肩腱板断裂:リハビリテーションの段階
腱板は、肩関節の周りの筋肉と腱のグループで、腱板の損傷は肩の痛みを引き起こす可能性があります。
また患部側を下にして眠ると痛みが悪化する傾向があり、腱板を損傷するリスクは年齢とともに増加します。
腱板断裂の症状
腱板の損傷に伴う痛みは、次のようなさまざまな形で現れる場合があります。
- 鈍い肩の痛み
- 患部側の肩を下にして寝る場合、睡眠を妨げるほどの痛み
- 髪をとかしたり背中を触るのが難しくなるほどの痛み
- 腕の弱さ
腱板断裂を修復する最も一般的な方法は手術で、術後、患者はリハビリテーションを受ける必要があります。
ここからはリハビリテーションの段階を説明します。
腱板断裂の治療段階
腱板断裂の手術を受けた後に行われる、術後リハビリテーションは、整形外科医とリハビリテーション医との緊密なコミュニケーションが必要です。
旋腱板断裂の理想的なリハビリテーションプログラムを行うと、腱の骨を癒し、肩の筋肉のコリを予防します。
ただし、腱板断裂は患者によって個人差があるため、患者一人一人にあったリハビリテーションを計画して、個人の状況をしっかり考慮にいれることが、良好な結果に繋がります。
個別のリハビリテーション
リハビリテーションの段階は、次の段階にお応じて各患者ごとにカスタマイズされたものである必要があります。
- 断裂の種類とサイズ
- 使用された手術方法
- 細胞組織の状態
- 安全な回復段階
- 患者の年齢
- 患者の活動レベル
- 患者の個人目標
急性の断裂を経験した患者は、再び断裂が起こる可能性が高くなります。
外科手術による修復を保護するには、よりゆっくりとしたリハビリテーションプロトコルに従う必要があります。
術後の肩の筋肉のコリや硬さを発症する危険因子を持つ患者は、この合併症を防ぐために、早く動かすようにする必要があります。
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リハビリテーションの段階は、患者を定期的に診察して症状を確認することに基づいています。
リハビリテーションの各段階では、自宅での運動プログラムも含まれることがほとんどです。
腱板リハビリテーションプログラム
リハビリテーションプログラムには2つのタイプがあります。
1. 保守的プログラム
保守的なプログラムは、組織のストレスを最小限に抑えて、治癒を促進するための2〜4週間遅れたプログラムで構成されています。
原則として、急性の断裂、複数の腱断裂、または組織の状態が悪い50歳以上の患者は、保守的な治療プログラムが必要です。
2. 促進的プログラム
促進的なプログラムプロトコルは、手術を行った場所にダメージを与えたり、早発型を必要とするリスクなく、2〜4週間のリハビリテーションを促進します。
50歳未満の患者の小さな断裂、1回の腱板断裂、および組織の状態が良好な患者は、標準または促進治療プログラムに従う必要があります。
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腱板断裂リハビリテーション
腱板断裂の手術後に行われるリハビリテーションには、4つの段階があります。
第1段階:術後すぐの期間
ここでは、手術直後の0〜4週間のメンテナンスと患部の保護に関する次のガイドラインが含まれます。
- 外転スリング/装具
- スリング、リクライニングチェア、枕を下に置いて寝る
- シャワーとリハビリのためだけに固定を取り外す
- クライオセラピー
- 振り子運動
- アクティブな肘/手首/手の動きのエクササイズ
- 頸椎のストレッチ
第2段階:保護と可動域
この段階では、受動的に可動域を徐々に復元することを目指します。
通常は、術後4〜10週目です。
- 4週目には、仰向けの状態で、アクティブアシストによる可動域(AAROM)を目指します。
- 6週目以降は、受動的に完全な可動域を取り戻し、能動的な補助動作を始めます。
- 8週目には、閉じた運動連鎖で肩甲胸部および準最大等尺性運動を行い、開いた運動連鎖で固有受容運動を行う必要があります。
第3段階:早期の強化
10週目から14週目には、筋肉の強化を開始します。
次の目標を達成する必要があります。
- 能動的に完全な可動域を回復
- 筋力と筋肉の持久力を回復
- 固有受容性神経筋のコントロール
- 肩甲骨周囲の筋肉の強化
- 徐々に日々の活動に戻る
第4段階:高度な強化
最後に、患者は以前の筋肉の機能レベルへと戻る準備が整います。
この段階でのスケジュールは14週から22週の範囲です。
それぞれの段階は次の通りです。
- 痛みのない完全な可動域
- スポーツ活動に戻る。そして通常の筋肉の強さと持久力の回復
- すべての活動に戻る
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