うつ病を診断する血液検査

5月 24, 2017
うつ病を血液検査で解析できるようになれば、この病気に対しての見方の改善につながるでしょう。

「自分がどうしてしまったのか、分かりません。何に対しても熱意が湧かないんです。ただ一人になりたい。どうしてこんなことになってしまったのでしょう?時々、気持ちを持ち直すこともあるんです。でもそれ以外の時は、シャワーを浴びる事すら努力が必要なんです。」

こうした言葉に加えて「誰も分かってくれない」という言葉は、鬱の人が良く口にする言葉です。うつ病に苦しんでいる人達は、自分に起こっている事を証明する方法なんてないと感じ、周囲から「自分の努力なしにどうやって良くなろうと思ってるの?」と言われるたびに、深い孤独がさらに深くなってしまいます。

この言葉は、うつ病に悩んでいる人の心を大きく傷付けます。心の病を持つ人達は、理解されていないと感じてしまうのです。

抑うつ障害の場合、この障害を持った人たちは、心が弱かったり臆病であると思われがちです。ですが、これは大きな間違いなのです。心が強くなければうつの辛さにも耐えられるはずがないのです。

たとえ自分の周りの世界から疎外感を感じていても、生きたいという気持ちを持っている事でしょう。これは、意志の強さ以外の何物でもありません。

こういった間違った解釈が起こるのは、人は目に見える病気であったり、目に見える物事を判断する傾向にあるからです。このせいで、数字に出てこない病気たちが軽視されがちになっているのです。

うつ病を血液検査で診断する事ができれば、うつ病で苦しんでいる人の辛さが軽視されなくて済むようになるでしょう。ただ気が弱かったりするわけではなく本当に苦しんでいる事が証明できるようになるのです。

 

血液検査でうつ病を診断する事は可能なのか?

うつ病がセロトニンと関係している事は分かっていましたが、詳しい所まではまだ解明されていませんでした。セロトニンとは、ポジティブな感情や発想を生み出すのに重要な化学物質です。

この事から、ウイーン大学の研究者たちは、うつ病を持った人達の中にこの物質が少ないのではないかと仮定し、研究を始めました。

この研究チームはセロトニンが血液内で作られているプロセスを発見しました。

脳細胞の被膜にあるSERTタンパク質がセロトニンの移動を手伝います。この研究での最大の発見は、このたんぱく質が他の臓器にも存在する事でした。

その中でも特に腸と血液内に多くのセロトニンを発見したのです。

加えて、他の臓器でも発見されたこのタンパク質は脳内のそれと同じように働く事も解明されました。これは、今まで考えられていたよりも「うつのネットワーク」」は脳だけでなくもっと体の広い範囲にあるという事なのです。

この事から、血小板に含まれるセロトニンの数が脳の中で何が起きているのかという指標になると言えます。MRIなどの分析結果とも照らし合わされました。

 

日々近付く大きな変化

うつに関係する体の中のネットワークは「自動モードのネットワーク」と呼ばれています。どうしてこの名前が付けられたかというと、何か複雑な事を処理しようとするとスイッチが切れるのです。

ところが、脳が休んでいる時にはスイッチが入ります。

うつ状態の時、そのネットワークがうまく働かず、ネガティブな感情がどんどんと溢れて来ます。ある研究によると、近い将来、血液検査でうつの診断が可能になると言われています。

これは、この病気が思い込みや気分の問題、性格のせいなどではないという事を証明してくれます。このおかげで周りの人から疑い深く見られたり、病状に対しておかしな偏見を受けたりという事もなくなるでしょう。

多くの患者さんが、周りの人に自分の意思でうつになっているのではないかと思われたり、治す努力が足りないなどと思われていると訴えています。

この血液検査が可能になれば、うつで苦しんでいる人達は自分達の辛さをきちんとした数字に出る検査の結果で表すことができます。

ですが、本当に大事なのは家族のサポートです。

うつ状態にいる時は、人は自信をなくしてしまいます。もし、この時に家族や友人が彼らの病気に対して理解していない態度を示してしまったら余計うつは悪くなってしまいます。

これは、ひびが入っている腕をひねるのと同じ事です。痛みとその状況は悪化してしまいます。そんな事を起こさない為にも、うつを知りサポートする事が大切です。

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