座骨神経痛かどうか判断する方法
健康問題の中には比較的簡単に自己診断できるものもありますが、座骨神経痛はその一つではありません。他の体の不調と混同されやすい症状が現れます。
その脚の痛みは単なる疲れからくるものかもしれませんし、座骨神経痛の症状かもしれません。痛みを無視することは良くありません。常に気をつけ、早めに座骨神経痛に気付くことができると、対処もしやすくなります。
足の裏に痛みがあれば、要注意です。単なる筋肉痛の可能性もありますが、足の裏から脚まで伝わるしびれやうずきがあれば、単なる筋肉痛とは考えづらいものです。
さらに、咳やくしゃみをした時、その痛みが増すようであれば、特に心配です。
この時点で、自分は座骨神経痛だと思いますか?ここから、もっと詳しく見ていきます。
まず、座骨神経痛は、病気ではなく、体の不調だということを知っておいた方が良いでしょう。痛みの80%が片足と背中にあれば、診断は簡単です。症状の現れ方は、それだけではありません。
では、どうすれば座骨神経痛かどうかわかるのでしょうか?
1. 膝の痛み
座骨神経痛の場合、片方の膝に痛みを感じ、それが脚全体へと広がっていきます。通常は、片脚にのみ痛みを感じます。これは、座骨神経が神経系を刺激しているためです。両脚に痛みを感じる場合は、すぐに治療が必要です。この場合、緊急手術が必要な可能性もあります。
この神経は脊椎から足の先まで伸びています。そして強く圧迫された時、座骨神経痛として痛みを感じるのです。これは、座骨神経の機能が変化してしまった事が原因です。この時点で、痛み、虚弱、うずきなど様々不快な症状を感じ始めるでしょう。
この症状はよくあるものです。注意すべきなのは、痛みが膝や脚の虚弱と合わさった時です。
片脚のみにこの問題があると医師が診断した場合、座骨神経痛のサインだと言えるでしょう。
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2. 走ることができない
運動する人にとっても、痛みが脚だけのものなのか、それとも座骨神経痛のサインなのかを見分けるのは簡単ではありません。それは、座骨神経痛と梨状筋症候群で、ほとんど同じ症状が現れるためです。梨状筋症候群の方が座骨神経痛より一般的です。
脚にもわたるヒリヒリしたうずきや痺れは座骨神経痛の症状です。別の症状があれば、何か病気や不調が隠れている可能性もあります。早めに医師の診察を受けましょう。
体からの警告サインを無視することは、状況を悪化させかねません。スポーツをしている人はとても健康だと思われがちですが、痛みや不快感を無視するのは、良くありません。
大好きなスポーツをするため、邪魔になっている問題を除きましょう。
3. 痛みがある
痛みは座骨神経痛のとても重要な症状です。医師の診察を受ける時、どのような痛みか具体的に伝えましょう。「痛みがある」だけでは不十分です。
医師は座骨神経痛以外の痛みも診断、治療します。
アメリカの医師、ヤコブ・テイテルバウムは、座骨神経痛かどうかを見極めるテクニックを紹介しています。
- 上の写真のように、指を使い、腰の筋肉を押します。
- 腰の痛みを感じる場所を探してください。
- 痛みを感じる部分を押し、痛みが脚の指にまで伝わるようであれば、座骨神経痛である可能性は高いでしょう。
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4. 座骨神経痛かどうかを診るテスト
このテストで、あなたが座骨神経痛かどうかを調べます。
- 横になって脚の指をストレッチさせます。
- 誰か別の人の助けを借り、脚を持ち上げてもらい、30〜70度の角度で足を伸ばし止めます。正しくテストを行えているか確認してもらいましょう。
- 脚全体や膝の裏に痛みを感じ、このテストが終わった後で、足の指にまで痛みがあれば、座骨神経痛だと言えるでしょう。
理学療法士や医師の元でこのテストを行うことをお奨めします。無理な動き、間違った動きは症状を悪化させる恐れがあります。
5. その他の症状
背中や膝、脚の痛みに加え、座骨神経痛の症状は体の他の部分に現れることもあります。例えば、腸や膀胱の働きに違和感を覚えるなどです。
これは緊急手術を必要とするサインの可能性もあります。
米国整形外科学会米国整形外科学会(AAOS)のスポークスマン、アラン・ヒリブランド氏は、このような状況は極稀だと言います。
脊柱が、膀胱や腸に影響を与える神経に圧力をかけているようであれば、すぐに医師の診察を受けましょう。放っておくと、痛みと一生付き合うことになるかもしれません。
座骨神経痛は消えます!
ありがたいことに、80%のケースで座骨神経痛は消えます。しかし、痛みが消える原因が脊椎円板が本来の場所に戻ったからなのか、座骨神経の痛みがなくなったからなのかは分かりません。
座骨神経痛の痛みや不快感を最小限に抑えるために最も有効なのは、抗炎症剤です。また、主治医が処方した理学療法も必要になるでしょう。
一般的に、座骨神経痛は一時的なものですが、その症状は3ヶ月以上続くことが多いものです。
どのようなケースにしても、例え一時的に痛みが消えたとしても、医師の診断を受け、医師の処方に従うことが大切です。
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