ハイパーペアレンティング /不幸な子供を生み出す過干渉な親

最高の子育てのように感じるハイパーペアレンティングですが、実際は子供が常に不安を感じたり、必要以上に自分に批判的な人間へと成長する原因となる子育てです。
ハイパーペアレンティング  /不幸な子供を生み出す過干渉な親

最後の更新: 28 11月, 2018

ハイパーペアレンティングとは子供への親の過干渉です。

「子育てに全く迷いがない」という方はほとんどいないかもしれません。それでは、子育てとハイパーペアレンティングの線引きはどこなのでしょうか?

子供に必要なのは親からの関心や愛情です。そして親には子供が成長するまで、継続的に世話をする役目があります。子供に関心を持ち世話をする必要があるのは紛れもない事実ですが、バランスを保ちながら過干渉にならないよう気をつけることが大切です。

子供が目標達成に向かってしっかりと進み、成長していくためには親の導きが必要です。ただし、干渉しすぎて子供の心が親の感情や考えに毒されてしまわないように注意してください。

 

子育てとは子供をコントロールすることではありません。また、教育とは子供の羽をもぎとることではないのです。

子供はすぐに成長します。人生の大切な決断を自ら行い、自分の人生に責任を持つ大人へとあっという間に成長します。

さて「ハイパーペアレンティング」と言う言葉には過干渉以外にも重大な問題がいくつか含まれています。これからご紹介します。

ハイパーペアレンティングと過保護

スポーツ、学校、趣味、食べ物、友達など子供の生活のすべてに関わろうとするのが過保護の親です。

ハイパーペアレンティングを行う親は、「子供を誰よりも上手に育てている自分たちこそが世界一の親」だと自認しています。しかし、このような考えを持つ親に育てられる子供達の感情や日常生活のバランスを考えると、子供達が幸せだとは決して言えません。つまり、過保護の親は幸せから最も遠い場所にいる子供を育てているのです。

 

ハイパーペアレンティングの罠

ハイパーペアレンティングがもたらすもの:落胆

ハイパーペアレンティングを行う親の中には、確固たる「完璧な子供像」を自分の中で持つタイプの親がいます。このタイプの親は、子供が自分を見習い、自分から多くを学んで欲しいと考えています。

時間の経過と共に「子供が自分の理想通りの行動をしたり、自分の期待に応えてくれるわけではない」と親が気づきます。これが子供が親の落胆を感じる引き金となります。

  • 「親を落胆させてしまった」と気づいた瞬間から、子供は自分の失敗で落ち込み、劣等感を感じはじめます。

ハイパーペアレンティングがもたらすもの:不安とストレス

ハイパーペアレンティングを行う親は、過剰に「教育熱心」な親がほとんどであり、子供の興味に関係なく、複数の塾や習い事に通わせる傾向があります。

  • 子供達は次第に、成人と同レベルのストレスや不安を感じ始めます。
  • このタイプの親は子供の間違いや失敗に寛容になることができません。
  • 間違いや失敗を起こさない、責任感のある子供を育てようと躍起になるあまり、「誰でも間違いや失敗をする」という大切な事実を忘れがちなのもこのタイプの親です。

ハイパーペアレンティングがもたらすもの:失敗できないことへの恐怖

  • どの子供も失敗を経験するべきです。子供達は自分の失敗から多くを学びます。
  • ハイパーペアレンティングを実行する親に育てられた子供は、自分で自分を批判しはじめます。親が掲げた高い目標に到達できない時、子供が深い鬱状態に陥ったり、最悪の場合は自殺まで考えるようになります。

 

子どもを鬱にしてしまう

親子の健康的な絆を深め、責任感のある子供を育てる方法

カナダのオンタリオにあるクイーンズ大学が行った調査によると、ハイパーペアレンティングで育てられた7歳から12歳までの子供達は、外で遊んだり他の子供達と交流することができない、という深刻な問題が明らかになりました。この子供達は間違いなく「不幸な子供」です。

子育てには子供を大切に守るという意味も含まれています。これからご紹介する考え方に沿って子供を守り育てていきましょう。

子供に安心感与えるために守る:子供は親が「支配する」存在ではない

  • 子供との健康的な絆を深めながら行う子育ては、子供の「セルフイメージ」を大切に育みます。
  • 親から認められるという安心感を与えられながら育つ子供は、高い自尊心と自己評価を持ち、責任感を持って成長することを恐れません。
子どもを支配しない

アドバイスをすることで子供を守る:子供が自分の間違いから多くを学ぶように親が導いていく

子供が悩むことなく、正しい道を歩いていけるように親として守っていきましょう。また、子供の意見を尊重し、子供の間違いを見守り、子供が間違いから学んでいけるよう親が導いていくことが大切です。

いつもあなたの味方だと伝えることで子供を守る

親子の絆とその強い結びつきは、目には見えません、特に子供が小さいときは感じることさえも難しいかもしれません。しかし子供が7-8歳になると、その成長に従ってその絆をはっきりと感じるようになります。

  • この時期に子供の自立心が芽生えます。子供が正義やモラルと言う概念を理解し、自分の中でその概念を発達させていく時期です。思春期前の感情が混乱した時期でもありますが、自分で何かを決定しはじめる時期でもあります。親は子供の成長に驚かされることも多いでしょう。
  • 子供の話には常に耳を傾けましょう。「自分の好きなように、そして自由に行動するためには、自分の行動に責任を持ち、自分の役割を果たす必要がある」ことを毎日の生活の中で子供に伝えましょう

親として、また年配者としての経験に基づいたアドバイスをするのは素晴らしいことです。しかし、決してハイパーペアレンティングと呼ばれる子育てを行ってはいけません。このことは子育てをする時に常に心にとめておきましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。