過敏性腸症候群の患者さんが避けるべき食品とは?

この病気を確実に治癒する方法はまだ発見されていませんが、患者さんの生活の質を向上させるのに役立つ治療法がたくさんあります。
過敏性腸症候群の患者さんが避けるべき食品とは?
Nelton Abdon Ramos Rojas

によってレビューと承認されています。 医者 Nelton Abdon Ramos Rojas.

によって書かれた Katherine Flórez

最後の更新: 17 12月, 2022

過敏性腸症候群(別名:過敏性大腸炎)とは、炎症やひどい痛みを伴うほか、出血を起こすこともある大腸の病気。もしきちんと治療しなければ、がん性潰瘍を引き起こす可能性があります。また、大腸がこの病気に冒されると、特定の食物や飲み物を拒絶するようになり、前述の症状がますますひどくなります。

今回は、過敏性腸症候群に悩んでいる人が避けるべき食品をご紹介します。これらの食品を食生活から取り除くことで、腸の機能を改善し、不快感を避けるのに役立つことでしょう。

チョコレート

乾燥させたカカオの種から作られるチョコレートは、神経系と消化器系を刺激します。このため、過敏性腸症候群をわずらっている人たちに、胃けいれんや下痢を引き起こします。

穀物と豆類

このグループには、白いパスタや、ソラ豆・インゲン豆・大豆・エンドウ豆・レンズ豆・ヒヨコ豆などが含まれます。これらの食品は、鉄分と不溶性食物繊維が豊富なため、過敏性腸症候群の患者さんに便秘やけいれんを引き起こしますから、食べないように注意しましょう。

乳製品

牛乳

牛乳やその他の乳製品は、過敏性腸症候群に苦しむ人たちの消化器系にとって、大敵のひとつ。乳糖の含有量が高いため、この病気の患者さんにとって消化しにくい食品なのです。

柑橘類

ここで特に問題なのは、レモン・オレンジ・みかん。ここに挙げた他の食品ほどひどくはありませんが、それでも過敏性腸症候群の患者さんに不快感を引き起こすことが判っています。柑橘系のジュースは避けるようおすすめします。

脂質

ここでいう脂質とは、主に揚げ物のこと。それから乳製品の項で牛乳についてお話しましたが、牛乳もかなりの脂質を含んでおり、腸壁から吸収されにくいことも覚えておきましょう。

バナナ

バナナ

熟していない緑のバナナはカリウムと炭水化物が豊富ですが、大腸の機能をいちばん妨げやすい食品のひとつです。便秘を引き起こし、排便が困難になりますし、ほとんどの場合、出血を伴います。

防腐剤入りの食品

防腐剤でいちばん問題になるのは、加工食品・缶詰・ビン入りジュース。鮮度を保ち、賞味期限を長くするため、大量の防腐剤が含まれているのです。これらの添加物はだれにとってもよくありませんが、特に過敏性腸症候群の患者さんに、不快な症状を引き起こします。

アルコール飲料

いうまでもなく、アルコール飲料は過敏性腸症候群の最大の敵のひとつアルコールには胃腸を刺激する作用があるためです。この病気でお悩みの方は、症状の悪化を防ぐため、ワイン・ビール・ラム・ウイスキーなどのアルコール飲料を避けるようおすすめします。

こちらの記事もご覧ください:胃腸炎になってしまったら-基本のケア

炭酸飲料

炭酸飲料

炭酸飲料おすすめできない食品のひとつ。炭酸が胃の炎症を引き起こす可能性があるからです。過敏性腸症候群の患者さんは、炭酸飲料は飲まないようにしましょう。

カフェイン

カフェインを含む飲み物とは、お茶やコーヒーだけではありません。エナジードリンクも問題となります。これらの飲み物にはカフェインが多量に含まれていますが、その他のどんな栄養素も身体に提供してくれません。カフェイン飲料を飲むと、便秘や脱水症状を引き起こしやすくなります。

こちらの記事もご覧ください:コーヒー好きが知っておくべき7つの事

覚えておきたいコト…

このリストを見ると、あれもダメ、これもダメで、過敏性腸症候群の診断を受けた患者さんにとって人生は灰色だと思うかもしれません。でも、視点を変えれば、このリストを参考にすることで、あなたの生活の質を向上させる、適切な食生活を実践することができるのです。また、この病気の患者さんのために特定の食品の悪影響を防ぐ(または、身体に害を与える度合いを減らす)のに役立つ、食品の新しい調理・調整法が考案されています。その一つの例が、無乳糖乳(ラクトースフリーミルク)。乳糖を含まないため、腸壁から吸収されやすくなっています。過敏性腸症候群の患者さんを支援する、さまざまな調理・調整法を調べて、活用することをおすすめします。また、日本消化器病学会ガイドラインでは、症状にストレスなどの心的要因が大きく関わっている場合は、心理療法による治療もすすめています。症状に気づいたら、まず専門家に相談してみましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。