【炭水化物と食事時間】夕食にパスタやご飯を食べても大丈夫?
栄養に関する一般論では、パスタやご飯を夜に食べることは、体重の増加や健康への悪影響につながると考えられていますが実際は、パスタやご飯はいつ食べても良い食品です。ただ、考慮すべき点がいくつかあるため、今回の記事で深く掘り下げたいと思います。
まずパスタやご飯はエネルギー源となる食品であることを覚えておいてください。このタイプの食品は、身体にエネルギーを提供し、運動後に体が回復するのを助ける役割があるので、エネルギー源として使うべき食品だと理解することが大切です。
夜にパスタやご飯を食べていいのはどんなとき?
日中に炭水化物を大量に摂取せず、午後に運動した場合は、これらの食品を夜に摂取することをお勧めします。パスタやご飯などの食品の持つ主な機能は、体の回復を助けることです。つまり、筋肉と肝臓のグリコーゲンを補充するのに役立ちます。
これらの食品を食べずに翌朝から激しい運動を開始すると、筋肉損傷のリスクが高まります。高強度の運動を行う前には、ブドウ糖と筋肉に存在するグリコーゲン値が適切であるかどうかを必ず確認してください。
ただし体重を減らしたい場合には、夕食から炭水化物を取り除き、空腹時に運動するという方法があります。この方法で減量を行う場合は、健康へのリスクを最小限に抑えるために、朝の運動を軽めに行う必要があります。
アスリートにとって、夕食にパスタやご飯を食べるのはとても良い食事法です。1日の中で、夕食以外の時間に炭水化物をほとんど摂取しない場合も、夕食時に摂取するのが良いでしょう。
夜にパスタやご飯を食べることはエネルギーを補給する作用があるため、主に嫌気性運動を行うアスリートにぴったりです。このタイプのスポーツ選手は、パスタやご飯などの炭水化物を夕食に食べるのは良い食事方法であり、これらの食品を食べることで大きな「利益」を得ることができるでしょう。また、運動時のパフォーマンスを向上させる基礎となります。
競技前のグリコーゲン摂取が必要となるスポーツ選手の場合、多くの炭水化物を摂取する必要があります。この状況では、24時間~48時間、最初に筋肉と肝臓が空になります。その後、貯蔵量分を過度に飽和させ、身体活動における栄養素の有効性を活用します。
ストレングス能力を必要とするスポーツ、体重のカテゴリがあるスポーツ、または持久力が必要な嫌気性スポーツにおける戦略において、選手がパスタやご飯を大量に、または夕食時に消費するのが典型的な食事法です。
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夜間にパスタやご飯を食べてはいけないとき
定期的に運動をしない人や、座りがちな生活を送る人の場合、夜に炭水化物を摂取しても、身体に取って良い作用はほとんどありません。この場合は、炭水化物を1日の最初の食事に摂取することで、食欲を減らす効果が期待できるででしょう。
夜に炭水化物を食べるのは避け、その代わりにタンパク質と野菜を摂取することをお勧めします。カロリーの低いたっぷりの食事を夕食に取ることで、満腹な状態で十分な睡眠を取ることができます。このタイプの食事は、グリコーゲンとして使用または保存されないブドウ糖を供給しません。
年齢を重ねるにつれて、炭水化物を摂取する必要性が少なくなりますが、逆に、筋肉の損傷や破壊を防ぐためにタンパク質の必要摂取量が増加し始めます。
このため、パスタとご飯は、夜間だけでなく日中はいつでも、タンパク質や脂肪という摂取する必要がある食品の次に来る、二次的な食品または「残りの食品」となります。
夜のパスタとご飯の摂取は、肉体的に過酷なスポーツをする人に限定されるべきです。そうではない人にとって、パスタとご飯は、夜には不必要な食品であり、体重増加につながる可能性があります。
糖尿病患者の場合は?
糖尿病患者について考えるときには、1型糖尿病患者と2型糖尿病患者を分けて考える必要があります。 1型糖尿病の場合は、血糖曲線をコントロールするために、夜間の炭水化物摂取量は1サービングを摂取する必要があるのです。
2型糖尿病患者の場合は、夕食から炭水化物を取り除き、医師の指導のもとでファスティングを行うこともできます。2型糖尿病患者は体重を減らし、ブドウ糖のコントロールを改善することで疾患の症状を改善し、2型糖尿病患者に起こる可能性のある合併症を発症するリスクを減らします。
結論
スポーツに関連した理由でパスタとご飯を食べるのであれば、夜に食べることもできますが、日中に座りがちな生活を送っている人や、減量を目指している人の場合は、炭水化物の摂取量をできるだけ減らすことが最善の方法でしょう。
夜に炭水化物の摂取量を減らすのが最も簡単な方法です。これは、寝ている間には空腹を感じる可能性が低いからです。その結果、耐えらる方法でカロリーの摂取量を減らすことも可能です。ぜひ覚えておきましょう!
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