境界性パーソナリティ障害の人と暮らす
カップルのうち、どちらかが境界性パーソナリティー障害(BPD)を抱えている場合、それは二人 にとってとても難しい課題となるでしょう。しかし、恋愛関係を築き上げることは不可能ではありません。ただ、二人の関係を健全で良いものにするには、心に留めておかなくてはいけないことがあります。
境界性パーソナリティー障害の恋人の支えになるということは、相手を変えるということではありません。境界性パーソナリティー障害は専門家が見守ることが必要となります。専門家の観察があるからこそ、改善の希望が持てるのです。
境界性パーソナリティー障害は生涯付き合っていかなくてはいけないものです。悪い状態に逆戻りする時があるかもしれませんし、逆に、境界性パーソナリティー障害を抱えていることにほとんど気がつかない時もあるでしょう。それでも、境界性パーソナリティー障害はそこに潜んでいるのです。
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境界性パーソナリティ障害のカップルの典型
まずは、どちらかが境界性パーソナリティー障害を抱えているカップルによくある行動から見ていきましょう。境界性パーソナリティー障害抱えている人は、その多くが相手を傷つけてしまいます。残念ですが、境界性パーソナリティー障害の症状は終わりなく続き、相手を傷つけるということは徐々に増えてしまうでしょう。
境界性パーソナリティー障害を抱えた人は、非常に情緒不安定で、極端な考えを持った人であるということを忘れてはいけません。つまり、相手への対応には特に気をつけなくてはいけないのです。
境界性パーソナリティー障害を抱えた恋人と上手く付き合う方法はたくさんあります。次のことを覚えておくとスムーズな関係になるでしょう。
- 上手くいかなくなったら境界性パーソナリティー障害の人を見捨てる人がいます。または別れると脅したり、態度を改めなかったら二度と一緒に外出しないなどと脅す人がいます。これは、境界性パーソナリティー障害の人の情緒不安定さが増すだけです。
- 受け入れられないと思うような振る舞いをされた時、気がつかなかったふりをする人もいます。これはこの病気を後押しすることになります。境界性パーソナリティー障害の病的行動を助長することになるのです。
- 境界性パーソナリティー障害のパートナーをありのまま受け入れ、バランスを取ろうとする人もいます。この場合、事態が改善しなければ罪を犯したように感じ、自分の責任だと感じてしまうでしょう。
- 沈黙を選ぶ人もいます。恋人の問題について話さないのです。恋人の日々の行動を友達や家族から隠す場合もあるでしょう。これでは境界性パーソナリティー障害の人に、何が起こっているかを見せないことになります。
- トラブルが起こるまでは、相手が自分のことを愛しているというのを理解しています。難しい点は、パートナー障害は自身の行動に責任がないという事実にあります。
残念なことに、多くの人が間違ったアプローチをしているようです。ある人はこの問題に自ら飛び込んでいますし、中には何も言わない人、行動を正当化する人もいます。結果として、境界性パーソナリティー障害の人の行動は何も変わらないのです。
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スポンジではなく鏡のように振る舞う
境界性パーソナリティーという障害には簡単に圧倒されてしまいます。前述のような行動がある場合は、特にそうでしょう。
自分の恋人を守ってあげたいと思うのは当然です。しかし、それはベストな方法だとは言えません。境界性パーソナリティー障害の人と一緒に暮らすというのはとても難しいことです。どのように振舞うべきかを意識しなくてはいけません。
あなたの目標は、境界性パーソナリティー障害の症状を抑えられるよう、恋人を支えることです。
そのためには、自分の信念や価値観に忠実でなくてはいけません。恋人のしていることがおかしいと感じたのなら、そう伝えるべきなのです。
本当はおかしいと感じているのに恋人の行動を正当化するのは間違っています。カップルとして、何が起ころうとも超えることのない一線を引くことが大切です。
あなたの許容範囲を超えた行動はどのようなものか、はっきりと恋人に伝えておきましょう。あなたが弱ければ、すべてが間違った方向に進んでしまいます。
脅しは効果がない
抱えている問題について話すということを避けてはいけません。話すことで境界性パーソナリティー障害の人はあなたの立場を知り、一緒に問題を解決していくのだということを知るのです。
しかし、時には、境界性パーソナリティー障害の人にイライラさせられ、脅すようなことを言ってしまう場合があるかもしれません。これはあってはいけないことです。状況を悪化させるだけでなく、相手が情緒不安定になるだけです。
「ノー」と言うことを学びましょう。自分の感じていることを言葉にしましょう。最も大切なのは、境界性パーソナリティー障害の恋人の行動に、あなたが責任を感じる必要はないということです。
相手を守ってあげなくてはいけない壊れ物のように扱うことを止めたら、全てのことが上手く流れ出すでしょう。
あなたらしくいましょう。嘘をつく、ごまかす、境界性パーソナリティー障害の恋人を信用しないなどといったネガティブな態度をとってしまわないように気をつけましょう。 境界性パーソナリティー障害の人の思考プロセスはとても極端なのです。境界性パーソナリティー障害の人の感情は、時には自らのコントロール範囲外となるのです。
境界性パーソナリティー障害を抱えた人との恋愛関係でバランスを保つことは難しいことかもしれません。山あり谷ありの道となるでしょう。しかし、その相手を選んだのはあなたのなのです。一緒にいたいと思ったのですから、きっとその価値はあるはずです。
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