更年期をじょうずに乗り切る方法
更年期とは閉経前後の時期を指し、思春期と同じく、女性にとって誰もが通る段階の一つです。更年期の症状は人によって違い、すぐに終わる場合もあれば、何年間も続く場合もあります。今回は、女性なら避けて通れない更年期を上手く乗り切るにはどうしたらいいかについてお話しましょう。
女性の平均閉経年齢は51歳。人によってはもっと早かったり、遅かったりします。更年期に現れる症状は様々ですが、主に以下のような症状が特徴でしょう。
- 月経周期の変化
- ホルモンバランスの変化
- 性交時の痛み・性欲の減少
- 尿路感染症の増加
- 尿もれ
- 睡眠障害
- 極端な気分変動(躁うつ)
これらの症状の予防や更年期の期間を短縮するのに役立つかもしれない食べ物や、不快な症状に対処するポイントも後でご紹介します。
女性の中には、更年期を迎えても表立った症状が現れない人もいます。しかし専門家によると、更年期の女性の85%がなんらかの症状に悩まされており、その大部分の人たちが数多くの症状を体験するといわれています。ですから、更年期症状が出たからといって極端な情緒不安定におちいらないよう、日頃から気分をコントロールすることが大切でしょう。
私たちは、ライフサイクルのひとつひとつの段階にきちんと対処していく必要があります。年齢によって必要な栄養素も変わってくる、ということを知っておかなくてはいけません。身体がスムーズに機能できるよう、常にヘルシーな食生活を維持していくことが肝心だと言えるでしょう。
- 閉経後の女性は、骨粗しょう症や心臓病のリスクが高くなることを覚えておきましょう。カルシウムやビタミンDが豊富な乳製品を食べることが大切でしょう。また、脂質の多い食品を避け、食べ過ぎず、ヘルシーな体重を維持し、心臓や血管の病気にかからないようにしなければなりません。
- 更年期により引き起こされる症状の多くは、体内のエストロゲンが減少することから起こります。いくつかの研究によると、大豆や大豆製品などの食品にはエストロゲンに似た物質が含まれているため、ほてりやのぼせ・イライラ・不安感などのさまざまな症状を軽減するのに役立つそうです。
弘前大産婦人科の水沼英樹教授は、YOMIURI ONLINEの中で以下のように述べています。
大豆イソフラボンは、大量摂取によって、副作用が出るおそれがあるので、国の食品安全委員会では1日当たりの大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値を70―75mgとしました。そのうち、通常の食事ではない形(サプリメントや、特定保健食品など)で摂取する量は1日当たり30mgまでが望ましいとしています。
- また、更年期には、くだものや野菜などの抗酸化物質を多く含む食品や、体重を維持するためにナッツ類を摂ることが勧められています。
- のぼせやほてり、寝汗を防いだり、軽減するためには、大豆・ホップ・セージを食べると良いでしょう。
- ホルモンバランスの変化のせいで、皮膚の弾力性とはり失われますから、お肌を保護する必要があります。ビタミンEの豊富な食品を摂るようにしましょう。
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更年期をじょうずに乗り切るコツ
- 体機能を高め、筋肉を維持し、心血管系の病気を防ぐため、毎日運動しましょう。
- タバコ・アルコール・カフェインを避けましょう。タバコを吸う女性は、吸わない女性よりも更年期症状がずっと早く現れる可能性があります。
- 更年期を健康に過ごせるよう、婦人科の医師に診てもらうようにしましょう。
- 性生活を維持し、パートナーとよい関係を保つことは、更年期をじょうずに乗り切るためのキーポイントです。
- 心をおだやかに保ち、心身の健康を守ることも、更年期を元気で過ごすために大切です。
- ホルモンバランスの変化からくる緊張感とストレスを軽減するため、リラックスできるアクティビティを行いましょう。また、自尊心の向上と情緒の安定に努め、極端な気分の変化が起こらないよう心がけましょう。
- 夜は十分な睡眠をとることが非常に大切です。
- 人とのつきあいは、人生の満足度を高め、生きる意欲を維持するのに役立ちます。
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更年期は閉経、つまり加齢による生殖機能の低下を意味します。さまざまな不快な症状を伴いますが、それでも私たちの正常なライフサイクルの一段階なのです。この時期に落ち込むことなく、うまく乗り切るためのポイントは、自尊心・正しい食生活・運動、そしてあなたのパートナーの理解・サポート・手助けなどです。
あなたも更年期をうまく乗り切り、前向きにハッピーに過ごしていきましょう。
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