【美味しいけれど】クリームチーズって体にいいの?

クリームチーズは美味しいだけでなく、万能な食材です。甘いものからしょっぱいものまで、さまざまな料理に使えます。でも、クリームチーズはダイエットには向いているんでしょうか? その答えに迫ります。
【美味しいけれど】クリームチーズって体にいいの?
Maria Patricia Pinero Corredor

によって書かれ、確認されています。 栄養士 Maria Patricia Pinero Corredor.

最後の更新: 15 11月, 2022

国際食品規格委員会によると、クリームチーズは、柔らかくて広がりやすく、外皮の付いていないフレッシュチーズです。

広げやすい滑らかな柔らかめのチーズで、穴のない種類です。他の食品との相性も抜群ですが、脂肪分が多いため、ほとんどの健康的とされる食事メニューからは外されがちです。

本当のところ、クリームチーズは体に良いのでしょうか、悪いのでしょうか?

実は、牛乳に含まれる脂肪には、あまり知られていないメリットがあるかもしれないと言われています。これについては後ほど詳しくご紹介しますね。クリームチーズには、ホイップタイプや味付きタイプなどの種類があり、甘いスイーツにも塩味の料理にも独特の風味を加えるために使用されます。

その風味、汎用性、食感から、多くの人に好まれています。しかし、クリームチーズ1食分の栄養素はご存知でしょうか? また、どのように作られているか知っていますか? この記事を読めば、そんな疑問がクリアになるはずです。

クリームチーズの製造方法

『Journal of Dairy Science』 に掲載されているように、クリームチーズの原料は、生クリームのみ、または生クリームと牛乳の混合物です。生クリームを低温殺菌し、非常に小さな脂肪の塊にします。その後、乳酸菌を加えることで、チーズを発酵させて酸性にします。

そうしたら、塩、ゼラチン、スターチ、その他の増粘剤や乳化剤など、国際食品規格委員会で推奨されている添加物を加え、最後に凝結剤を加えます。『Foods』誌によると、凝固剤とは乳タンパク質を分解して凝固させる植物または動物由来の酵素で作られます。

チーズが固まったら、袋詰めの前にかき混ぜられます。国際食品規格委員会によると、100gあたり25gが脂肪とその他の固形物、67%が水分です。脂肪分の比率は、製造法によって異なります。

クリームチーズの栄養

米国農務省PAHO(汎米保健機関)、WHO(世界保健機関)によると、100gのクリームチーズには以下のマクロ栄養素とミクロ栄養素が含まれています。

  • 水分 54%
  • 脂肪 32%
  • 飽和脂肪 21.43%
  • タンパク質 7.1%
  • 炭水化物  7.14%
  • カロリー 321キロカロリー
  • ビタミンA レチノール300マイクログラム
  • リボフラビン 0.20ミリグラム
  • カルシウム 71ミリグラム
  • リン 104ミリグラム

クリームチーズは脂肪を多く含み、67%が飽和脂肪酸です。タンパク質、カルシウム、リンの含有量は他のチーズに比べて少ない代わり、ビタミンAが豊富です。

「ライト(軽めの)」クリームチーズは、67%の水分、7.8%のタンパク質、8%の炭水化物、15%の脂肪を含みます。ビタミンAの値は160マイクログラムと、普通のクリームチーズよりも少なくなっています。また、飽和脂肪が9%、カルシウムが148ミリグラム含まれています。

クリームチーズのカロリーは、一般的なチーズよりも40%少ないです。

クリームチーズ
クリームチーズは万能な食材で、いろんな料理に使われます。

脂肪酸

生リームに含まれる脂肪酸の大部分は非常に小さいため、腸で素早く吸収されます。 ギャスパー・ロス教授のコメントによると、これらの脂肪酸は手っ取り早いエネルギー源として利用できるそうです。

その一つが酪酸で、『Hospital Nutrition』誌によると、大腸の細胞を活性化し、腸の健康を改善する効果があるとされます。

こちらもお読みください:オーブンいらずのチーズケーキの作り方

タンパク質の種類

生クリームには、カゼインタンパク質とホエイタンパク質が含まれています。 専門家によると、これらのタンパク質にはリジンなどの必須アミノ酸が多く含まれているため、生物学的価値が高いそうです。

