新型コロナウイルスは空気感染ではないというWHOの声明

世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスは空気感染できないこと、そしてマスクを適切に使用する必要があることを強く主張する記事を発表しました。今回はこの記事について詳しく説明します。
新型コロナウイルスは空気感染ではないというWHOの声明

最後の更新: 25 5月, 2020

世界保健機関(WHO)と独立性を持つ科学者の両者が、新型コロナウイルスに関連する研究結果を定期的に発表しています。

最近の WHOの声明では、新型コロナウイルスは空気感染ではないと述べられています。これは貴重な資源を管理するという点から考えると、十分に考慮するべき情報です。

この情報を、新型ウイルスについてこれまでに発表された情報と一緒に活用することで、それに応じた行動ができます。各国は研究結果に基づき、現在実施している予防策の改善を行うことができます。

社会的距離の維持と隔離措置の継続、そしてマスクの着用と手を洗うことによって感染率が低下することは、私たちがすでにその効果を目にしている予防措置です。

世界保健機関は、新型コロナウイルスの空気感染以外の感染経路について、再び私たちに注意喚起を促しています。この情報に関する報告書は、すでに公開されています。

新型コロナウイルスが空気感染しないという事実は、実際の感染経路への予防措置を講じる必要があることを意味します。これが、様々な表面の消毒とマスクの着用に関する具体的なガイドラインがある理由です。

空気感染に関するWHOの発表

3月29日、世界保健機構はブリーフレポートと呼ばれる報告書を公開し、27日以前の報告書を更新しました。わずか2ページの報告書では、新型コロナウイルスの感染に関する科学的根拠について論じています。

この報告書では、新型コロナウイルスは空気感染はできず、咳やくしゃみなど呼吸器の飛沫を介してのみ感染することができると発表されています。新型コロナウイルスに感染した人はこれらの飛沫を放出し、ウイルスは一定の距離を移動することができます。

世界保健機構は、空気感染と飛沫感染には違いがあることを明確にしています。環境に耐性のあるウイルスは、空気そのものから感染する可能性がありますが、SARS-CoV-2には当てはまりません。

新型コロナウイルスは、移動するために呼吸器の飛沫を必要とし、飛沫から分離されると多くの耐性を失います。

新型コロナウイルスは空気感染ではないというWHOの声明 咳をする女性

感染者が咳をすると、新型コロナウイルスの飛沫感染が起こる可能性があります。

ある報告によると、中国では、ウイルスの単純な空気感染を確認できませんでした

新型コロナウイルスは、空気を介して感染することはできませんが、ウイルスが時折、空気中にいないという意味ではありません。また、感染者と近い距離にいる場合にのみ、ウイルスに感染する可能性があることを理解する必要があります。

新型コロナウイルスはどのくらい空気中に留まりますか?

世界保健機関は、空気感染だけでなく、SARS-CoV-2が様々な表面上に留まる時間についての疑問も明らかにしました。呼吸器からの飛沫が物体に付着し、そこから感染する可能性があります。

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)は、新型コロナウイルスが表面に残る時間を記録した研究を発表しました。

機械を使用して、さまざまな状況のシミレーションを行いました。この機械がウイルスに感染した飛沫を作成し、それを使ってどう飛散して留まるのかを研究することができました。

世界保健機関は、これらの結果は実際の生活には適用できないことを明確にしています。この機械は人間ほど強力ではないため、2つを比較することはできません。

現在入手できる科学的根拠に基づいて考えると、科学者たちは、SARS-CoV-2のウイルスが、呼吸器の飛沫内に3時間以上留まっていられること、そして2メートル以上を移動できることを証明できません

これが、各国の保険機関や政府が、社会的距離を維持するようにアドバイスをしている理由です。

新型コロナウイルスが空気感染しないなら、なぜマスクが必要ですか?

ここまでは、新型コロナウイルスの感染方法を学びました。世界保健機関は、マスクを使用する必要があるケースを次のように定義しています。

  • COVID-19に既に感染している人
  • COVID-19に感染している人との濃厚接触があった人
  • 新型コロナウイルスの感染が拡大している地域に旅行した人
  • 医療関係者
  • 公共の場所に出かける必要がある人

専門家は、FFP2と呼ばれるマスクを勧めます。外科手術用マスクは呼吸器の飛沫には効果がなく、逆効果になることさえあります。

新型コロナウイルスは空気感染ではないというWHOの声明 マスクをした男性

最も効果的だと言われるのはFFP2マスクであり、外科用マスクではありません。

新型コロナウイルスのパンデミックにおける資源の管理

世界保健機関が、新型コロナウイルスは空気感染をしないという見解を示したため、すべての人が医療従事者が使うようなマスクを使う必要はありません。私たちは、限りある資源を賢く使うことが求められています。

現在マスクは希少であり、医療従事者が優先的に使用する必要があります。

私たちは、新型コロナウイルスの感染を制御する責任があります。マスクは特定の状況に備えて大切に扱うべきであり、特に最も脆弱な人々を保護するために使われるべきでしょう。


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