ウェンディ症候群/人が一番、自分は後回し

人を大事にするためには自分自身も大事にしなければなりません。いつも自分のことを後回しにして放っておくと、そのうち健康上の問題が出てくるかもしれません。
ウェンディ症候群/人が一番、自分は後回し

最後の更新: 03 10月, 2018

ピーターパンのお話やキャラクターはご存じの方が多いでしょう。ピーターパンのお話に出てくるウェンディは、ピーターパンに憧れる少女の役名で、弟たちの面倒も良くみるしっかり者です。そんなウェンディの名が付いた「ウェンディ症候群」は、ついつい人の面倒を見てしまう献身的な要素が強い女性を指します。ウェンディ症候群と聞くと、親や祖父母の時代のような時代遅れのものと思われる人が多いと思います。

しかし、これは何も一昔前の話ではないのです。親を大事にすること、例えば自分たちのすべてを親のために捧げたり、親の希望を第一に考えたり、そういった光景は今でもいたって普通に見られます。周りの人に「愛情を注ぎすぎる」ことによって自分を失ってしまう女性は意外と多いのです。

 

大事なのは、愛情をコントロールし、バランスをとることです。パートナーや家族、友達に愛情を注ぐことは大切なことです。しかし周りの人を思うあまり、自分自身のことを常に後回しにし、自分の成長を見落としてしまっては意味がありません。

今回はこの件について考え、ウェンディ症候群についても調べていきたいと思います。

 

ウェンディ症候群-ピーターパンにとっての完璧な女性-

イギリスの作家ジェームス・マシュー・バリーの有名な作品に出てくるウェンディ・ダーリングとピーターパンのキャラクターについてはご存じですか? ピーターはいつまでも子供でいたいと願う少年で、大人になり、物事に対して責任を取ることなどまっぴらごめんというタイプです。「安定」や「成長」などという言葉とは無縁の冒険の日々を過ごしています。

そのためピーターパンは、実生活において責任を取ることを拒否するような大人になりきれていない男性のことを表しており、彼らは「ピーターパン症候群」と呼ばれています。もう一人の登場人物、ウェンディ・ダーリングは、家をきれいにしたり「ロストボーイズ」(※ネバーランドという国にいる子供たち。ピーターの子分的存在)のお世話をしたりと、周りの人の面倒を見ることに喜びを感じるタイプの少女です。

ウェンディ

そんなウェンディの名がついた「ウェンディ症候群」とはどのようなものなのでしょうか? ウェンディ症候群と呼ばれるタイプの特徴を見てみましょう。

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・自分が世話をすることで周りの人が幸せでいられると信じているため、常に自分が周りの人の面倒をみなければならないと感じている。

・人のことを優先させるため、自分自身のこと(たとえそれが重要なことであっても)は常に後回しにしてしまう。

面倒を見ること=愛情を注ぐことであるため、愛する人(周りの人)に対して自分から進んで惜しみないく愛情を注ぐ。ウェンディ症候群と呼ばれる人たちは、上記の責任感のない、もしくは自分の代わりに責任をとってくれるようなパートナーを求めるタイプであるピーターパン症候群の人たちとひかれ合うことが多い。

ウェンディ症候群の人は、周りの人が自分を求めなくなってしまうこと、ひとりぼっちになってしまうことに不安を抱きがちである。人の面倒をみることで自分が役になっていると感じるため、面倒をみる人がいなくなるということは彼らにとっては大きな不安となる。

・周りの人の面倒を見たり手助けをすることで安心感を得ることができるかしれないが、自分は周りの人の言いなりになっている、もしくは自分がこんなに尽くしているのに周りの人は何もしてくれないと感じる時がくる可能性もある。特にイライラしたり軽視されていると感じるときは要注意である。放っておくとのような症状が出てくる場合もあるため、注意が必要である。

 

自分自身を大切に、そして周りの人を大切に

たんぽぽを吹く女性

人の面倒を見るのをやめればいいのでしょうか?愛する人を心配するのをやめればいいのでしょうか?いいえ、そういうことではありません。パートナーや家族、特に子供たちは、あなたの人生において大きな部分を占め、日々の生活にいなくてはならない大切な人達です。そのような人たちに愛情を注ぐこと、心配することは当たり前のことです。

人間関係においては適度なバランスを保ち、下記の点に気を付けることが大切です。

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・自分自身が成長すること、自分だけの居場所を作ること(趣味でも良いでしょう)、自分自身の価値を高め自尊心を高めることを忘れずに。周りの人に自身の全部を捧げてしまうと、あなた自身が空っぽになってしまいます。そのような状態になってしまうと、満たされていないと感じたり、イライラしたり悲しくなったりするのです。あなた自身が悲しいと感じているのに、周りの人が幸せを感じることがあるでしょうか?決してありません。

・自分自身にプライドを持っていたり、適度な 自尊心 や自己満足があり幸せを感じている人であれば、そのポジティブオーラを周りの人に与えることができるはずです。

愛するパートナーの面倒をみることは当たり前のことです。しかしパートナーに自分の面倒を見てもらうことも大切です。どちらか一方で成り立つものではあく、双方のバランスが大事なのです。周りの人の面倒を見ることに喜びを感じるタイプの方は、まず自分自身を大切にすることから始めてみてください。自分が幸せでなければ、周りの人も幸せにはなれません。まずは自分自身の幸せを見つけること、それから初めてその幸せを周りの人たちへ分け与えることができるのです。


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