新型コロナウイルスを検出する検査の種類
新型コロナウイルスを検出するための検査を開発する作業は、世界に影響を及ぼしている新型コロナウイルスの現在のパンデミックにおいて、最も重要な課題の1つです。毎日何千もの検査を実施することで、感染の拡大を防ぐことができることを示唆する科学的根拠があります。
しかし、新型コロナウイルスを確定する異なる種類の検査の適用に関して、科学者は多くの困難に直面しました。最もよく知られている問題点は、信頼性が最も高い検査は結果が出るまでに時間がかかり、最速で実施できる検査においては、いくつかの欠点があることでした。
この点においては、これまでにいくつかの進歩があり、専門家は自分たちが直面した問題点を大幅に解決したと信じています。来年の冬までには、最新のテクノロジーを使用した非常に効率的な検査が開発されることに期待が寄せられています。
今回は、現段階で利用可能な、新型コロナウイルスを検出するための検査を見ていきましょう。
RT-PCR検査:新型コロナウイルスを検出するためのテストの一つ
新型コロナウイルスを検出するために現在行われている検査の中で、RT-PCR検査(リアルタイムPCR検査)が最も完全で信頼できる検査です。
現在までのところ、最終的な診断において起こるエラーはごくわずかです。そして、世界保健機関(WHO)がこの検査を推奨するのも同じ理由からです。
この検査は、一般的には患者の鼻に綿棒を入れてサンプルを採取しますが、喉から採取することもあります。サンプルの採取には10分かかります。その後、ウイルスは10〜15分かけて不活性化され、適切に保存されたら検査を行うラボへと送られます。
検査技師は検体から遺伝物質を抽出し、特別な装置で処理を行います。検査プロセスは、全体では約4時間かかります。この長いプロセスが主な欠点です。現在科学者たちは、この検査時間を短縮できる方法を見つけるための研究に取り組んでいます。研究者たちは、まもなく、1時間で検査結果を提供できるRT-PCR検査が利用可能になることを信じています。
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抗原検査
新型コロナウイルスを検出するための検査の中で、抗原検査は最速で、世界で最も広く使用されている検査です。この検査の欠点は、その信頼性です。
一部の製造業者は、この検査キットの製造で欠陥が発生しました。さらに新型コロナウイルスの潜伏期にはあまり効果がないため、2回目の検査が必要になります。
この検査は、妊娠検査と同じように機能します。 RT-PCR検査と同様に、サンプルは鼻または喉から採取しますが、今回はサンプルをストリップと呼ばれる紙の上に起きます。その後は、検査結果がこの紙に反映され、陽性、陰性、または決定的でないかどうかを示す色になるのを待つだけです。
抗原検査は、開始から終了までわずか10〜15分です。ウイルスの量が多い患者にとっては信頼できる検査です。ただし、専門家は、この検査の感度はわずか30%であるため多くの疑問点があり、誤検出によって偽陽性や偽陰性という結果が起こる余地を残していると言います。この検査の長所は、医療専門家がいなくても、自宅で手軽に検査を行うことができるという点です。
新型コロナウイルスを検出するための血清学的検査
すべての条件が同じであれば、このテストは血液型を調べる検査に似ています。この検査は、血液サンプルの抽出を含みますが、必要なのはほんの少量の血液です。抗原検査と同様に、サンプルはストリップと呼ばれる紙に置かれます。ウイルスと戦うために感染した人の体が産生する抗体を検出すると、ストリップと呼ばれる紙の色が変わります。
これは、10分または15分程度しか検査時間がかからない、とても迅速な検査ですが、信頼性には限界があります。患者が新型コロナウイルスに感染してから、6〜8日後にのみ抗体が発現します。同時に、患者がまだ感染しているかどうか、またはウイルスに対してすでに免疫があるかどうかは区別されません。この検査は、疫学研究で最もよく使用されます。
ナノテクノロジーを基盤にした光学バイオセンサー
この検査はまだテスト段階ですが、かなり進んでいます。 これは、糖尿病患者が血糖値を測定するために使用したものと同様のバイオセンサーを使用します。 このバイオセンサーは2.5cmの大きさで、特別なチップが入っています。
この検査では、患者から採取したサンプルをチップに通します。 このサンプルにSARS-CoV-2ウイルスが含まれている場合、この装置の光に変化が生じます。プロセス全体には1時間かかります。 最初の30分は診断をまとめ、残りの30分で結果を確定します。
この検査の利点の1つは、検査を実施するための高度な技術を持つ専門スタッフが必要ないことです。また 同時に、とても信頼できる検査結果を提供します。ただし専門家は、この検査は2020年の年末までは準備が整わないと考えています。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
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