ニトロソアミンを含む食品は潜在的な発ガン性食品である
ニトロソアミンと癌には関連性があると科学者たちは警鐘を鳴らしているものの、アメリカにおいては米国農務省(USDA)が食品に硝酸ナトリウムを添加することを承認しています。
この食品添加物は、一般的な風味および色をつける効果と、食品の貯蔵寿命を延ばすために使用されます。
硝酸ナトリウムは、ナトリウム、窒素、および酸素からなる天然塩で、多くの企業が、細菌の増殖と腐敗を防ぐための防腐剤として食肉に使用しています。
これらの細菌の中には、潜在的に重大な疾患を引き起こすボツリヌス菌やリステリア菌などの危険なものもあるため、この食品添加物は安全であると考えられています。
しかし、硝酸ナトリウムは肉の中で細菌と相互作用すると化学変化を起こし、酸素原子を失って亜硝酸ナトリウムとなります。
そして経時的には、硝酸ナトリウムは、一酸化窒素、ガス、またはニトロソアミンを形成することがあるため、発がん性物質だと考えられています。
硝酸ナトリウムを含む食品
硝酸ナトリウムは多くの食品に使用されていませんが、天然硝酸ナトリウムは、加工した乾燥肉および専門店で加工された肉には、依然として使用されています。
硝酸ナトリウムを含む一般的な食品のいくつかをご紹介します
ホットドッグ
私たち人間は何百年にも渡り、細菌の増殖を防ぐことによって肉の貯蔵寿命を延ばす手段として防腐剤を使用してきました。
かつて塩は、肉を保存するために使用されていましたが、硝酸塩はその塩の「保存するのに役立つ主要部分」と考えられています。
ソーセージとホットドッグの主な成分には亜硝酸ナトリウムが含まれていますが、これはこれらの肉には硬化という、加熱と、スパイス、塩、亜硝酸塩を肉に加えていく過程があるからです。
この過程で、亜硝酸塩は酸化ミオグロビンとなり、ミオグロビンと結合します。ミオグロビンは、時間の経過とともにホットドッグに特徴的なピンク色を与える赤色の色素です。
アメリカで発行されている食品化学ジャーナルに掲載された1974年の研究では、硝酸塩がソーセージや他の肉で分解され、タンパク質と結合してニトロソアミンが生成することが明らかになりました。
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バランスを取るために使用されるもの
硝酸ナトリウムは炎症とも深い関わりがあるため、米国農務省は、ホットドッグの製造者には、抗酸化物質として知られている抗炎症物質を追加することを条件としています。そのため、硝酸塩の炎症作用を最小化または中和するために、ビタミンCなどの抗酸化剤が添加されています。
加工肉
私たちの食事に含まれているほとんどの硝酸塩は、野菜に自然に存在するものからきており、土壌の窒素から硝酸ナトリウムを生成することで生まれます。
従って、加工肉が硝酸ナトリウムの唯一の供給源ではなく、実際は摂取量の5%未満が加工肉からです。
これらの肉の例をご紹介します:
- プロシェット(イタリア生ハム)または硬化ハム
- パンチェッタ
- ペパロニ
- サラミ
- ベーコン
- 調理用ハム
- スーパーマーケットで製造された肉
わずか50gほどの加工肉でも、毎日食べれば結腸ガンや直腸ガンのリスクが高まります。
加工肉とガンの関連性は科学的にはまだ明らかになっていませんが、現在でも亜硝酸塩と硝酸塩がガンを引き起こす発がん性があるとして研究が続いています。。
ソーセージやサラミのような加工肉を食べるのは悪いことではありませんが、新鮮な鶏肉や魚、または豆で作ったベジタリアンミートなどの、より健康的な食品へと置き換えていく必要があります。
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果物
硝酸塩は土壌中に存在する必須植物栄養素なので、すべての植物に吸収されて、窒素の主要な供給源として使用されます。
つまり、硝酸塩はすべての野菜、果物、および穀物に自然に含まれており、その中でもいくつかの植物は他の植物より遥かに多くの硝酸塩を含んでいます。
一般的に、地中で育つ野菜、特に根菜と比べて、地上から距離が離れている果実の方が硫酸塩の含有率は低いと言われています。
その一方で、イチゴは最も硝酸塩が多く、次にラズベリーやチェリーが続きます。
野菜
硝酸塩の含有量が高い野菜をご紹介します:
- レタス
- ビーツ
- 人参
- サヤインゲン
- ほうれん草
- パセリ
- キャベツ
- ラディッシュ
- セロリ
硝酸塩の含有量は土壌組成によっても差があることは明らかです。
レタスやビートなどの硝酸塩を豊富に含む野菜についての研究では、血流中の一酸化窒素レベルが高くなると血圧が低下することが分かりました。
そして一酸化窒素には、血管を弛緩させるまたは血管拡張する働きに加えて、不適切な血液凝固を防ぐのに役立つ抗血小板特性があります。
スライスされた加工肉
天然ビタミンCを含む発ガン性ニトロソアミンの生成を減らすことは一時的には可能かもしれませんが、長期的な健康維持という点から考えると、加工肉の摂取を減らすことが最前の方法です。
加工肉がどうしても食べたいというときは、その製造過程をしっかりと認識して、どのような「肉」や添加物がその中に含まれているかを理解することで、食べたいという気持ちが低下します。
高濃度の塩化ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ニトロソアミン、および加工肉の消費に伴う、ガンを発症するリスクが気になる場合は、毎日の食事の中に、健康的な食品を選択することが大切です。
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