しかし、クリームチーズのタンパク質の含有量は、高タンパク質食に推奨するには十分ではありません。

炭水化物

製造時に添加された乳酸菌が、クリームチーズに含まれる炭水化物のほとんどを分解します。『Agricultural Matters』誌によると、乳酸菌は乳糖を乳酸に変え、腸内環境を整えて病気の原因となる細菌の繁殖を防ぎます。

ビタミン

クリームチーズに含まれる主なビタミンはビタミンAで、視覚の発達、骨の成長、免疫系に重要な役割を果たします。

雑誌『ALAN』によると、1食分で84マイクログラムのレチノールを摂取でき、これは推奨値の10%に相当します。

ミネラル

他のチーズと同様に、カルシウムとリンが最も豊富に含まれるミネラルです。しかし、チーズに含まれるタンパク質が少ないため、ミネラルの含有量も少なくなります。1日1オンスのチーズでは、カルシウムの推奨摂取量の2%にしかなりません。

カロリー

従来のクリームチーズはカロリーが高く、クリームチーズをパンやビスケットちょっと塗る分の28gで、90キロカロリーの摂取になります。

そのため、カロリーには注意が必要です。

クリームチーズの使い方

クリームチーズの食感と風味は、この食材の最大の強みだと言えます。甘いものからしょっぱいものまで、様々な料理に使うことができます。

最も一般的な使い方は、クッキーやトースト、マフィンに塗ったり、フィリングの材料として、ベイクドポテトに使ったり、サンドイッチに使ったりすることです。

また、クリーミーなドレッシングを作って、パスタや魚、鶏肉、野菜などに添えるのもいいでしょう。スパイスと組み合わせれば、たまらない美味しさになります。

お菓子作りでは、キャロットケーキなどのフィリングやトッピングに最適です。アイスクリームでは、クリームチーズをベースにフルーツを組み合わせたものもあります。ブラウニーやチーズケーキも、クリームチーズを入れて作ると驚くほどおいしくなります。

ブリグヘンティ氏をはじめとする研究者が強調するように、クリームチーズの特性は、料理の食感を高めるのに最適な製品です。シュークリームやフォカッチャに大さじ2杯加えると、よりソフトでリッチな味わいになります。

クリームチーズを使って、あえて冒険してみるのもいいでしょう。例えば、フルーツや野菜のスムージーにクリームチーズを加えると、よりクリーミーになります。

クリームチーズの利点

クリームチーズには、その栄養に加えて、下記のような利点があります。

プロバイオティクスとしての可能性

World Gastroenterology Organisation(WGO、世界消化器病学会)によると、プロバイオティクスとは、腸の健康を改善し、免疫機能を高める可能性のある微生物のことです。

『Biological and Health Sciences』誌によると、クリームチーズはプロバイオティクスの機能を持つ可能性のある特定の乳酸菌で発酵されており、安全性が高いと考えられています。プロバイオティクスとしてラクトバチルス・カゼイを使用することで、最適な品質になるという結果を示した研究もあります。

乳糖が少ない

牛乳に含まれる乳糖を腸内で分解する酵素が体内で不足している状態、つまり乳糖不耐症の人が多くいます。これは、腸内で乳糖を分解する酵素が不足しているためで、腹部の膨満感やガス、下痢などの症状を引き起こします。『Nutrients』誌では、不耐症の人の中には1日に12gの乳糖にしか耐えられない人もいることを明らかにしています。

1オンス(約28グラム)のクリームチーズには、最大2グラムの乳糖が含まれています。乳糖不耐症の人でも適度に摂取している限り、何の問題も生じないはずです。

しかし、乳糖不耐症との関係については、まだ研究は不十分です。

豊富な抗酸化物質

アスティアサラン氏とマルティネス氏はその著書の中で、牛乳の脂肪にはβ-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチンなどのカロテノイドが含まれていると述べています。ヤン氏とラン氏は、カロテノイドがフリーラジカルの働きを阻害し、細胞にダメージを与える可能性があることから、その抗酸化作用について述べています。カロテンの中には、目の健康に直接影響を与えるものもあります。

