2型糖尿病を自然にコントロールする方法
現代社会における一般的な病気の一つが糖尿病です。
糖尿病には1型と2型があり、1型はインスリンを補給することで、糖尿病をコントロールします。
その一方で、2型糖尿病は食生活の改善により症状をコントロールすることが可能です。
本記事では、2型糖尿病をコントロールするためにどのような食事法に従うべきかをご紹介します。
すでに2型糖尿病を発症している人や、家族の中に糖尿病を発症した人がいて、自分も発症しないか心配な人は、今回のアドバイスを参考にしてくださいね。
糖尿病の種類
1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓がインスリンと呼ばれるホルモンの産生を停止することで発症します。
体がインスリンを産生できないため、インスリン注射として人工的に体内へとインスリンを供給します。
このタイプの糖尿病は遺伝性だと考えられているため、現時点では予防法はありません。
2型糖尿病
2型糖尿病にもインスリン欠乏症も含みますが、それでも1型と比べるとインスリンは産生されています。
2型の場合、インスリンは産生されても適量は作られないのが特徴で、大量のインスリンが産生された場合は、それが正常に機能しないという症状が起こります。
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インスリンとグルコース
ここまでにインスリンという言葉を使いましたが、果たしてインスリンとグルコースはどのように関連しているのでしょうか?
何かを食べると、食品の一部はグルコース(ブドウ糖)へと体内で変換されます。
グルコースは私たちの主なエネルギー源であり、非常に大切なプロセスです。
インスリンは、グルコースを必要とする体内の細胞へとそれが到達するのを助けるため、体内にインスリンが不足していると、すべてのグルコースが血中に残り、健康上の問題を引き起こします。
2型糖尿病のコントロール
同じ糖尿病でも、1型糖尿病と2型糖尿病は大きく異なります。
前述したように、1型ではインスリンが全く産生されませんが、2型ではインスリンは産生されています。
十分な量ではありませんが、インスリンがあるかないかという違いがあります。
そのため、1型糖尿病をコントロールする唯一の方法はインスリンの供給です。
これに対して2型糖尿病は、インスリン注射以外の方法で症状をコントロールすることが可能です。
これは2型糖尿病患者が、医師の処方による薬を飲まなくていいという意味でも、インスリンを注射しなくてもいいという意味でもありません。
一番大切なのは、医師による治療に従うことです。
そして栄養士の指導による食事療法により、適切な栄養を体内に供給することで、2型糖尿病をコントロールすることができます。
2型糖尿病をコントロールする方法
グルコースに要注意
お菓子を食べるときだけ血糖値が上がると考えるのは間違っています。
甘くない食品でもグルコースが形成されて血糖値が上がるものがあります。
2型糖尿病患者の中には、お菓子を食べないことで血糖値を正常に保っていると考える人もいますが、炭水化物なども血糖値を上昇させるため、何が血糖値を上げる食品なのかを、専門家の指導のもとでしっかりと学ぶことが大切です。
複雑な炭水化物を食べる
炭水化物は血中で糖に変わりますが、毎日の食生活から完全に排除するのが難しい食品です。
そのため、2型糖尿病を発症している人は、「どの食品群からも抜いていい栄養素はない」という事実を理解した上で、どの炭水化物が血糖値を急上昇させないかを理解することが大切です。
炭水化物には「単純」な炭水化物と「複雑」な炭水化物がありますが、血糖値の上昇を抑えるためには、複雑な炭水化物を選んでください。
パスタ、精製された小麦粉、ジャム、加工品の代わりに、玄米、全粒穀物、野菜、などの複雑炭水化物を摂取することをお勧めします。
甘味料を多用しない
精製された砂糖は血糖値に直接影響を与えるため、摂取量には注意が必要ですが、甘いものを食べたいという欲求はほとんどの人にあります。
その時に使うのが人工甘味料ですが、人工甘味料は私たちの健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、使いすぎには注意が必要です。
タンパク質を食べる
タンパク質はグルコースに変換されないため、血糖値を心配することなく、一日に必要な量のタンパク質を摂ることができます。
脂肪に要注意
健康に良くない脂肪がグルコースに変換されることはありませんが、コレステロール値を上昇させます。
そして糖尿病を発症している場合は、コレステロール値の上昇を悪化させる可能性があるため、健康的な脂肪を摂取して、バランスのとれた食生活へと改善してください。
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インスリンをサポートする食品
グルコースへと変換される食品を避けながら、インスリンの産生を向上させる食品を積極的に摂取することをお勧めします。
2型糖尿病と診断されたら、必ず医師による治療に従うことが大切です。
そしてそれを補完する食品を毎日の食生活に取り入れて症状の改善に取り組みましょう。
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