忙しすぎない?習い事が多すぎる子供たち
子供にとって、多すぎる習い事は「過負荷」となる可能性があり、子供のために最善を尽くしていると親が確信している場合でも、実は子供にダメージを与えているかもしれません。
子供がやりたいことや子供が興味を持っている習い事は素晴らしいことですが、子供が興味を持っていない習い事を押し付け、学校が終わった後も自由になる時間がない場合は、子供の習い事のスケジュールを見直す必要があります。
また、親が「子供に最高の機会を与える」「競争社会で勝ち抜く力をつける」などの強迫観念から、子供に多くのストレスやプレッシャーを与えている危険性もあります。
子供が自由に遊ぶ権利を奪っていませんか?
習い事ばかりで過負荷になるよりも、子供時代にしか得られない自由な時間を与えることで、子供の創造性を養うのにも役立つことを忘れてはいけません。
習い事だらけの忙しいスケジュールを送る子供たち
子供時代は、自由な時間を楽しみ、周りの人々や友達との人間関係を構築する方法を学ぶ時期です。
しかし、習い事だらけの忙しい毎日を過ごす子供たちは、学校から帰宅したら宿題をし、運動の習い事や勉強、芸術や音楽の習い事に行くという、忙しいスケジュールを守ることを親に強要されている可能性があります。
子供が興味を持ち、自発的に始める習い事で忙しくしているのは問題ありませんが、親に強制されている習い事で忙しくしているのは問題があります。
親に「いやだ」と言う子供もいますが、小さい頃から親に何かを与えられてそれを行うことに慣れている子供や、親に強制されていることに慣れている子供は、自分が何を「欲しい」のか自分の希望や必要なものが何かわからなくなる可能性があります。
多くの親は、自分の子供が常に「最高の状態」であり、これから始まる競争社会の中で有利なスタートを切ることを望んでいます。
「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉があります。
親である私たちは、子供の将来への道を舗装してしまってはいないでしょうか?
多すぎる習い事による子供への過負荷が、週末にまで及ぶことが多くあります。
何か習い事をしていると、発表会や試合で週末が埋まることがあります。
繰り返しになりますが、子供が望んで行なっている習い事ならば、試合などで週末を忙しく過ごすのはとても良い方法ですが、子供が友達と遊びたいのにその時間がないのは、よくないことです。
子供にとって、友達と自由に遊んだり話をする時間は大切ですが、習い事などの組織化された状況で他の子供と交流を持っても、自発性が失われ、自由に遊ぶ方法がわからない子供になる可能性もあります。
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自由な遊び時間がないのは子供時代ではない
すべてを習い事に依存していませんか?
子供の健全な成長を望むあまり、予定を詰めすぎて子供の自由になる時間が失われていることがあります。
子供同士で自発的に遊ぶことは、子供の発達に欠かせません。
子供が退屈しないように、そして忙しくしている方が発達にいいいなどと考えて子供の予定を習い事で埋めてしまいがちな親がいますが、子供が自発的に遊ぶ時間減っていることに目を向けてください。
ここでいう遊びとは、教育的側面や他者との競争という側面などを持たない子供が自分で生み出す自発的な遊びを指しています。
大人がルールを決めるのではなく、子供同士でルールを決めてそれぞれがコミュニケーションを取ることで、社交性、感情のコントロール、協調性、創造性の刺激、自尊心の向上、ストレス解消などに役立ちます。
子供は、ある特定の学習目的ではない「遊ぶために遊ぶ」時間が必要です。
子供は常に学習をしているため、遊ぶ時間も子供の心身の発達に欠かせない学習時間となりますが、これは大人が設定したルールに従う習い事では得られない時間です。
子供が自由に外に出て友達と遊ぶ時間は、都市部では減っている傾向があります。
これは安全面の問題や遊ぶスペースがない場合、そして両親が共働きのため子供が家で留守番するように言われている場合などが考えられます。
子供は、両親や祖父母などの家族以外の人、つまり友達と交流を持つことで社会性を身につけていきます。
幼児の場合は、年上の子供と遊び、大人の指示なしに何かを友達と考えることで脳が発達します。
どの世代の子供も、可能な限り屋外で自由に遊ぶことが心身の健全な発達には欠かせません。
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多すぎる習い事:子供の負荷を軽減するために
子供にとって有益だから、または他に選択肢がないため、ついつい習い事で子供の毎日を埋めようとする親がいます。
子供の幸せを願うのであれば、子供の負荷を軽減する方法を学びましょう。
ここからは子供の負荷を軽くするためのヒントをご紹介します:
- 子供の興味と性格を常に考慮に入れる:子供の空き時間を埋める必要がある場合は、子供が好きな活動に関する習い事を行いましょう。また、子供が簡単に始められる習い事がおすすめです。学校の勉強を強化するための習い事などはできるだけ避けてください。なぜなら、学校そのものが学ぶ場所であり、学外でそれを強化するよりは学校でしっかりと学ぶ習慣を身に付けることが大切だからです。
- 子供の予定を埋めすぎない:子供には、宿題をする時間、リラックスする時間、家族と過ごす時間、話す時間、そして「退屈する時間」が必要です。習い事のない日を週に2日以上作りましょう。
- 無理強いをしない:子供が習い事が好きではない場合は、強要させてはいけません。まずは数回試してみて、子供が楽しく続けられる習い事なのかどうかをしっかりと見極めてください。
- 習い事がストレスの原因にならないように気をつける:子供が疲労感、不眠症、そして苦痛などの症状を示している場合は、大きなストレスを抱えている兆候です。これは、もう習い事を続けたくないという子供からのメッセージであり、子供がゆっくりと休む時間やスペースを与える必要があります。子供が望むなら、何もしない時間を与えてください。
- 遊ぶ日を作る:子供が友達と会う時間や遊ぶ時間を確保してください。ここでは多くの計画を立てたり予定を埋めようとしてはいけません。友達と遊びたいのなら遊び、ゆっくりと過ごしたいなら何もしないで過ごす自由を与えましょう。子供が自分で計画を立て遊ぶ約束を友達とする日があるのは、社交性を養う上で大切です。
遊ぶことは呼吸や食事と同じくらい重要
習い事が多すぎて子供にとって過負荷になると、子供が自由に遊ぶ時間がなくなります。
子供が自発的に遊ぶ時間は、呼吸や食事と同じくらい、子供の健全な成長に欠かせません。
子供にとって遊ぶ時間とは、周囲の世界や関係を開く扉の鍵です。
習い事などの体系化された活動は、親の関心やニーズに沿っていますが、子供の活動は常に子供の意思を優先し、子供の予定の中には、自由に遊ぶ時間が十分に残されていなくてはいけません。
習い事だらけの忙しい毎日を送る子供は、幸せな子供というのには程遠く、常に疲れていることがあります。
子供の成功を願うばかりに、子供に高い期待をかけて習い事を強要していませんか?
もう一度、子供にとっての本当の幸せを見つめ直してください。本記事がそのきっかけになることを祈っています。
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