知られざるストレスと甲状腺機能亢進症の関係
ストレスと甲状腺機能亢進症には深い関係があるということを知っておいた方が良いでしょう。
甲状腺の病気について知っていても、ストレスなどの要因が、甲状腺が産出するホルモンのタイプを変化させる可能性があるということはあまり知られていないのではないでしょうか。
この記事では、ストレスとこの疾患との関係性についてお話しします。
ストレスと甲状腺機能亢進症はどのように関係しているの?
ストレスと 甲状腺機能亢進症は、副腎という内分泌器を介して関連があります。この関係性をより詳しく理解するためには、ストレスのメカニズムについて知る必要があります。
ストレスと私たちの免疫システム
慢性的なストレスを抱えている人は、それを改善するだけで、甲状腺の状態を改善することができます。ここでいう慢性とは、3ヶ月から1年に渡ってストレスの発作がある状態のことを指します。これは緊張や動揺など心理的な苦痛に繋がる症状を含みます。
・ストレスの発作が起こると、まず視床下部および脳下垂体という部分が刺激されます。
・大脳の一部であるこの二つの箇所が副腎を刺激します。
・そうすると私たちの免疫システムは弱くなるだけでなく、変化をします。
・サイトカインと呼ばれる特殊なタンパク質が分泌され、炎症を起こします。これは私たちの防衛システムが脅威を感じるために、攻撃をするためです。原因がどこにあるのかわからず、最悪の場合は、自分自身を攻撃してしまいます。
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ストレスと甲状腺機能亢進症
甲状腺が私たちの免疫システムを攻撃するということも頻繁に起こります。
・これに関しては、橋本甲状腺炎やバゼドウ病など具体的な臨床症状についてお話をする必要があります。
・またストレスによって、体重が減ってしまう人がいるということにも注意をしてください。
・これは全ての人に当てはまる訳ではなく、人によって症状は異なります。
ストレスを感じることで体重が減る人もいれば増える人もいるのです。甲状腺の働きが減速し、トリオチロキシン(T3)とチロキシン(T4)のホルモンレベルが低下することで体重が増えます。
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ストレスと甲状腺機能低下症:私たちにできること
甲状腺機能の変化は、様々なことが原因となって起こります。そのうちの一つはすでにお話ししたようにストレスです。
では、ストレスによって起こる甲状腺機能低下症を防ぐためにどんなことができるでしょうか。
いくつかの予防策があります。
食事を見直す
バランスの良い食事を取ることに加えて、食事を抜かないことが重要です。例えば、朝食や昼食を抜くことで代謝を変えてしまうことがあります。
また、カフェイン、砂糖、アルコール、ソーダ、チョコレートなどの消費量をコントロールする必要があります。これらは私たちのストレスを高める傾向がある食材です。
さらに専門家は、食事に以下のビタミンとミネラルを含むことをオススメしています。
・セレン
・ナトリウム
・亜鉛
・鉄分
・銅
・ビタミンA〜C、E
7〜9時間の睡眠
ご存知のように、ストレスは私たちの睡眠の質に影響を与えます。そして、睡眠の質が悪いと私たちの健康状態と代謝にも影響を与えます。これを防ぐためには、生活習慣を改善する必要があります。
・毎日、同じ時間に食事をとり、同じ時間に寝るなどスケジュールをしっかりと決めることが大切です。
・夕食を食べてから寝るまでに2時間以上あけるようにしましょう。
・夜は、ゆったりと過ごすことを心がけましょう。寝っ転がっても良いですが、精神的には家にいるだけでも心は落ち着いているはずです。
・寝る2時間前から、パソコンやスマートフォンの使用を避けましょう。
感情を管理する
感情をコントロールすることは簡単なことではありません。でも優先順位をつけることは大切です。以下のことを参考にしてください。
・今日の心配事を明日まで持ち越さないようにしてください。
・ストレスと甲状腺機能亢進症は関連して起こります。小さな問題をそれが大きな問題になる前に解決しましょう。
・明日何が起こるか心配をする前に、今ある問題を解決するために何ができるのか考えましょう。
・不安を解消する方法を見つける:信頼できる人にあなたの悩みを相談しましょう。日記を書いたり、運動したりして不安を解消してください。
マインドフルネス
マインドフルネスは、心と体をつなぐ瞑想のテクニックです。
・この瞑想を最低でも1日に1時間以上行うことをお勧めします。マインドフルネスは、私たちの生活や食事にまでも広く影響を与えます。
・これはシンプルに、現在に集中して、全てのことを楽しむということを目指しています。また、自分自身に耳を傾け、よりゆっくりと責任を持って人生を生きることを意味しています。
甲状腺機能亢進症に関して、これらの簡単な対策を行うことで、私たち自身のケアをより良く行うことができます。
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A. Matos-Santos , EL Nobre , JG Costa , P.J. Nogueira , A. Macedo , A. Galvão-Teles , J.J. de Castro. Relación entre el impacto de los acontecimientos vitales estresantes y el inicio de la enfermedad de Graves y el bocio nodular tóxico. Revista de Endocrinología. 55 ( 2001 ) pp. 15 – 19