プルーンで骨粗しょう症予防
プルーンにはカルシウムが含まれていないのに、プルーンで骨粗しょう症予防?と思われるかもしれません。最近の研究では、1日に3個から5個のプルーンを食べると骨粗しょう症のリスクが減らせることが証明されています。丈夫な骨を保つには牛乳を初めとした乳製品を摂り、積極的にカルシウムを体に取り入れるのがベストだと言われています。
ですが、この常識は正しいのでしょうか?カルシウムについて別の側面から考えるとともに、丈夫な骨作りのためにプルーンが発揮するすごい効果についてご紹介します。
カルシウムにまつわる本当の話
骨粗しょう症のような骨の問題について話すとき、『カルシウムこそ丈夫な骨を維持するために必要だ』というのは常識です。実際カルシウムは健康維持のために必須ですが、カルシウムの吸収を助けてくれる他のミネラルも同様に必須です。したがって、カルシウムが豊富な食品ばかりを選ぶのではなく、身体に必要なカルシウムや他の栄養素を含む様々な食品を使ったバランスのいい食事をとることが必要なのです。プルーンもまた、カルシウムの吸収を手助けしてくれる食べ物の一つです。
カリフォルニアプルーン協会によると、”プルーンはアメリカ骨粗鬆症財団(NOF: National Osteoporosis Foundation)の「骨によい食品」リストに載っており、「骨粗鬆症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム(ISNAO: International Symposium of Nutritional Aspects of Osteoporosis)」で発表された研究では、プルーンの摂取が健康な骨のサポートを助け、さらにはピーク骨量の達成も促進する可能性があることが示唆された”ということです。
こちらもお読みください『静かに忍び寄る病:低カルシウム血症』
酸化作用
人体にも酸性、アルカリ性がある、という話を聞いたことがあると思います。酸性かアルカリ性かはpH値によって計測することができ、pH値7.0より小さければ酸性、大きければアルカリ性です。たとえば胃液はpH値が1.0~3.0の酸性。人間の肌は洗顔料などのCMで言われるようにpH値4.5~6.0の弱酸性です。その他の体液などはph値7.5前後で、若干アルカリ性よりの値を示します。現代人はpH値が酸性に傾きがちだと言われています。砂糖の摂りすぎや揚げ物などが豊富な食生活、喫煙や飲酒といった生活習慣の他、ストレスやネガティブな感情や環境汚染などが原因とされています。
こうした理由で身体の pH 値が酸性に傾き過ぎると、骨からカルシウムが溶けだしてしまいます。これは傾いてしまったpH値を元に戻すためで、溶けだしたカルシウムが尿とともに体外に排出されることで身体のpH値を一定に保とうとしているのです。
つまり、カルシウムが溶けださないようにするためには身体のpH値が酸性に傾き過ぎないようにすればいいのです。ミネラルを豊富に含むプルーンは酸性に傾いた身体をアルカリ性に戻すのに非常に役立ちます。
豊富な栄養素
プルーンにはカリウムやマグネシウム、ホウ素、銅、鉄、ビタミン A とビタミンK などが豊富に含まれています。これらの栄養素は骨を丈夫にし、骨粗しょう症を予防するのに必要不可欠です。プルーンはカルシウムを含んでいないにも関わらず、日常的にプルーンを食べることで骨粗しょう症などの骨の病気のリスクをリスクを減らすことができるという研究結果がたくさん出ているのです。
プルーンやすももは栄養豊富で便秘予防に効果的なので、毎朝少しずつ食べるのがいいでしょう。
どうやって食べればいいの?
一番ヘルシーなプルーンの食べ方は、コップ半分の水に一晩漬けておいてから食べることです。次の日の朝一番にプルーンを食べて、漬けておいた水も飲んでしまいましょう。
一日に食べるプルーンは 3 個から5 個ぐらいで十分です。
『水に漬けておいて食べるって美味しくなさそうだなあ』と思う人には、他の食べごろの果物や野菜と一緒に食べるのもおすすめです。パンやケーキに混ぜてもいいでしょう。お気に入りのレシピに加えれば、プルーンのジューシーな甘さが砂糖の代わりになってくれます。
組み合わせで食事改善
プルーン以外の身体にいい食べ物と組み合わせて、丈夫で健康な骨作りに役立てましょう。以下に上げる食べ物はカルシウムを添加した乳製品や食べ物よりもビタミンが豊富ですし、カルシウムなどのミネラルも豊富です。
- ゴマ:ゴマに含まれているカルシウムの量は牛乳より多く、より吸収しやすい性質を持っています。生のゴマを食べるのもいいですし、ごはんにかけて食べたり、料理にゴマ油や練りゴマを使うのも簡単です。練りゴマを水、レモン、シナモン、蜂蜜と混ぜてゴマドリンクを作るのもおすすめです。
- マカ:健康食品として有名なマカは、本来アブラナ科に属する植物で、原産地のペルーでは一般的な食材、あるいは保存食としても使われています。カルシウムと鉄が豊富で、ホルモンのバランスを整えてくれる作用があります。ただし、高血圧やアレルギー症状のある人は、摂取する前に医師の指導を受ける必要があります。
- にんじん料理:にんじんに含まれるビタミンCはカルシウムの吸収を助けてくれます。しかしアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素も一緒に含まれているので、生で食べるよりは加熱調理をして食べる方がたっぷりカルシウムが取れておすすめです。
- ツクシ/スギナ:春の風物詩であるツクシにもリンやカリウム、カルシウムが豊富に含まれています。ツクシの成長後にはスギナという光合成をおこなう葉と茎の部分が出てきますが、このスギナは日干しにしてスギナ茶として飲まれています。一日に二杯から三杯のスギナ茶を飲むことで、骨粗しょう症の予防に効果があると言われています。
- 海洋水:ナチュラルフードショップなどで売っている栄養補助食品です。毎食前に茶さじ一杯を取るのがいいでしょう。
骨に嬉しいスムージー
最後に、丈夫な骨作りに役立つ美味しいレシピをご紹介します。
- ゴマ茶さじ一杯とコップ一杯の水を最低一分以上ミキサーにかけます。
- ミキサーにかけたものを濾してなめらかにします。(濾したものは他の料理に使うこともできます)
- 濾したものを一晩水に漬けたプルーンと一緒にもう一度ミキサーにかけます。
- シナモンをお好みの量で加えます。
- 出来上がり。
このスムージーを朝食やおやつにプラスすれば、きっと家族の健康維持に役立ってくれますよ!
こちらもお読みください『1週間分の栄養たっぷりスムージーのレシピ』
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
Stacewicz-Sapuntzakis, M., Bowen, P. E., Hussain, E. A., Damayanti-Wood, B. I., & Farnsworth, N. R. (2001). Chemical composition and potential health effects of prunes: A functional food? Critical Reviews in Food Science and Nutrition. https://doi.org/10.1080/20014091091814