遅い就寝時間が子供に与える4つの悪影響
子供の健全で正常な成長のためには、栄養補給と同様に質の高い十分な睡眠時間が欠かせません。
多くの人が「子供には十分な睡眠時間が必要」であるという事実を理解しているものの、睡眠スケジュールと就寝時間の大切さにまで気を配っている人は多くありません。
現代社会では、多くの要因が子供の就寝時間と睡眠時間の長さに影響を与えます。
両親が仕事で忙しい、子供が学校の予定で忙しい、電子機器の悪影響などがその要因だと考えられています。
子供の就寝時間の遅さはさほど悪影響を与えないように感じるかもしれませんが、実は就寝時間の遅さは大きな影響を与えます。
就寝時間の遅さが与える悪影響と改善方法は?
就寝時間の遅さが与える悪影響について詳細をご紹介する前に「子供はなぜ夜寝なくてはいけないか?」についてご紹介します。
質の高い睡眠と十分な睡眠時間が子供に必要な理由
子供の中には早い時間に就寝するのを嫌がる子供もいますが、私たちが考えるよりも重要で、夜間の質の高い十分な睡眠は、私たちの活力を維持・補給するのに欠かせません。
十分な睡眠をとることにより、私たちの脳は「充電」されて、心身の健康を最高の状態に保ちながら翌日を迎えることができるため、子供の精神状態を正常に保つためにも十分な睡眠が欠かせません。
また十分な睡眠は身体能力にも大きな影響を与えます。
健康的な睡眠とは?
健康的な睡眠とは、早めの就寝時間に加えて以下の項目を考慮に入れる必要があります:
- 毎晩10時間以上の十分な睡眠時間
- 妨害されない静かで快適な睡眠
- 適度な昼寝
子供の睡眠スケジュールは、約24時間周期で変動する生理現象である概日リズム(体内時計と呼ばれることもある)と密接な関わりがあります。
そのため、上記の項目のいずれかが欠けると、睡眠不足などの症状を引き起こす可能性があります。
本記事では、子供の睡眠を健康にそして順調に保つ健康習慣についてご紹介します。
遅い就寝時間が子供の健康に悪い理由
子供を早く寝かしつけようと心がけていても、色々な妨害があったり、子供が「ベットに行きたくない」とごねることがあり、親としてはなかなか思うように子供を早い時間から寝かしつけることが難しいケースもあります。
しかし就寝時間が遅い日々が続いたり習慣化すると、子供の成長や発達だけではなく将来にも悪影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
1.集中力の欠如
十分な睡眠時間が取れない場合や睡眠の質が低下している時には、子供の精神面にも悪影響を及ぼします。特に睡眠不足の子供は、集中力が欠けることがわかっています。
授業中に集中できない子供や活発に動かない子供、そしてダラダラと怠ける子供の多くが、睡眠の質の低下や十分な睡眠がとれていないことが原因だと言われます。
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2.眠気が襲う
遅い就寝時間が原因で、日中眠気に悩まされる子供がいます。
睡眠時間が十分ではない(年齢により異なりますが10~12時間以上)場合は、一日中疲れていたり眠たさが抜けません。
3. 疲労感
眠気は疲れを伴います。 子供はいつも元気だと考える人もいますが、睡眠不足の子供は、大人と同様に疲労感に苦しむことになります。つまり子供も、質の低い睡眠が原因で、体力の衰弱や疲労感に悩まされることがあります。
さらに疲労感により脳を目覚めさせるアドレナリンなどのホルモンの分泌が増加して、深刻な睡眠障害を引き起こす可能性のある「過敏な」状態に陥る可能性があるため注意が必要です。
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4.肥満のリスクが高まる
16カ国で行われた29の研究からの収集したデータをまとめた研究の証拠によると、睡眠時間やその質の低下が小児肥満のリスクを高める可能性があることがわかりました。
この研究は、就寝時間の遅さや何かに妨害されるような質の低い睡眠が肥満の危険因子である可能性があると述べています。
子供の睡眠習慣の改善法
子どもたちが睡眠時間や睡眠の質になんらかの問題を抱えている時は、成長過程にも悪影響を及ぼすこと、そして親はそれらの問題を解決するサポートをする必要があると理解することが大切です。
子供の睡眠パターンを観察しましょう。また家族全員ができる限りのサポートをし、親や年上の兄弟姉妹が夜更かしをしないように、正しい睡眠パターンを子供に理解させることが重要になります。
テレビ、コンピューター、そしてタブレットなどの電子機器は睡眠を妨害するため、これらのない部屋で就寝させるようにしましょう。
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