先天性色素欠乏症/モデルが語る真実

· 1月 21, 2016
先天性色素欠乏症を抱えた人は、皮膚病や差別など身体的、社会的困難を伴います。

先天性色素欠乏症をご存知でしょうか。先天性色素欠乏症とは髪、肌、眼の色素が足りない為に起こる先天性の疾患です。

先天性色素欠乏症は人だけでなく動物にも見られ、メラニンが欠乏していることで日光に大変敏感であり、深刻なの病気を引き起こします。世界で最も多くこの遺伝性の病気を抱える人が多いのは、アフリカ大陸です。今日は、先天性色素欠乏症を抱えた一人の若い黒人モデル、タンド・ホパが語るこの疾患の現状をお届けします。

アフリカ人モデル、タンド・ホパ

先天性色素欠乏症モデル

タンド・ホパさんは現在24歳。モデルでもあり、また弁護士でもあります。彼女は自分自身のことを“ラッキー”だと語っています。彼女はヨハネスブルグで教育を受けました。そこで彼女は、その繊細な容姿が有名となり、ステージや雑誌のカバーで注目を浴びました。

モデルとしての経験や成功を収めた彼女は法律を勉強しました。世界的にはあまり知られていないけれど、アフリカでは頻繁に起こっている、この社会問題に対し声を上げるためです。

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アフリカで先天性色素欠乏症を持って生まれた、という呪い

先天性色素欠乏症の赤ちゃん

アフリカは世界でも最も先天性色素欠乏症を抱える人が多い地域で、特にタンザニアに多く見られます。その理由はまだ解明されていませんが、植民地時代の初期ヨーロッパ人入植者やその後の近親交配に関連しているのではないかと考えられています。アフリカ大陸では、先天性色素欠乏症の率は世界のその他の地域と比べ約15%高くなっています。

ホパさんは、先天性色素欠乏症を抱えながらアフリカに生きることは、当然のことながらまず一番に身体的な意味での困難さがあり、加えて社会的な困難さがあると言います。強い日光や必需品不足のせいで、皮膚ガンにかかったり失明してしまう先天性色素欠乏症患者も多いのです。さらに、人々の好奇の眼に晒されることとなります。

先天性色素欠乏症の人はよく、現地語で悪魔や幽霊の子を意味する語“ゼル=ゼル”と呼ばれます。先天性色素欠乏症はその子の両親が持つ罪の呪いだと信じられていました。その迷信が元となり、社会的に拒絶されたり、見捨てられたりしてきたのです。

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さらに悪いことには、アフリカでは、生きている先天性色素欠乏症の人は何の価値もないが、亡くなればダイアモンドに値する、とも言われているのです。なぜそのようなことが言われるのでしょうか? アフリカの、ある部族や社会集団、祈祷師の間では、先天性色素欠乏症の人の血液や臓器には魔法の癒しの力があると信じられています。先天性色素欠乏症の人は貴重な牙を持つサイやゾウと同じように考えられているのです! 先天性色素欠乏症の人をひどい目に合わせたり、時には殺害してしまうことに信じられない額のお金が動いているのです。

先天性色素欠乏症の子ども

これは数々の人権団体から報告されている、大変衝撃的な事実です。武装した男達が夜中、先天性色素欠乏症の子どもや大人を誘拐したり、脚や腕を切り落としてしまうのです。悲しいことに、こういった人々の多くは殺されてしまいます。先天性色素欠乏症を持つ人の四肢や血液、臓器が信じられない程の高額で取引されます。このような凶悪な事件は人権問題以外の何物でもありません。

タンド・ホパのような人々が彼らの痛みを代表して声を上げ、国際的機関がこの問題を世界的なものとして取り上げ出しましたが、特にタンザニアでは大変深刻な問題となっています。彼らの訴えにも関わらず、未だに毎年、たくさんの先天性色素欠乏症の方が亡くなっています。その原因は、上述したような犯罪に巻き込まれている場合もありますし、この病気に関係した心臓やその他の疾患の場合もあります。日焼け、感染、ガンも彼らが直面する大きな恐怖なのです。

今日、多くの子どもたちが脚や手のない生活を強いられています。しかし、彼らは自分たちが生きる社会で着せられる汚名にも負けず、それでも希望を持ち続けているのです。