を除去するためには、最も効果的な加熱方法です。

  • 加熱によって多くの栄養素、特にビタミンに悪影響を及ぼす
  • メイラード反応により、タンパク質の生物学的価値に悪影響を及ぼす

ブランチング

玉ねぎ以外のすべての野菜は、高温の蒸気で短時間ブランチングをした後、冷やすことで微生物の量を減らし、保管中に異臭を引き起こす可能性がある酵素を不活性化します。

ブランチングにより、ビタミンとミネラルが失われるため、冷凍野菜は生野菜よりもビタミンやミネラルなどの栄養価が低くなります。

茹でる

沸騰した湯の中に食品を入れて茹でる一般的な調理法のひとつです。

この過程では、食品のビタミンやミネラルなどの重要な栄養素が熱湯に流れ出すため、茹で汁を使うことをお勧めします。

茹でる利点をご紹介します。

  • マメ科植物、ジャガイモ、卵などの一部の食品では、バイオアベイラビリティと呼ばれる生物学的利用能が向上する
  • タンパク質と複合炭水化物のバイオアベイラビリティが向上する
  • 食物の感覚刺激特性を改善する
食品の加工方法が栄養価に与える影響 茹でる加工

揚げる

高温の油を使って、短時間で食品を調理する方法です。

揚げることで起こる食品の栄養価への影響は次のとおりです。

  • タンパク質の栄養価の損失
  • 脂肪の酸化により有毒な化合物の出現を引き起こす可能性がある
  • 加熱によるビタミンの破壊
  • 食品のエネルギー値の増加(カロリーが高くなる)

電子レンジ

電子レンジは、イオン化できない低エネルギーの電磁放射を放出します。

つまり、フリーラジカルを生成せず、感覚刺激特性を変化させる化合物や、毒性と考えられる化合物を発生させないため、安全な方法だと考えられています。

ベーキング

ベーキングと呼ばれるオーブンを使った調理は、食品を一定の熱で調理することができます。

ベーキングは、次のように、食品の栄養価に影響します。

  • メイラード反応によるタンパク質の損失と熱によるビタミンの損失
  • タンパク質の消化性が向上
  • 栄養素の損失
  • ビタミンBのバイオアベイラビリティの向上

ロースティング

他の調理法との違いは、ロースティングの目的は「カリカリ」の食感を得ることです。

ロースティングによって、タンパク質とビタミン、特にチアミンなどの栄養素の損失が起こります。

全体として、食品を加工することで、長期保存を可能にして微生物による感染症を予防することができます。

健康的でバランスの良い食生活を送っている場合は、加工による栄養素の損失を過度に心配する必要はありません。

こちらの記事もおすすめです。
加工食品を食べるべきではない8つの理由
みんな健康
で読むことができます。 みんな健康
加工食品を食べるべきではない8つの理由

加工食品は体に良くない、と聞いてショックを受ける人は少ないのではないでしょうか。 消費者の間で加工食品に潜む危険性が取り沙汰されるようになったのは、近年になってからのように思う方がいるかもしれませんが、実は何十年も昔から食品業界では問題視されていたのです。



  • Gilani, G. S., Cockell, K. A., & Sepehr, E. (2005). Effects of antinutritional factors on protein digestibility and amino acid availability in foods. Journal of AOAC International88(3), 967-987
  • Kotermori A., Ishihara J., Zha L., Liu R., et al., Dietary acrylamide intake and risk of breast cancer: the japan public heath center-based prospective study. Cancer Sci, 2018. 109 (3): 843-853.
  • Mikkelsen K., Apostolopoulos V., Subcell Biochem, 2018.