亜硝酸塩検査:尿内に亜硝酸塩が見つかる場合
尿内の亜硝酸塩濃度を調べる亜硝酸塩検査は、医師が尿路感染症を疑う場合、その診断を確定するために行われる検査です。
通常、人間の尿には亜硝酸塩は含まれれていないため、亜硝酸塩が検出されると言うのは体内に何か異常が生じている状態を意味します。
尿は、腎臓が体から無駄な老廃物を排出するために生成する液体で、尿を体外に排出することで血液をろ過することができます。
尿から排出される物質の一つに硝酸塩があります。
これは亜硝酸塩に名前は似ていますが異なる物質ですが、尿内の硝酸塩がある特定の細菌に感染することで、亜硝酸塩に変わります。
尿路感染症の診断に亜硝酸塩検査が用いられるのはこのためです。
また、細菌以外の理由で亜硝酸塩が尿内で見つかることがあります。
食品産業では、肉類の赤い色を人工的に強くするために、亜硝酸カリウムや亜硝酸ナトリウムなどの物質を使用します。
一方、野菜の多くには硝酸塩が含まれています。
緑の野菜、大根、ラディッシュなどには硝酸塩が大量に含まれているため、世界保健機関(WHO)は、1日の摂取量を、体重1キロあたり3.7ミリグラム以下のするように制限しています。
体内で使用されない硝酸塩や尿からの排泄物は、前述のように、特定の細菌に感染すると亜硝酸塩になることがありますが、すべての細菌がその力を持っているわけではありません。
細菌の中でも、尿路感染症を引き起こす最も一般的な細菌は次の通りです。
- 大腸菌
- 腸内細菌科
- プロテウスミラビリス
- 腸球菌
医師が亜硝酸塩検査を必要とするとき
尿路感染症には、専門医がこの病気を診断するのに役立ついくつかの特徴的な症状があります。
患者が、典型的な症状を訴える場合は、医師は尿路感染症を疑います。典型的な症状は次のとおりです。
- 排尿障害または排尿困難
- 排尿痛
- 異常な色の尿
- 頻尿や残尿感
- 発熱
これらの典型的な症状を発症している場合、専門医は正しい診断を行うために、尿中亜硝酸塩検査を行うことがほとんどですが、亜硝酸塩検査だけでなく、亜硝酸塩検査と白血球エステラーゼ尿検査を組み合わせることもあります。
この2つの検査で陽性になった場合は、尿路感染症を発症している可能性が高くなります。
白血球エステラーゼは一部の白血球中に存在する酵素で、この検査が陽性ということは、感染による白血球の存在を示しています。
また医師によっては、詳しい尿分析を行うこともあります。
尿中の亜硝酸塩は、尿路感染症を発症していることを意味します。
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亜硝酸塩検査の方法
亜硝酸塩検査を含む完全な尿検査を医師が必要とする場合、患者は滅菌容器に尿を入れて提出する必要があります。
正確な検査を行うため、病院から提供された容器を使いましょう。
自宅で採尿する場合は、朝1番の尿ではなく2番目の尿を提出することが推奨されていますが、担当医の指示に従って正しく採尿を行いましょう。
研究所では、採取した尿に試験紙を入れて検査を行います。この試験紙には、測定対象を検出すると色が変わる物質が含まれています。
通常の試験紙は、単一の要素を測定するだけでなく、 一枚の試験紙で、亜硝酸塩、グルコース、エステラーゼ、およびタンパク質を検出できます。
試験紙の製造元によって異なりますが、一般的な試験紙は、尿中の亜硝酸塩を検出するとピンク色に変わります。
尿中亜硝酸試薬は、亜硝酸塩が検出されると通常はピンク色に変わります。
詳細はこちら:感染場所によって違う!尿路感染症を発症する理由
医師は検査結果からどう診断するか?
患者の尿中の亜硝酸塩が陽性となった場合はどうなりますか?
患者が、排尿時の燃える様な痛みを訴えて医師の診察にきた場合、一般的に亜硝酸塩検査を含む尿検査が行われます。
検査結果が陽性である場合、尿路感染症を発症している可能性があります。さらに、白血球エステラーゼの検査でも陽性であることがわかったら、尿路感染症がほぼ確定します。
この後、医師は尿培養を待たずに抗生物質による治療を開始する場合もありますし、尿培養の結果が戻ってから抗生物質を変更する場合があります。
尿培養により尿路感染症の診断を確定し、処方すべき抗生物質の種類を指定するのが一般的です。
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