ひとり親家庭で成長する子供たち
現代社会では、ひとり親家庭がますます一般的になっています。
片親が、両親の役割を果たそうといくら努力していても、気を付けなければならない精神面や感情面での「ギャップ」が起こることもあります。
世界中で、家族の形態は年々変化しています。現在は日本でもひとり親の割合が増えています。
ひとり親になった理由には、パートナーとの離婚、死別、または仕事上の不在など様々なものがありますが、どのような理由であっても、一人で子供を育てるとなると、様々な問題や課題に直面することが多くなる傾向があります。
父親または母親なしで成長する
世界中で離婚率が増加している現代では、片親だけで子供を育てることも少なくありません。
しかし死別や不在など以外の理由で、別れた片方の親が近くにいるのに子育てをしないというのは、理想としてはよくありません。子供を設けると決意した時は、二人で決意したのですから、子供を育てる役割はお互いが別れた後も分担する必要があります。
離婚などで父親がいなくなる「シングルマザー」は、近年より一般的になっていますが、母親が不在の「シングルファザー」の家庭も少なくありません。
ひとり親家庭で育つということ
一人で子供を育てるというのは、子供の教育や人生を通して子供をサポートすることの大変な重みを感じ取ることと言えます。
片親がどれだけ努力をしても、一方の親が不在という事実が、子供に空虚感を与えることもあります。
また、両親が揃っているとしても子供との繋がりが皆無な親の場合はもちろん、子供の精神状態に悪影響を及ぼします。
一緒に住んでいないなどの身体面での欠如だけでなく、一緒にいるのに関係が皆無な感情面での欠如は、子供たちの発達および感情的バランスを不安定にします。
こちらもご参考に:アブセントペアレンツの6つの特徴
片親がいないことの影響
不在の親の役割を引き受けてくれる親戚などがいない場合に、そして不在の理由に怒りや悲しみを感じている場合には行動に問題が出てくる可能性があります。
不在の親への怒り、放棄されたことへの悲しみ、そして圧倒的な不安感を隠すために、子供たちは次のような行動上の問題を抱えることがあります。
- 他の子供との関係における気難しさ
- 注意力の欠如と学校での成績の低下
- 感情的な空虚さと自尊心の低さ
- 不安、うつ病、攻撃性などの感情面の問題
- 捨てられることへの恐れ:反抗的な行動や社会的孤立を引き起こす可能性がある
- 薬物乱用
- 共感的でない
- 自己制御力が低い
- 罪悪感が少ない
- 性的アイデンティティへの苦しみ
こちらもご参考に:性格形成に影響を与える幼少期
ひとり親家庭で子供を育てるためのアドバイス
子供を育てることや教育することは新米の親にとって非常に難しい仕事です。
二人でも難しい子育てを、一人で行う場合はさらに困難でしょう。
子供が健康で幸せに成長し、自信を持つ大人へと成長するためには、積極的に子供をサポートすることが大切です。
子供を一人で育てるという「困難なプロセス」を支援するのに役立つアドバイスをご紹介します。
1. 家族や親戚のサポートを得る
第一に、子供を育てるという状況で、積極的にサポートを得られる相手がいるのであれば、意地を張らずに素直に受けましょう。
祖父母、叔父、または叔母は、片親の不在によって起こる空虚感の一部を満たすことができます。
2. 専門家のサポートを求める
心理カウンセラーや医師などの専門家にアドバイスを求めるのを怖がってはいけません。
親がいないことによるいくつかのギャップやそれに伴って起きる問題などを理解し、解消するのに役立つアドバイスを得るのには専門家が最もおすすめです。
また子供を一人で育てているという罪悪感や、不在となっている親への怒りなどから、心を解放するのを助けてくれるでしょう。
3. 非難しない
子供がイライラしているときやストレスを感じているときに、それを子供のせいにしたり不在の親の責任にしてはいけません。
不在の親に対する悪口は文句などを子供の前で言うことで、子供のせいではないのに、子供は自分が責められているような罪悪感を感じます。
ここからは何も前向きな結果が得られないどころか、子供の精神状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
4. 比較しない
両親が揃っている他人の家庭とひとり親である自分の過程を比較してはいけません。
子供たちはいつの間にか自分たちを周りと比較することもあるでしょうが、親であるあなたがするのは避けてください。
子供たちが傷つき、その傷が深まったりイライラや欲求不満の原因となります。
5. 明確で柔軟なルールを作る
ひとり親として子供を育てるときには、ついつい子供に対して厳格になってしまったり、逆にルールもない緩い状態になることがあります。
しかし厳しすぎるのも緩すぎるのもよくありません。
子供を育てるときには、片親であれ両親が揃っている家庭であれ、明確なルールを作り、状況によってはそれに適応できる柔軟性があるようにしてください。
子供たちは、わかりやすい明確なルールがあることで、より生活しやすくなる一方で、親が柔軟に対応してくれることに幸福を感じます。
子供が幸せになることで、親も幸福感を得られるでしょう。
6. 子供と過ごす時間を作る
育児を分担する人がいない場合や、子育ての責任を一手に引き受けている片親には、行わなければならない用事や子供を連れて出かけなくてはいけない場所などもあるでしょう。
その結果、目の前の雑務に気を取られて子供と向き合う時間が減ってしまう傾向があります。
長時間でなくても、子供と一緒に過ごす時間が大切です。
子供と一緒に勉強をする、本を読む、または散歩に出かけるなどできる限りの楽しい時間を共有してください。
7. 辛抱強さと寛容さ
子供に対してだけではなく、自分自身に対しても寛容で辛抱強くいてください。
一人で子供を育てるのは簡単なことではありませんが、父親と母親という2つの役割を果たそうとするのではなく、自分の役割を十分に果たし、子供に出来うる範囲での良い環境を与えることに専念してください。
8. 自分を大切に
一人で子供を育てているとき、ついつい自分のことを後回しにしがちですが、自分を大切にする時間を忘れないようにしてください。
また、新しい人と出会い、新たなパートナーを家族として迎え入れるという選択肢も無視してはいけません。
もちろんそれは簡単な決断ではありませんが、ひとり親としての生活以外にも、自分の人生があることを忘れないようにしましょう。
あなただけではなく、子供を受け入れ、家族の中で新たな役割を果たすことを理解してくれる人ならば、心を閉ざさず自然に任せてください。
「子供のために再婚する」ことはお勧めできませんが、「子供のためにずっと一人でいる」必要はありません。
自分を大切にしながら、子供との暮らしを楽しみ、自分の人生を楽しむように毎日を過ごしてくださいね。