注意すべき正体不明の10の痛み
謎の痛みが続いたり、突然痛みに襲われたことはありますか?
正体不明の痛みを経験しているものの、注意を払わない人がほとんどです。そして、自然と痛みが消えてしまうこともよくありますが、正体不明の痛みの中には注意すべきものがたくさんあります。
今回は、絶対に無視するべきではない、注意すべき10の痛みをご紹介します。
突然やってくる正体不明の痛みは、車が発する謎の音に例えるとわかりやすいでしょう。
車が謎の音を立てても、その音はすぐに消えてなくなることがほとんどです。自動車修理のプロでない限りは、それらの音の原因はわからず、見逃してしまいがちです。実は、車が古くなって劣化していたり、どこかが故障し始めているサインであり、この音を見逃したり、長時間放置すると大きな故障に繋がります。
同じように、私たちの身体を突然襲う正体不明の痛みは、身体が不調を訴えているサインです。ほとんどの痛みは、緊急の症状ではありませんが、身体に感じる痛みは、その程度に関わらず無視すべきではありません。
痛みを放置し、死に至るような緊急の症状を発症してから病院に来るのではおそいのです。早めに痛みやその原因となっている病気に気づくことで、簡単な治療で病気を治すことができます。痛みを放置せず、早めに医師の診断を受けましょう。
「注意すべき正体不明の痛み」をご紹介します。
1.心疾患が疑われる「胸の痛み以外」の痛み
心疾患の兆候は「胸の痛み」だとよくいわれますが、実は胸の痛みだけではありません。
ある事例をご紹介します。
暑い夏の日、あなたは庭のお手入れをしている最中に大量の汗をかきました。おでこの汗を拭くために立ち止まった瞬間、突然あごの痛みを感じましたが、胸の痛みに気をつけるようにと聞いたことはあっても、あごの痛みは聞いたことがないのでその痛みを放置しました。
しかし実は、このあごの痛みは、心臓がストレスを感じ、まもなく心臓発作が起こる直前の兆候として起きた痛みだったのです。
心臓発作の兆候となる痛みが、胸以外の場所で起こることはよくあります。肩、腕、腹部、下あご、また喉などの 突然の 痛みには十分な注意を払い、すぐに病院に行きましょう。
2.腰痛
腰痛は多くの人が抱える一般的な悩みですが、筋肉の痛みではなく、腎臓の疾患、特に腎臓結石によって起こる腰痛もあります。
腎臓結石は多少の痛みは伴うものの、結石が自然に体外に排出されることがほとんどです。しかし、腎臓の炎症や腫れが原因で、腰に不快感や痛みを感じることもあり、また、腎臓にできた悪性腫瘍が大きくなり、腰痛を引き起こすこともあります。
3.腹部の強い痛み
腹痛もよくある痛みですが、原因不明の腹痛は、実は腎臓、肺、子宮などの器官に問題がある可能性があります。
- 右下腹部の痛み:盲腸です。直ちに医師の診断を適切な治療を受けましょう。
- 右上腹部の痛み:胆嚢の病気の可能性があります。
- 背中の痛みを伴う上腹部の痛み:膵炎や膵臓が炎症を起こしているサインです。すぐに治療しないと、合併症を引き起こすだけではなく、腸組織が壊死する恐れがあります。
- 腸の激しい痛み:肝炎を発症している可能性があります。
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いずれも、まずは、医師の診断を受けましょう。
4.ふくらはぎの痛み
長い1日を終えた時、疲れからふくらはぎの痛みを感じることはよくあります。また山登りなどのあとも、筋肉痛や疲労によるふくらはぎの痛みを感じるかもしれません。
ただし、疲れや怪我などの理由がないのにふくらはぎの痛みを感じるときは、注意が必要です。第二の心臓と呼ばれる足の健康、そして血液の循環には日頃から気を付けておきましょう。
足の筋肉は、収縮や弛緩を何度も繰り返し、血管を圧迫して心臓に戻ろうとする血液を押しあげます。その時に大切な役割を果たすのがふくらはぎです。
ふくらはぎの痛みは、ふくらはぎまたは大腿で起こる、深部静脈の血液の凝固である深部静脈血栓症(DVT)の兆候の可能性があります。
また、むくみを伴うふくらはぎの痛みは、内臓疾患が原因となっている可能性も考えられます。
5.足と腕に感じる刺すような痛み
足を頻繁に組む癖がある場合、足の血行が悪くなり、足に刺すような痛みを感じることがあります。この場合、立ち上がれば足の痛みはなくなります。
ただし、長い間足を組んでいたわけでもないのに、手足に刺すような痛みを感じる場合は、神経障害などの兆候である可能性があります。また、刺すような痛みやしびれ、燃えるような痛みは、末梢神経疾患の可能性があります。
6.身体全般の痛み
身体のどこかが痛む時、痛みが発生した場所に気を付けましょう。線維筋痛症と呼ばれる全身の筋肉や、関節に痛みが生じる病気を発症している可能性があります。
この病気は男性より女性の方が発症やすいといわれています。その激しい痛みから日常生活に支障をきたすだけではなく、痛みによる不眠を発症することも多くあります。
また、うつ病が原因で、原因不明の腰痛、頭痛、また過敏症などの全身に痛みを感じることもあります。
7.睾丸の痛み
睾丸の痛みは、どのような痛みでも絶対に無視してはいけません。睾丸の痛みを放置すると間違いなく症状は悪化します。
睾丸の痛みの原因は、ヘルニアから癌まで様々です。
- 精索捻転症:腹部と精巣をつなぐひも状の精索がねじれる病気です。
- 精巣上体炎:精子を形成し,ホルモンを分泌する精巣に細菌が入り込んで起こる炎症です。
- 精索静脈瘤:不快感を伴う睾丸の痛みは精索静脈瘤である可能性があります。睾丸上部に流れる静脈の異常肥大です。
8.激しい痛みを伴う頭痛
理由もなく、電車の衝突や交通事故のように、突然襲ってくる頭痛は、ただの頭痛ではありません。このタイプの頭痛は深刻な病気を発症する兆候です。通常の頭痛とは扱ってはいけません。
また、視界がぼやけるような頭痛は、脳梗塞や脳卒中、また一過性虚血発作になる兆候だと考えられます。
9.性交中の骨盤の痛み
骨盤腹膜炎の主な症状は、性交中の骨盤の痛みや不快感です。
骨盤腹膜炎は、細菌感染による骨盤内の炎症が拡大することで起こり、最終的に腹膜に達します。また骨盤腹膜炎は、不妊の原因にもなり、骨盤膿瘍などが骨盤腹膜炎を引き起こすこともあります。
また、クラミジアや淋病などの性感染症も骨盤腹膜炎の原因だといわれています。
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10.継続的な関節の痛み
- 変形関節症:慢性の関節炎を伴う関節疾患で、関節の痛みや腫れが続くと関節が変形する疾患です。
- 全身性エリテマトーデス:自己免疫疾患で関節の腫れ、疲労感、抜け毛、発熱などを引き起こします。
- 肝炎:肝臓の細胞に炎症が起こる肝炎や、関節痛を引き起こします。
- 関節リウマチは、炎症性自己免疫疾患であり、自分の体内組織や成分を異物とみなして攻撃するという症状があらわれる疾患です。
痛みの場所、症状、範囲は人により様々です。手遅れになる前に、医師による診察、適切な処置を受けましょう。
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