女性が閉経を乗り切るための食事
あらゆる意味で閉経は女性の人生にとって重大な局面です。身体と新陳代謝の変化がもたらす症状は人それぞれですが、閉経の症状の中には、私生活、仕事、人間関係にまで影響を及ぼすものもあります。
このテーマについてはずいぶん議論がなされていますが、閉経期において、何を食べるかが実際には非常に大切だということはあまり話されていないかもしれません。
閉経は月経が終わるだけではない
閉経期には、ホルモンの変化、心理的変化、身体の変化を経験します。
そうしたすべての変化の根本原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの産生が減少し、その減少が新陳代謝を変化させる他の作用の引き金となっているところにあります。
閉経期において最も共通してみられる症状は、身体のほてり、寝汗、乾燥肌、鬱症状、気分の変化、骨密度の減少、性欲の減退、不眠症、貧血などです。
閉経期に必要な栄養
閉経期は、40代初めに始まる人もいますが、十分な栄養とることを肝に銘じなければなりません。その栄養とは、カルシウム、鉄、ビタミンD, 食物繊維です。
カルシウム
カルシウムは骨の健康にとって、不可欠なミネラルです。なぜなら、カルシウムは筋肉が収縮するのを補助する役割を担っているからです。
骨粗しょう症を防ぐためには、閉経期、普段の食事にカルシウムをさらに加えることが重要です。乳製品はカルシウムの最も豊富な源であると信じられていますが、これについては論争があります。他のもっと強力なカルシウム源としては、イワシ、豆類、アーモンド、フダンソウ、ブロッコリーといったものがあります。
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鉄
鉄の欠乏は貧血の原因となり得ます。鉄が多く含まれている食品は、赤身肉、魚類、木の実、緑葉野菜です。
ビタミンD
この重要なビタミンはカルシウムの吸収の促進を補助してくれるので、人生のどの局面においても、確実に摂取しないといけません。閉経期、ビタミンDはカルシウムの喪失から身体のバランスを保つのを助けてくれます。日常の食事に、何らかの食品を補うことに加えて、毎日、日光を最低でも15分間、直接浴びてください(午前11時から午後3時の間は避けてください。)ビタミンDが充分に含まれている食品は卵、魚油、レバーです。
食物繊維
食物繊維は普段の食事に重要な構成物です。なぜなら、食物繊維は消化を促進し、高コレステロールを防ぐのに役立つからです。閉経期、ホルモンの変化は血流の中に脂肪が蓄積する危険性を増加させます。食物繊維を多く含む食品は、果物、野菜、豆類、全粒穀物です。
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閉経期における栄養摂取アドバイス
さて、日常の食事にどのような食品が必要かお話したところで、さらに共有したい、いくつかのアドバイスがあります。
全粒穀物を選ぶことが重要です。
これは、精製されていない小麦、米、砂糖を選ぶということです。そうすることにより、日常の食事にもっと食物繊維を足すことができます。
水をたくさん飲むことが重要です。
身体を健康に保ち体液貯留を防ぐことができます。よく引き合いに出される量として、一日に4杯から、6杯の水を飲むことが推奨されていますが、季節、活動量、その他によって量は変わり得ます。一日の飲むべき水の最低摂取量は、1.5リットルです。
不健康な食品を避けましょう。
閉経期にとるべき食品は、どの年代であっても、より健康的な生活を送りたい人がとるべき食品と同じです。バター、脂ののった肉、ファーストフード、菓子パン、揚げ物、砂糖、デザート、ソーダ、飴、アイスクリーム、塩辛い食事、燻製などした保存肉やソーセージ、缶詰めをとりすぎないようにしましょう。
野菜から作られた食品をとりましょう。
閉経期の諸症状を和らげてくれ、女性ホルモンであるエストロゲンが入っているように体が反応する野菜や果物も存在します。リンゴ、豆腐、スィートポテトなどが良い選択肢でしょう。
閉経期のさらなるアドバイス
健康的な食事をとり続けることと、閉経期に特定の食品を採り入れることに加え、以下のことが推奨されます。
- 家、公園、ジム、場所を問わず週に2、3回は運動しましょう。
- ヨガや瞑想、太極拳のような深いリラクゼーションの技術を実践しましょう。
- ストレスが、仕事や私的な問題によって引き起こされていたとしても、ストレスレベルを低く保つ努力をしましょう。
- どの季節であっても、家での気温を約21℃に保ちましょう。
- 体のほてりや突然の寒気があっても、対処できるよう、重ね着をして、温度調整をすることができるような服を着ましょう。
- 少なくとも一日に20分歩きましょう。ショッピングのときでも、仕事にいくときでも、犬を散歩するときでも、歩くことはできます。
- 身長に対して理想的な体重を保ちましょう。
- 喫煙はしないで、お酒は飲み過ぎないでおきましょう(食事に一杯のワインは可です)。
- 笑顔と毎日を楽しむことを心掛け、いつもポジティブな姿勢を維持するよう心掛けましょう。
- 鬱や不安と闘っている場合にはセラピー(心理療法)を受けましょう。
- 身体に起こっている変化を記録し続けましょう。
- 家族と同じように、医者や心理学者に身体や感情の変化を話しましょう。
- 閉経期は、すべての女性が経験する人生の局面であることを覚えておきましょう。それは普通で、自然なことです。
- 学校、仕事、旅行、料理、その他もろもろ、何であれ自分の好きなことをし続けることを止めないでおきましょう。
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