やけどを緩和する自然療法
やけどとは、熱、低温、電気、太陽の光、またはある特定の化学物質など、有害な物質に触れるまたはさらされることで起こる皮膚の損傷です。
私たちの体は、40度までの温度に耐えることができますが、40度を超えると、皮膚は自己再生能力を失います。
本記事では、やけどの症状を緩和するのに役立つ自然療法をご紹介します。
やけどの種類と症状
やけどの種類や痛みなどの症状は、やけどを負った場所や深度と呼ばれる深さによっても決まります。
- I度熱傷:皮膚の最外層である表皮がやけどを負っている状態で、肌の赤みと痛みが特徴です。長時間の日光にさらされた時などは、日焼けをしますが、これがI度のやけどです。そのため、特に夏には、非常に一般的です。
- II度熱傷:これらはやけどの影響がやや深く真皮にまで及びます。また水疱の出現などが主な特徴で、この水泡は感染から自分を保護するためのやけどに対する防御メカニズムです。水泡に含まれる液体がやけどの傷を水和させて、治癒を助けます。II度のやけどは非常に強い痛みを伴います。またこのやけどは、比較的浅い浅達性Ⅱ度熱傷と深い深達性Ⅱ度熱傷に分類することができます。
- III度熱傷:III度のやけどになると、痛みを感じる神経までも損傷されるため、痛みを感じません。このやけどは治るのに時間がかかるため、やけどの範囲が小さい場合でも医師の診察を受けることをおすすめします。
どのやけどでも、健康上のリスクを引き起こす可能性があり、体のどの部分がどの程度やけどを負ったのかによっても異なります。
つまり、I度のやけどであっても、体の90%がやけどを負った場合は、体の20%がII度のやけどを負った場合よりも症状が深刻だと考えられます。
気になることがある場合は必ず医師の診察を受けましょう。
原因
やけどを引き起こす可能性がある多くの要因の中からいくつかをご紹介します:
- 火災
- 液体からの熱い蒸気
- 金属やガラスなどの熱い物体
- 電流
- がん治療に使用されるX線または放射線療法による放射線
- 日光または日焼けマシンによる日光または紫外線
- 強い酸、アルカリ液、シンナー、ガソリンなどの化学薬品
こちらもご参考に:日焼け の症状を緩和する5つの自然療法
予防
裸火と呼ばれるむき出しの火や化学物質や非常に熱した物質を使う場所など、自宅の外でのやけどのリスクにご注意ください。
ここからは自宅内で起こりうるやけどのリスクを減らすためのアドバイスをご紹介します。
自宅でのやけどのリスクを軽減する方法:
- コンロの上に置く食べ物に注意する
- コンロの上の鍋などの取っ手などは、台所の壁側に向ける
- 熱い料理を含む「高温の液体」は、子供やペットの手の届かない場所に置く
- 電化製品を水回りから遠ざける
- 子供が食べる料理は、事前にその温度を確認する
- 電子レンジで子供用の飲み物や赤ちゃん用のボトルを加熱しない
- ゆったりとした服はコンロの火が引火する恐れがあるため気をつける
- 幼児や小さい子供が家にいる場合は、コンロ、ストーブ、アウトドア用のバーベキューグリル、暖炉、そしてヒーターなどの熱を発するものへのアクセスをすべて遮断してください。
やけどの治療に役立つ自然療法とアドバイス
ラベンダーエッセンシャルオイル
ラベンダーオイルに含まれる防腐作用および鎮痛作用の効果により、やけどをした場所に塗布すると、症状を和らげながらやけどの瘢痕化のリスクを減らすのに役立つと言われています。
材料
- ラベンダーオイル 250 ml
使用方法
- やけどをした場所に塗り、覆わずにそのままにします。
- 一日中オイルを塗りなおすことが重要です。
はちみつ
はちみつは、やけどへの消毒作用と治癒作用に加えて、やけどした部分をきれいにするため、肌に潤いを与えながら肌の再生を助ける効果が期待できます。
材料
- はちみつ 1カップ(250ml)
使用方法
- やけどにハチミツを直接塗布します。
- 長期間かけて自然に乾燥させることが非常に重要です。
- どんな種類の布でもやけどを覆わないでください。
- 治癒効果を高めるために、必要に応じて一日中塗布し続けてください。
酢
酢に含まれる収斂作用と防腐作用の効果で、軽度のやけどを治療や、あらゆる種類の感染の予防に効果を発揮すると考えられています。
I度のやけどと浅達性Ⅱ度の症状の悪化を予防する効果も期待できます。
材料
- 酢 1カップ(250ml)
使い方
- 患部に酢を塗り、1〜2時間ほどおいてください。
- 他の治療法と同様に、1日に数回再適用して、やけどをした部分を回復させ、素早く癒します。
冷水
やけどの症状を悪化させないためにも、やけどをしたら、冷たい水を数分間患部の上に流すことをお勧めします。
患部に冷湿布をかけることもできます。
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使い方
- やけどをした場所に、冷水を流すか、冷水の中に患部を入れてください。
- お好みに応じて、患部に冷湿布を当ててください。
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