音にイライラする! ミソフォニアってなに?

適切な対処法を知らない限り、ミソフォニア(音嫌悪症)を持つ人は毎日が生き地獄と言えます。この稀な障害は、正式に病気として認識されてさえいません。
音にイライラする! ミソフォニアってなに?

最後の更新: 25 10月, 2020

ミソフォニア(音嫌悪症)は、ほとんどの人にとってはまったく気づかないような状態の一つです。ミソフォニアの人たちは、他の人には気にならないような些細な音に反応して、拷問を受けているような気持ちで生活しています。例えば、ガムを噛んでいる人の音、雨の音、紙の上で鉛筆を引っ掻く音などです。

さらに悪いことには、医療専門家にもミソフォニアを持つ人の訴えをあまり重要視しない人も多いということがあります。患者をただのオカシイ人、双極性障害者、または統合失調症者としてレッテルを貼る傾向があります。

ミソフォニアを抱えて生活することは決して楽なことではありません。一定の耐え難い刺激に直面したときの苦痛に対処しなければならないだけでなく、一般的に理解されにくいという問題にも直面しなければならないのです。さらに、この、音に対する過敏症の治療法は現在のところありません。

ミソフォニアとは

ミソフォニアを英語で表記すると(misophonia)、文字通り「騒音に対する嫌悪」を意味します。つまり、日常生活の音に対して過度な拒絶反応を示す障害を指します。これは音響感度の病的な形態として定義されています。

この障害を持つ人は、特定の音を聞くと、イライラして叫びたくなったり、思わず何かを殴りたい衝動に駆られます。呼吸音と同じくらい一般的な音でも、怒り、不安、パニックの感情を生み出すことがあります。

ミソフォニアの人が全員同じ音に敏感なわけではありません。最も一般的な引き金となるのは、食べ物を噛む、すする、飲み込むなどの動作です。しかし、椅子のきしむ音や指を叩く音などの音も引き金になることがあります。

ミソフォニアとは 音にイライラする
ミソフォニアの人は、些細な音で日々苦しんでいます。

ミソフォニアの原因と症状

ミソフォニアが医学的な問題として認識されたのは90年代に入ってからです。しかし、科学的にはまだ完全に病気として受け入れられていません。今日に到るまで、ミソフォニアをきちんと診断できる医師はあまりいません。

症状を考慮すると、この障害の原因は神経学的な問題と考えられています。これまで行われた研究によると、ミソフォニアの人は、脳の前島で異常な活動が認められます。専門家は、知覚に由来する感情の処理に異常があると考えています。

ミソフォニアは、それ自体が臨床症状というよりも、他の何かの症状として分類されています。ミソフォニアは子供の頃に現れる傾向がありますが、大人になってからも現れることがあります。音に対する極端な選択的過敏性とそれがもたらす不安のほかに、ミソフォニアの目に見える症状はありません。

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ミソフォニアを持つかどうかを診断するための特定の検査はありません。診断は通常、特定の音に対する個人の反応を観察することによって行われます。その他、大勢も嫌う特定の音でも、ミソフォニアの人は過度な反応を示します。

ミソフォニアを抱えての生活はどんな感じ?

ミソフォニア
特定の検査がないため、ミソフォニアは診断しにくい障害です。

ミソフォニアは人生をガラリと変えてしまいます。まず、社会的孤立と家族のサポートの喪失です。日常的な音に対するその人の不寛容度にもよりますが、極度の不快感や不安を避けるために、他人から距離を置く必要があるかもしれません。特に、嫌悪感はほとんどの場合、他の人が発する音に関係しているので、このような場合は特に注意が必要です。

一定の音に晒されるので、自宅以外で仕事をする状況は非常に疲れて仕事にならない場合があります。コンピュータのキーボードの音、他人の呼吸音などを排除することができないため、社会的生活を送る機会が制限されてしまいます。

ミソフォニアの人は、メロディーになっている音は嫌いではないので、ヘッドフォンを使って常に音楽を聴くようにすることもあります。こうすることで、周りの雑音から距離を置くことができます。同様に、耳栓、ノイズキャンセリングヘッドフォン、ノイズキャンセリングヘルメットを使用することもあります。

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どう対処すればいいの?

現在のところ、ミソフォニアの治療法はありません。ただ、ミソフォニアについては現在いくつかの調査が行われています。

ですから治療法が模索されている間、ミソフォニアの人は自分なりの対処法を試してみましょう。つまり、社会的孤立を防ぐための戦略を立てることです。心理療法が特に有効です。

リラクゼーションや瞑想のテクニックも役に立つでしょう。これらは、不安に襲われたときにそれを克服するための効果的な手段になります。いずれにしても、自分で自分の状態を認識して理解できるように、親しい友人や家族と話し合うことが重要です。


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