線維筋痛症とは?

1月 18, 2018
線維筋痛症とは、慢性的に全身の筋肉などに強い痛みを起こす病気です。

線維筋痛症は、慢性の筋骨格系疾患で、全身の特定の部分に原因不明の痛みが起こります。幅広い症状がありますが、特徴的なものは、筋肉の痛み、強い疲労感、睡眠障害、精神状態の不安定などです。

線維筋痛症は、90年代から病気として認識されましたが、それ以前は、身体的な原因や異常はないが様々な身体症状が続く状態である身体化障害と考えられてきました。最近の研究の結果、神経学的な原因、具体的には中枢神経系のバランスの乱れが指摘されています。

線維筋痛症はどのような人に起こるのか

神経細胞のつながり

線維筋痛症の患者数は、イタリア・ドイツ・ポルトガル・スペインでは全人口の2%から5%です。日本では約2%とされています。主に女性がかかる病気で、欧米では男性に比べ約10倍の患者数、日本では約5倍です。また患者の他の特徴は以下の通りです。

 

主な原因

線維筋痛症の病因は、中枢神経系の異常と関連していると言われますが、そのメカニズムは完全には明らかにされていません。神経ホルモンの異常、遺伝的な要因、食生活やストレスなどの環境的な要因などではないかと考えられています。

中でも中枢神経系にある痛み刺激感覚の伝達路の過剰興奮が主要な原因だと見られています。これを感作と言いますが、感作は反復的な痛み刺激の結果として、脊髄レベルでの痛みを抑制します。

さまざまな症状

  • 頭痛
  • うつ症状
  • アロディニア
  • 筋肉のこわばり
  • 睡眠障害
  • 痛覚過敏
  • 発作性運動
  • 倦怠感や極端な疲労感
  • 触覚過敏
  • 骨格筋の激しい痛み
  • 聴覚異常、視覚異常

関連のある病気

リウマチ性関節炎や強直性脊椎炎などのリウマチ性疾患の患者、または全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の患者によく起こります。またグルテン過敏症もリスク要因となります。

関連のある症状

ベッドで苦しそうな女性

線維筋痛症の大多数の患者は、寝付きにくい、または眠っても疲れがとれないという症状があり、これらが同時に他の症状を悪化させています。このような患者にとって、過眠症や夜間のけいれんは非常につらいものです。また、うつ症状や不安症などの精神状態の不安定さとも関連していると言われています。

診断基準

現在、線維筋痛症であると診断できる決定的な検査は存在しません。そこで通常、消去法による診断となります。つまり症状から考えられる他の病気の可能性をすべて排除できた時に診断に至ります。

実際、この病気を診断する特定の検査がないということが、診断の遅れを引き起こしています。また一方で、専門家の間でも、線維筋痛症を一つの病気と捉えるか、一連の症状が現れる症候群と捉えるかという議論も続いています。

現在、線維筋痛症の診断には、特徴的身体部位18か所のうち11か所以上に圧痛点(圧迫したときに強く痛みが出る点)があることが基準になっています。これらの基準部位は、線維筋痛症の患者の痛みの頻度を調査し設定されたものです。他に、全身の痛みが3か月以上続いていることも診断の基準となっています。

他のリウマチ性疾患ではないということを明確にするため、どちらの基準も厳格に運用されています。まさにこの診断の難しさから、線維筋痛症の症状のある多くの人が診断されずにいるということも特筆すべき点です。

治療

女医と話す女性患者

現在、線維筋痛症に対する最も効果的な治療の一つとして、栄養療法と減量のための対策が挙げられます。グルテンフリーの食生活が非常に効果的で、症状を抑制したり、解消したりできています。

薬物療法としては、さまざまな種類の抗うつ薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、抗けいれん薬、筋弛緩薬が使用されます。その他、良い結果を出している治療法として、経頭蓋磁気刺激法があり、かなりの痛みを減少させ症状の改善につながっています。

あなたへおすすめ