コルチゾール値の高さを示す6つのサイン

コーヒーの摂取を減らし、運動によるエネルギー消費を増やすことは、体内のコルチゾール値を適切に保つための基本です。
コルチゾール値の高さを示す6つのサイン

によって書かれた Ivan Aranaga Amengual

最後の更新: 06 12月, 2022

コルチゾール、またはヒドロコルチゾンは、副腎から分泌されるホルモンの一種です。このホルモンは血糖値を上昇させる働きがありますが、骨の形成を抑制したり肥満などの病気の原因にもなります。

コルチゾールの値が上がることは、高コルチゾール症、またはクッシング症候群と呼ばれます。この病気には、中心性肥満・高血圧・高ストレスなどの症状があります。

高コルチゾールの可能性を示す症状

全ての場合に現れるとは限らないものの、体の何かがおかしいこと、そしてそれが高コルチゾールである可能性を示唆する症状がいくつかあります。ここで、それらの症状についてもっと知っていきましょう!

1. 突然の体重増加

 

体重計

体重の増加は、高コルチゾールの場合に最初に現れる症状の一つです。脂肪が肩、胸、背中などからたまり始めるので、特に上半身に違いが現れます。

ただし妙なことに、腕と脚は細いままです。

コルチゾール値が高いと血流が悪くなり、脳へのグルコース供給が減ることを示す研究が発表されています。これが脳細胞へのグルコース不足を引き起こし、死んでしまう細胞が出てしまう可能性もあります。

「Fructose-induced inflammation and increased cortisol: A new mechanism for how sugar induces visceral adiposity(フルクトースによる炎症とコルチゾール値の上昇:糖が内臓脂肪症を引き起こす新しいメカニズム)」と題された研究では、脳内のフルクトース(果糖)がコルチゾールの分泌を促し、それがインスリン抵抗性の上昇につながって体重増加を引き起こすことが観察されているのも興味深い結果です。

こちらもご覧ください 健康的に緩やかに体重を減らす方法

2. 皮膚症状

 

高コルチゾール症とクッシング症候群は、皮膚にも影響を及ぼします。次のような皮膚症状が見られることがあります。

  • ニキビ
  • 血腫
  • 顔と体のうぶ毛の増加
  • 乳房、腹部、太ももに赤色皮膚線条と呼ばれる赤い筋が発生。

3. 筋肉と骨の症状

コルチゾール値が高くなると、筋肉や骨にも症状が表れます。簡単に言うと、骨が弱くなり、特に肋骨と背骨の骨折のリスクが高まります。それと共に、筋肉が裂けるといったようなケガをしやすくなるリスクも存在します。

4. 免疫機能の低下

採血管

人の免疫系を調整する胸腺もコルチゾールの増加によって影響を受けます。このホルモンは細胞を死なせてしまう可能性があり、免疫系がウイルスではなく自分自身の細胞や組織を攻撃してしまいます。

  • 免疫機能の低下による最も一般的な症状は、喘息とアレルギーです。
  • しかし、全身性エリテマトーデスクローン病、線維筋痛症などのさらに重篤な病気を発症する可能性もあります。

5. 気分の変化や精神症状

ストレスを過剰に抱える人によく表れる最も一般的な症状は不安です。これと共に一日の内に突然、しかも継続的に大きく感情が起伏するという症状が現れます。重度のうつ症状が認められる場合もあります。

こちらも読んでみて:身体の痛みと不安症の関係とは

6. 疲労と不眠

 

スペイン神経学会(SEN)の覚醒・睡眠障害研究チームのコーディネーターであるエルナンド・ペレス・ディアス博士は、ホルモンと睡眠の関係について以下のように述べています。

「睡眠の根本的な機能は休息にあります。これは、同化ホルモン(GH、プロラクチン、テストステロン、LH)の分泌と異化ホルモン(コルチゾール)の抑制による細胞の修復、エネルギーの蓄積、シナプスのメンテナンス、神経ネットワークの統合などによって実現されます。」

コルチゾールによりもたらされるエネルギーは、体にとって逆効果になることもあります。日中に極端に活動的になることで、体が休めなくなるのです。夜間にこのホルモンが過剰なことで体が休息状態に入れず、良い睡眠がとれなくなります。

  • 通常の状態では、体にエネルギーを供給するため午前8時ごろコルチゾールの増加が見られます。
  • 一方、高コルチゾールの場合は反対で、夜に活動的になり、午前中は疲労を感じます。

コルチゾールを適切値に保つには?

次に、体内のコルチゾール値を適切に低下させ、より健康的な生活を送るためのアドバイスを挙げていきます。

睡眠時間を増やす

 

睡眠衛生に気を付ける、睡眠スケジュールを守る、寝る前にリラックスできることをする、夕食は軽めに最低就寝3時間前までに食べる、そして毎晩良く休めるように、とにかく最善を尽くすようにしましょう。自分の好きなリラックスできる習慣を作って実践しましょう。

しっかり休息をとることは、コルチゾール値を下げるだけでなく、若々しい見た目と健康をたもつことにつながることを忘れないようにしましょう。

血糖値を維持する

バランスの取れた栄養価の高い食事を心がけ、市販の清涼飲料、加工食品、冷凍食品などの食品を避けましょう。毎日果物を食べ、血糖値を正常に保つために炭水化物、たんぱく質、食物繊維を含んだ完全な食事を準備しましょう。

また、ビタミンB、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、ビタミンC、アルファリポ酸などが豊富に含まれた食品を取り入れることも勧められています。

コーヒーをやめる

 

ノーカフェイン
カフェインが含まれているため、睡眠のトラブルに悩む人はコーヒーを避けたほうが良いでしょう。

カフェインは、血液中のコルチゾール値を1時間で少なくとも30%上昇させると言われます。しかし、その影響が18時間も続く場合もあります。代謝は代謝でも、異化を減少させ、同化を上昇させたい人は、コーヒーをやめることです。

運動をする

筋肉量が増える、セロトニンやドーパミンの分泌が増加するなどの日常的に運動をすることによる効果が、不安やうつ症状へのリスクを避けることにもつながります。また、運動をすることで、体内のコルチゾール値の異常を防ぐ助けにもなります。

コルチゾール値が気になる人は、必ず医師に相談を

ここで紹介した症状に心当たりがあると言う人は、医師に相談して疑問を解消してしまいましょう。そうすることで、実際にコルチゾール値の異常なのかどうか、そしてどういう対策法があるのかを知ることが出来ます。

もちろん、これらの症状に対して医師が行う治療に従うのと同時に、自らの健康と幸福のために健康的で一貫した生活習慣を送ることも大切です。


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このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。