損傷の度合いによって異なる筋挫傷の症状と治療法

筋肉に過度の負担がかかると、筋挫傷が起こります。一般的には、運動中に起こる過度の動きが原因となりますが、その症状と治療は、怪我の度合によって異なります。
損傷の度合いによって異なる筋挫傷の症状と治療法

最後の更新: 02 2月, 2020

一般的に肉離れや筋違いなどと呼ばれる筋挫傷は、筋腱移行部の部分的または完全な裂傷です。

筋肉が過剰に引っ張られると、筋肉繊維が破損し、腱や血管などの隣接する構造も影響を受ける可能性があります。

運動強度や位置の突然の変化によって、動的な過負荷が起こることで発症する筋挫傷は、通常、バスケットボール、アメリカンフットボール、サッカー、または陸上競技などの高強度スポーツでよく起こります。

損傷の度合に応じて、筋挫傷には3つの段階があります。

  • 1度(軽度):顕微鏡レベルと言われるごく小さい筋線維の損傷ですが、腱と隣接する血管は損傷を受けていない状態です。
  • 2度(中等度):筋線維と隣接する靭帯に部分的な損傷があり、血管の破裂の結果として青あざが発生します。患部領域の可動性が損なわれます。
  • 3度(重度):筋繊維と靭帯の完全な損傷であり、機能が完全にまたはほぼ完全に失われます。目に見えるあざと炎症反応が起こります。

筋挫傷

損傷の度合いによって異なる筋挫傷の症状と治療法 筋肉の図解

筋肉が引っ張られると筋繊維の多くが損傷を受けます。

筋挫傷の症状は、前述のように筋線維の損傷によって異なります。

  • 1度:機能の損失はなく、負傷した部分の可動性は完全に維持されます。不快感を伴うわずかな炎症がありますが、怪我をした本人は運動を終えるまで、または翌日まで損傷に気づかない場合があります。
  • 2度:部分的な機能が影響を受けてか可動性がやや失われます。患部に痛みを感じたり、炎症や血腫が起こります。通常は、すぐに損傷に気づくため、すぐに運動や動きを停止する必要があります。
  • 3度:部分的または全体的な患部の可動性の損失です。あざや血腫があり、多くの痛みを感じるため、すぐ怪我に気づくでしょう

治療

筋挫傷の治療は、損傷が発生してから経過した時間と、筋線維の損傷の程度によって異なりますが、すべての場合において、痛みを和らげるためには氷を使う必要があります。

すべての症状に適用される主な処置は次のとおりです。

筋挫傷:1度

1度の場合、怪我をしてから数日間は、RICE処置を行う必要があります。これは、R(休息)I(冷却)C(圧迫)E(挙上)を行う処置で、特に氷を使って冷却することが大切です。

RICE処置を行いながら数日が経過すると、徐々に正常に戻るため、軽度から中程度の運動を行うことができます。

アクアなどのプールでのエクササイズ、穏やかなペースで行うストレッチ、または軽いウエイトを使った筋力トレーニングなどが良いでしょう。

痛みが軽いため。抗炎症薬は必要ありません。

筋挫傷:2度

損傷の度合いによって異なる筋挫傷の症状と治療法 膝の痛み

筋挫傷に対する一般的な処置は、R(休息)I(冷却)C(圧迫)E(挙上)です。

1度の筋挫傷と同じように、RICE処置を行います。最初の2〜3日間は、氷で冷却しながら患部を圧迫し、休息しながら持ち上げてください。4日目からは、痛みを感じない場合にのみ、アイソメトリック運動を開始できます。

ただし、痛みを感じた場合には直ちに運動を停止してください。

その後の2週間は、医師は通常、運動能力が完全に回復するまで、中程度の運動をを推奨します。

炎症や痛みを治療するための薬が処方される場合もあります。

筋挫傷:3度

最初の数日間は、1度と2度と同じ処置を行う必要がありますが、3度の場合は完全に患部を休ませる必要があります。

また、損傷の重症度に応じて、歩くときに松葉杖を使う必要があるでしょう。

2週目になると、徐々にアイソメトリック運動を始めることができます。

完全に回復するまでは、医師の指示に従って、少しずつ運動を増やしていきます。

4週目にはほぼ回復しますが、必ず医師の診察を受けてください。

また、3度の場合には、抗炎症薬の使用が推奨されます。

筋挫傷が起こった場合、全てのケースにおいて医師のアドバイスと指導に従うのが最優先事項です。


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