知っておきたい皮膚がんの兆候
皮膚がんとは、皮膚組織中に悪性のがん細胞が生じる疾患で、メラノーマ性皮膚がんと非メラノーマ性皮膚がんがありますが、一般的な皮膚がんは非メラノーマ性皮膚がんと言われています。
皮膚がんの原因とは
環境汚染や紫外線、そして食生活などが皮膚のがん細胞の成長をうながす危険因子と言われています。詳しくご紹介します:
- 紫外線:皮膚がんの主な原因のひとつは、紫外線に頻繁にさらされることです。つまり日常的に長期間強い紫外線にさらされている人は、皮膚がんを発症するリスクが高くなります。リスクの高さは、日光の強さ・さらされる時間帯・皮膚が保護されているどうかなどの要因によって異なります。
- 日焼けマシン:日焼けサロンで使用されている日焼けマシンも、皮膚がんを引き起こす可能性がある危険因子のひとつです。日焼けマシーンは、非メラノーマ性皮膚がんを引き起こす光を使っています
- ヒ素・工業用タール・石炭・パラフィンなどの有害化学物質
- 放射線療法で使われる放射線
- ケガや重度の皮膚炎(重度のやけど・骨感染症の上の皮膚・炎症性疾患で損傷した皮膚などを含む)
- 遺伝的因子
皮膚がんの兆候
皮膚にあらわれるあらゆる変化(ただれ・ブツブツ・おでき・ホクロ・シミ・その他の異常)は、非メラノーマ性皮膚がん、または最悪の場合メラノーマの兆候である可能性があります。
非メラノーマ性皮膚がんの兆候は、皮膚にできるホクロやシミとしてあらわれます。
重要な兆候のひとつは、一定期間(数ヶ月から数年)にわたって成長をつづける皮膚の隆起・ホクロ・シミなどが現れること。3ヶ月以内に治らない潰瘍も、皮膚がんの可能性があります。
基底細胞がんは、成長が遅いがんの一種で、皮膚表面に赤くて、かさぶたのようにポロポロはげ落ち、平らな箇所としてあらわれることがあります。また、出血しやすい、小さなすべすべした箇所や、濃い青・茶色・または黒い皮疹、肌の下にすけて見える不定形な血管としてあらわれる場合もあります。
扁平上皮がんは、皮膚がん発生数の20%を占めており、表皮の上層に発症します。通常、ガサガサした表面を持つ腫瘍としてあらわれますが、ゆっくり大きくなっていく平らな赤い箇所としてあらわれる場合もあります。このタイプのがんは、顔や手の甲にできることが多いです。
カポジ肉腫は、真皮(表皮のすぐ下の層)に発症しますが、内臓から起こる場合もあります。最初は打ち身のように見えることが多いですが、やがて成長して腫瘍となります。
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メラノーマの兆候と症状
メラノーマと呼ばれる悪性黒色腫の早期発見のために大切なのは、皮膚にあらわれる新しいホクロ、あるいはもとからあったホクロの形や色の変化です。
下の表に示す5つの特徴(ABCDE基準)が早期発見に役立ちますが、それ以外にも病変の大きさ、形、色の変化、潰瘍や出血の有無、感覚の変化、大きさ(最も長いところ)が6mmを超えていないかという点に注意することが大切です。
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ABCDE基準:
- A – アシンメトリー(非対称性の病変):左右が非対称
- B – ボーダー(不規則な外形):境界線が不明瞭・ぎざぎざ、または異常な輪郭。
- C – カラー(多彩な色調):色が不均一(茶色または黒の濃淡があるなど)。赤・青・白・ピンクの場合も。
- D – ダイアメーター(大型の病変):直径が6mm以上。
- E – エボルビング(経過の変化):大きさ・形・色が変化する。