クリームチーズ
クリームチーズに含まれる乳糖は少ないので、1日あたり12グラム以下に乳糖の摂取を抑える必要がある乳糖不耐症の人でも食べられます。

クリームチーズの注意点

クリームチーズを食べる上で注意することは、下記を参照にしてください。

低タンパク

通常のクリームチーズ1食分には、2グラムのタンパク質しか含まれていません。なので、1食分で7グラムのタンパク質を含むゴートチーズやチェダーチーズなどの他のチーズとは異なり、高タンパク食にはお勧めできません。

飽和脂肪酸の摂取

クリームチーズには飽和脂肪酸が多く含まれています。1食分28グラムとして、1日の摂取カロリーを2,000キロカロリーとすると、30%に値します。

世界保健機関(WHO)は、慢性疾患を予防するために、飽和脂肪を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています。

高カロリー食品

クリームチーズは非常にカロリーが高いため、ダイエットには向いていません。ダイエットをしている人は、クリームチーズを使った料理は避けましょう。専門家は、低カロリーの「ライト」クリームチーズや低脂肪のクリームチーズに置き換えることを推奨しています。

賞味期限が非常に短い

クリームチーズは低温殺菌されており、病原性のある微生物を除いているにもかかわらず、その高い水分含有量が汚染のリスクを高め、保存期間を短くしているチョイ氏をはじめとした研究者は述べています。

いくつかの研究によると、賞味期限は2週間で、開封後は冷蔵保存しなければなりません。

クリームチーズは体にいいの?

さまざまな調理法で風味を発揮するクリームチーズの使い勝手の良さについては、議論の余地はありません。しかし、クリームチーズには栄養があるのでしょうか?

適度な量であれば、低乳糖に抑えつつ、エネルギーとビタミンAを摂取することができます。飽和脂肪とカロリーの高い通常のクリームチーズを、ライトなものに変えれば、健康的な食生活にも役立つでしょう。

クリームチーズにプロバイオティクスを添加することで、健康志向の乳製品市場でも上位のものになり得ますが、この点についてはさらなる研究を行う必要があります。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Sainani, M. R., Vyas, H. K., & Tong, P. S. (2004). Characterization of Particles in Cream Cheese. Journal of Dairy Science, 87(9), 2854–2863.
  • Guía Práctica de la Organización Mundial de Gstroenterología: Probióticos y prebióticos. 2011. Disponible en: https://www.worldgastroenterology.org/UserFiles/file/guidelines/probiotics-spanish-2011.pdf.
  • Manrique Vergara, David, & González Sánchez, María Eugenia. (2017). Ácidos grasos de cadena corta (ácido butírico) y patologías intestinales. Nutrición Hospitalaria34(Supl. 4), 58-61.
  • Granados-Conde, C., González Cuello, R., Galindo W., Pérez D., Pájaro-Castro, N. Obtención de queso crema con propiedades funcionales suplementado con sólidos de lactosuero e inoculado con Lactobacillus casei. ORINOQUIA. 2016,  20 (2), 40-46.
  • Gutiérrez-Méndez, N., Balderrama-Carmona, A., García-Sandoval, S. E., Ramírez-Vigil, P., Leal-Ramos, M. Y., & García-Triana, A. (2019). Proteolysis and Rheological Properties of Cream Cheese Made with a Plant-Derived Coagulant from Solanum elaeagnifoliumFoods (Basel, Switzerland)8(2), 44.
  • Parra H., Ricardo A.; Fonseca S., Eliana G. PARRA H., Ricardo A.; FONSECA S., Eliana G. Características fisicoquímica, proximal y sensorial de un queso tipo crema saborizado. Vitae. 2012,vol. 19, núm. 1, S216-S218.
  • Brighenti M, Govindasamy-Lucey S, Jaeggi JJ, Johnson ME, Lucey JA. Effects of processing conditions on the texture and rheological properties of model acid gels and cream cheese. J Dairy Sci. 2018 Aug;101(8):6762-6775.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。