総動脈幹症とは? 原因、症状、治療法について

12月 17, 2019
総動脈幹症は、まだ赤ちゃんの心臓が形成されている段階である胎児発育中に現れます。そのため、この症状を持って産まれてくることになります。

総動脈幹症は、先天性心疾患です。心臓の出口から1本の大きな動脈のみ形成されており、心室や心房が十分に形成されていない状態です。言い換えれば、本来2本の動脈によって肺や他の部位に血液が運ばれていますが、この疾患の場合1本の動脈のみによって運ばれていることになります。

これは大変珍しい心疾患であり、この症状を持って産まれてくる確率は0.21~0.34%です。

総動脈幹症の原因

総動脈幹症

正常な心臓では、血液は体-心臓-肺-心臓-体の順で流れています。しかし、総動脈幹症である場合には、心臓から出た血液はこの順番に沿って流れることはありません。

この疾患の場合には、心臓が4つの心室に分かれておらず、代わりに1つのみ部屋があります。ということは、血液を分ける心房や心室がないのです。

そして、動脈も1本のみになります。そのため、二酸化炭素が多く含まれた血液と酸素が多く含まれた血液が分かれていません。

心臓には、通常2つの経路があります。1つは酸素が多く含まれた経路、もう1つは二酸化炭素が多く含まれた経路です。

総動脈幹症は、まだ赤ちゃんの心臓が形成されている段階である胎児発育中に現れます。この症状を持って産まれてくることになるので、先天性心疾患となります。

この心疾患の原因は、まだ明確には解明されていません。しかし、下記の要因が総動脈幹症のリスクを高めることが分かっています。

症状

患者によって異なる症状が現れます。しかし、この疾患の赤ちゃんに共通してみられる症状には、次のようなものがあります。

  • チアノーゼ
  • 疲労
  • 発汗
  • 冷たい肌
  • 呼吸困難、頻呼吸
  • 心拍数の増加
  • 肺うっ血
  • 哺乳不良

しかし、これら全ての症状は他の疾患や心疾患にも見られることがあります。そのため、これらの症状がみられる場合には、医師に診てもらうことが非常に重要です。

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診断方法

総動脈幹症

通常、赤ちゃんが産まれる前に、心臓超音波検査を行うことによってこの疾患を診断することができます。これは超音波を使用して動いている心臓の画像を再現する技術です。

これにより、赤ちゃんが子宮内にいるときに心臓を確認することができ、心臓の機能を検査することができるのです。この情報をもとに、赤ちゃんが産まれてすぐに治療が行われます。

また、血流にある酸素の量を簡単に計測してくれるパルスオキシメーターを使用した検査方法もあります。これによって、心疾患であるかどうかの手がかりを得ることができます。

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治療法

残念ながら、総動脈幹症を患って産まれてきた場合、1カ月生存率は50%であると研究データは示しています。その後、1年生存率は10~25%です。

1年以上生き延びた赤ちゃんもいますが、多くの場合重篤な肺血管疾患も有していることがあります。

治療については、合併症を防ぐために開心術で手術が行われます。この手術は、生後1か月以内に行われることが多いです。手術によって大動脈と肺動脈を分離させ、心臓の右心室から肺に血液を流す経路を作ります。また、他の心疾患についても同時に治療されます。

手術が上手くいかなければ、赤ちゃんは亡くなってしまうかもしれません。しかし、この手術の成功率は高いとされています。

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