知っておきたい!妊娠中のリステリア感染について

生の食品や十分に調理されていない食品を食べることでリステリアに感染することがあります。妊婦はしっかりと火の通ったものを食べ、殺菌されている乳製品を食べましょう。今日の記事では、妊娠中のリステリア感染についてみていきます。
知っておきたい!妊娠中のリステリア感染について

によって書かれた Virginia Martínez

最後の更新: 15 11月, 2022

リステリア感染は、リステリア・モノサイトゲネスという細菌によって引き起こされます。健康な人が感染することはごくまれですが、免疫系の弱っている人や妊婦が感染すると深刻な事態となることがあります。

この記事では、妊娠中のリステリア感染について見ていきます。

リステリア感染

リステリア感染は食中毒です。自然の中に存在する細菌によって引き起こされます。リステリア菌によって侵された野菜や動物のキャリアによって感染することがあります。

リステリア菌は以下のようなものに見られます。

  • 生肉や生魚
  • 生のフルーツや野菜
  • 殺菌されていない乳製品
  • 加工食品
  • 燻製の魚
生の肉

妊娠中は、リステリア菌を持っているかもしれない生の食品を避けましょう。

ですが、調理でしっかりと火を通したり、殺菌することで細菌は殺すことができます。だからこそ、妊娠中は、肉や野菜にはしっかりと火を通し、殺菌されていない牛乳やチーズなどを食べるのは避けるべきだと専門家は見解しているのです。

さらに、リステリア菌は、パッケージされている加工食品に含まれている可能性も忘れてはいけません。ソーセージ、ハムやサラミなどの冷製肉も危険である可能性があるのです。

リステリア菌は冷凍したり冷蔵しても死滅しません。母体から胎児へと感染することもあるのです。この菌は胎児や新生児にとってとても危険です。妊娠中の方は、感染に気をつけなくてはいけません。

 

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リステリア菌の種類

リステリア感染は深刻な食中毒の一つですが、その発生率は極めて稀です(WHOによると100万人あたりわずか0.1〜10件)。しかし、その少ない数にも関わらず、致死率はとても高いですので、予防することが最優先されています。

リステリアには2種類あります。

  • 非侵襲性:熱性リステリア胃腸炎を引き起こす病気の弱い形です。普通、健康な人に影響を及ぼします。深刻ではないですが、妊婦など特定のグループの人にとってはリスクが高いでしょう。
  • 侵襲性:このタイプのリステリア菌は、致死率が20〜30%ととても危険です。症状は熱や筋肉の痛みだけでなく、ひどいケースでは敗血症や髄膜炎を引き起こすこともあります。

どちらの種類も潜伏期間は1〜2週間です。時には、3か月ほどまで潜伏することもあります。だから、早い段階で感染を知ることが難しいのです。

妊娠中のリステリア感染

お腹をかかえる女性

妊婦のリステリア感染による一番のリスクは、やはり流産や早産でしょう。

妊娠中のリステリア感染はとても危険です。これは母親だけに言えることではありません。前述しましたが、妊婦だけでなくお腹の赤ちゃんも感染させてしまう恐れがあるからです。その結果、以下のようなことが起こりうると考えられるでしょう。

  • 流産
  • 早産
  • 胎児や新生児への感染
  • 胎児や新生児の死亡(実際、妊婦のリステリア感染のおよそ22%が胎児や新生児の死亡である)

 

前述したように、症状は汚染された食べ物を食べた後、数日以内に出てきます。以下のような症状に気をつけましょう。

  • 筋肉の痛み
  • 嘔吐
  • 吐き気
  • 頭痛

妊娠中のいつ感染にかかってもおかしくはありません。ですが、特に妊娠後期に多いようです。これは、妊婦の免疫系が弱まっているためです。

治療は、できるだけ早く行うのが良いでしょう。つまり、気になる症状があれば、すぐに産婦人科医を受診しましょう。簡単な血液検査で感染の有無が確認できます。抗生物質をふくむ治療を行うことで、胎児への感染予防に努めます。

妊娠中のリステリア感染を予防するために

野菜を切る妊婦

調理中は、生ものとすでに火を通したものを一緒にせず、食材間の汚染を予防しましょう。

食の安全のため、WHOは以下のような5つの推奨事項を発表しています。

  1. 清潔にする:食材を扱う前にはきちんと手洗いをし、食材を洗いましょう。まな板や包丁、冷蔵庫、キッチン全体を清潔にしましょう。
  2. 生ものと調理した食材を分ける:こうすることで食材間の汚染が予防できるでしょう。
  3. しっかりと火を通す:70℃以上でしっかりと火を通すことが大切です。ですが、ミンチ肉など特に注意を必要とするものもあります。
  4. 食材は正しい温度下で保存する:調理済みのものを室温に2時間以上置かないようにしましょう。また、室温で解凍しない、賞味期限を守ることも大切です。
  5. 安全な水と食材を使う:加工食品は避けることを専門家は推奨しています。

リステリアは殺菌されていない食べ物や調理されていない食べ物を汚染する可能性がありますので、これらの食べ物を食べるのはできるだけ避けましょう。

妊婦はそれに加え、以下のガイドラインも踏まえておきましょう。

  • 殺菌されていない牛乳、乳製品を避ける(ソフトチーズも含む)
  • ソーセージやハムなどの加工肉は70℃以上で調理する。
  • 燻製の肉や魚を食べるのはやめる。
  • 調理した後の食材は、室温に2時間以上置かず、冷蔵庫に入れる。また、2〜3日以内に食べる。
  • 食品のラベルをよく読み、ガイドラインに従う。

まとめ

妊娠中にリステリア感染にかかることは稀なことですが、予防に努めなくてはいけません。自分だけではなく、お腹の赤ちゃんにまで影響を与えてしまうからです。

妊婦は水分をしっかりと補給し、加工肉や加工魚、殺菌されていない牛乳や乳製品、生もの(特に肉や野菜)を避けましょう。最後に、リステリア感染が疑われるような症状が出た時は、できるだけ早急に産婦人科医を受診しましょう。


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