心肺機能が緊急の状態に陥ったときの応急処置
急な心臓の病気という緊急事態はいつでもどこでも発生する可能性があります。そのリスクなどについて学ぶことも大切ですが、一般的には予期することがほとんど不可能だと言われています。
現代社会では、多くの人が大部分の時間を仕事に費やしているため、職場で心停止などが起こる可能性があります。
実は私たちが考えているよりも頻繁に心停止などの緊急事態が起こります。
- 米国では、34秒ごとに心臓発作が起こる
- スペインでは、毎年3万人が突然死で亡くなり、最大2万人の人に心肺蘇生法が行われている
心筋梗塞と突然の心停止の違い
心筋梗塞と突然の心停止は、実は全く異なります。
現代では、心筋梗塞は時間の経過とともに症状が緩和してよくなることが多くありますが、突然の心停止を発症した人の中には、数分で亡くなる人もいます。
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心筋梗塞
心臓発作と呼ばれることもある心筋梗塞は、ほとんどの場合、冠状動脈のプラークが破裂して、心臓の一部への血流が減少または完全に中断されたときに起こります。 また、血栓の詰まりや冠状動脈の攣縮が原因となりますが、心筋梗塞が必ずしも心停止を意味するわけではありません。
主な症状は、腕、肩、顎、首などの身体の部分に広がる痛みや、突然の激しい胸の痛みです。
その他の症状をご紹介します:
- 疲労
- めまい
- 呼吸困難
- 吐き気
- 発汗
- 胸焼け
- 突然の意識喪失
すべての心筋梗塞の症例が同じではないことに留意してください。心筋梗塞を発症した人がこれらの症状に気づかないこともあれば、他の病気と混同することもあります。
突然の心停止
突然の心停止は心臓が完全に麻痺したときに起こります。 心臓の動きが停止するため、脳や体内器官への血液と酸素の供給も停止します。
心臓が止まると気絶して意識を完全に失います。また呼吸が停止することもあるため、誰かに助けを求めることはほとんどできません。また気絶する直前にめまいを感じる人もいます。
心臓が緊急の状態に陥った時の応急処置
- すぐに119番(緊急通報用電話番号)に電話をかけて助けを求めてください。
- 心筋梗塞が起きているときは、できるだけ快適なソファなどに座り、静かにしていましょう。
- 心筋梗塞の症状が起きている人は、正常に呼吸をしようとすることが大切です。ベルトやシャツのボタンは外してください。
- 突然の心停止の場合は、呼吸と脈拍などの身体機能を確認するを必要があります。
- 反応がない場合は、直ちに心臓マッサージまたは心肺蘇生法(CPR)を開始する必要があります。
心肺蘇生法
- 前述のように反応を確認します。
- 反応がない場合は、周りの人に119番への通報とAEDの手配を依頼します。
- 胸と腹部の動きから呼吸を確認します。
- 両手を患者の胸骨に置き、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行います。
- 1分間あたり100~120回の圧迫が必要です。
- 一定のリズムでできる限り中断しないように行いましょう。
- 人工呼吸は、正しい方法を知っている人のみが行うべきであり、必ず感染防護具を使用してください。
- 人工呼吸に関する知識のない人は行うべきではありません。
- 停止した心臓に電気ショックを与えて心臓の拍動を正常に戻す器具であるAEDが利用可能な場合は、必ず使用してください。
- 特別なトレーニングを必要としない使い方が簡単なAEDは、必ず指示書が掲示されています。
こちらもご参考に:見逃さないで! 心臓発作の前兆
行動が速ければ速いほど、良い結果を導きます。
1分ごとに生存率が10%低下して、10分後にはゼロになる突然の心停止の場合は、より迅速な応答が必要です。周りの人が救急車の到着を待つだけでは、悲劇的な結果を引き起こす可能性は95%にまで上がります。