どちらがいいの?自然分娩と帝王切開について学ぼう
妊娠している女性の中には、自然分娩か帝王切開で悩む人がいます。
自然分娩が一般的ですが、様々な理由で帝王切開を選択する人もいます。
胎児や母体の状況に応じては、帝王切開が最も良い選択肢である場合もありますが、妊婦の中には様々な個人的理由から帝王切開を選ぶ人もいます。
自然分娩vs帝王切開
毎日多くの赤ちゃんが生まれていますが、出産方法を決定するのは担当医と母親となる妊婦です。
特に医師は、妊娠状況や出産時の状況やリスクに応じて、胎児と母体の安全のために帝王切開を勧めたり決定することがあります。
また、自然分娩の予定であっても、出産時や出産直前に、リスクを回避するために帝王切開を実施することがあります。
自然分娩と帝王切開の違い。
自然分娩と帝王切開の大きな違いの一つは、帝王切開は20〜30分以上続く外科的な介入があるという点です。
妊娠中から帝王切開で出産することが決定している場合は、一般的に妊娠39週間後に帝王切開を行う必要があります。
身体面での違い
「自然分娩と帝王切開、痛みが少ないのはどちら?」
初産の母親が抱くよくある質問です。
自然分娩では、膣が拡張し、会陰切開を行うことがよくありますが、帝王切開にはありません。
そのため、自然分娩では、陣痛や分娩時の痛み、そして産後の会陰切開の痛みがあります。
その一方で帝王切開は硬膜外麻酔を使用するため、へそからか下肢までその影響を受けます。
ただし、下半身だけなので出産時には意識がしっかりとあり母親になるときは覚醒しています。
麻酔の効果はおよそ1時間から1時間半の間続き、帝王切開の後 24~48時間後までは、静脈内鎮痛剤と抗炎症薬で帝王切開の痛みを制御します。
ただし、これ以降の回復期には帝王切開の痛みを感じることが多くあります。
こちらもご覧ください:35歳を過ぎてから母親になるあなたへ
赤ちゃんの免疫システム
出生前の赤ちゃんは、お腹の外にあるウイルスや細菌に触れていませんが、臓器が正しく機能するためにはいくつかの細菌にさらされる必要があります。
子供が自然分娩で膣を通るときに母親から健康的な細菌を受け取ります。
帝王切開の場合は、母体から健康的な細菌を受け取ることがないため、生まれてからの環境や母親を含む周りの人々からこれらの細菌を受け取ることになりますが、母親の膣を通るときに受け取る細菌以外は、赤ちゃんにとって免疫系とは関係のない細菌だと言われています。
コペンハーゲン大学が実施した研究は、帝王切開で出産すると、免疫疾患の予防の鍵となる母体からの細菌が長期的に不足すると結論づけました。
自然分娩で膣を通って生まれた赤ちゃんの腸内細菌叢は、帝王切開によって生まれた赤ちゃんのものとは異なり、1型糖尿病、クローン病、または重度のアレルギーなどの病気にかかるリスクが低いことが示されています。
産後のケア
自然分娩や帝王切開など、出産方法にかかわらず、産後の母体が回復するまでには多くの安静時間が必要となります。
自然分娩の後は、家事をすることは推奨されていません。
すでに子供がいる場合も、子供の世話を全力で行うほどのエネルギーや体力は回復していないため、できる限りのサポートを受けるように注意する必要があります。
そして帝王切開を行なった場合は、回復期の状況がより複雑になります。
自然分娩でも帝王切開でも、産後の母親はできる限り体を休めて、重いものなどを持ち上げないように注意しましょう。
ただし、自然分娩の場合の痛みは一時的であり、ある程度の休息時間を取れば自然と体が回復します。
帝王切開の場合は、外科的介入があるため、傷が完治するまでには数日から数週間かかることがあります。
帝王切開を受けた母親は、皮膚の表皮の傷と、子宮を切った時の内傷の二つがあるため無理は禁物です。
ご存知ですか?:分娩誘発とその方法
費用
帝王切開は外科手術であるため、一般的に医療費は高くなります。
自然分娩では産婦人科医と看護師、そして必要に応じて小児科医が出産をサポートしますが、帝王切開の場合はより多くの専門家が出産のサポートを行います。
また帝王切開は、設備の整った手術室で行われ、麻酔を必要としますし、抗生物質や静脈内に投与する薬が必要となりますが、自然分娩の場合は、一般的に薬などは必要はりません。
自然分娩か帝王切開かを選ぶ時期とその理由
自然分娩と帝王切開には大きな違いがあり、どちらを選ぶか悩む母親がいます。
ただし、妊娠中は出産時の状況においては、帝王切開を選ぶ必要が生じるケースがあります。
帝王切開の長所と短所
長所
- 硬膜外注射が腹部に適用されるため、腰から脚への感覚が失われ「痛みのない」手術が実現します。
- 出産時に母親の意識が覚醒するように計画することができます。
- 手術は、その準備と実際の手術、そして回復時間も含めて3〜4時間程度です。
短所
- 麻酔を伴う手術であり、外科的な介入は感染症や他の臓器が損傷するリスクを伴います。
- 1〜2か月以上かかります。
初産の場合は、産後1週間は起きて歩くのが辛いと感じる傾向があるため、家族や友人のサポートが欠かせません。 - 麻酔の悪影響により、帝王切開から数日間は、吐き気、めまい、嘔吐があります。
自然分娩の長所と短所
長所
- 過度の失血、腎臓の損傷、感染症の可能性などの副次的なリスクは、帝王切開よりも低くなります、
- 血圧は安定しています。
- 胎盤と赤ちゃんへの酸素の供給は、帝王切開よりも優れています。
- 膣管を通過するときに胎児の感覚が刺激されます。
- 母乳の生産や母子の絆を促進するオキシトシンが母体から放出されます。
短所
- 産後、尿失禁などを発症するリスクがあります。
- 帝王切開と異なり出産日をスケジュールすることができないので、予定を立てることは難しいです。
- 膣裂傷のリスクがあるため、一般的には産婦人科医が会陰切開を選択します。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Hansen, C. H., Andersen, L. S., Krych, Ł., Metzdorff, S. B., Hasselby, J. P., Skov, S., … & Hansen, A. K. (2014). Mode of delivery shapes gut colonization pattern and modulates regulatory immunity in mice. The Journal of Immunology, 193(3), 1213-1222. http://www.jimmunol.org/content/193/3/1213?sid=7351e4cd-2b9c-46ff-af4c-e959939a1696
- De La Ossa, D. M., Yepes, D. C., Blanco, D. D., & De Avila, C. L. (2014). Microbiota, cesárea y alergias. Ciencia y Salud Virtual, 6(1), 54-64. https://revistas.curn.edu.co/index.php/cienciaysalud/article/view/414/595