見過ごせない! クローン病の診断とその詳細
クローン病は、大腸や小腸などの腸壁や消化管の粘膜に免疫の異常が起こり,長期にわたって慢性的な炎症を繰り返す疾患で、下痢、腹痛、発熱などの症状を伴います。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患(IBD)とは、定期的に流行する腸壁や消化管に炎症をおこす慢性疾患の総称で、潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患が代表的なものとして知られています。
潰瘍性大腸炎は、大腸の腸壁の粘膜に病変が現れた後、直腸から徐々に粘膜の表層が腫れ上がるのが特徴ですが、クローン病は、消化管全体が対象であり、様々な場所に非対称に病変が発生し、腸の壁の深い部分へと炎症が進行します。
病気の原因は特定されていませんが、遺伝的、環境的、または微生物学的な要因など、多くの要因が原因だというのが一般的な説です。
クローン病の診断につながる症状
- 下痢(一般的には血便)
- 腹痛
- 腹部のサイズの増加
- 体重減少
- 疲労感
- 裏急後重(便意をもよおすのに便意がない状態)
- 発熱
クローン病は次の合併症につながります:
- 膿瘍
- 瘻孔
- 腸閉塞
- 狭窄
- 肛門周囲疾患
- 中毒性巨大結腸症
クローン病の診断は、結腸癌の素因と関連があると言われていますが、クローン病の原因そのものが解明されていないため、この研究はまだ不明な点が多いのが現状です。
ご存知ですか:クローン病の症状と治療
腸管外の合併症
進行度に関連するもの:
- 末梢動脈炎
- 結節性紅斑
- 上咽頭炎
- 潰瘍性口内炎
- 脂肪肝
進行度に関係ないもの:
- 悪性黒色腫
- 乾癬
- 強直性脊椎炎
- ブドウ膜炎
- 仙腸炎
クローン病の診断
クローン病の診断は、臨床データおよび組織学的データ、特定の検査、内視鏡検査と放射性検査などに基づいて行われますが、病気を診断する具体的な検査はありません。
クローン病と同様に、炎症を起こした粘膜が症状として現れるセリアック病と腸内感染症は、これらの病気にかかっていないことを診断して除外することが大切です。
現時点では、クローン病を検出するための有効な検査が欠如しているため、診断の著しい遅れにつながる原因の一つになっています。
こちらの記事もご覧ください:薬に頼らずクローン病の症状を和らげる9つの方法
内視鏡検査
初期診断における識別には内視鏡検査が用いられます。症状がどの程度広がっているのか、そしてその損傷の程度などを判断するのに役立ちます。さらに腫瘍や「新生物」の存在と状態を確認することで、どのような治療方法を用いるのかを決定します。
大腸内視鏡検査は、内視鏡検査の中でもクローン病が重症化する前の初期診断に役立つ検査として活用されています。
画像診断
上部消化管、超音波、CATスキャン、そしてMRIなどの異なる画像診断が行われ、浮腫、潰瘍、狭窄、瘻孔および腸閉塞の問題を検出するのに役立ちます。
生物組織学
クローン病の診断では、生検が非常に重要であり、クローン病に関連する以下のものの発見に役立ちます。
- 肉芽腫
- リンパ球
- 腸壁の不規則性
その他の検査
まず医師は、ある特定のタンパク質が便の中に存在するかを調べるカルプロテクチン試験を行います。その後、腸の炎症が起こっているかどうかを決定します。
クローン病の診断における分類
クローン病患者は、この疾患が始まった年齢によって分類されます。
クローン病におけるモントリオール分類をご紹介します:
年齢
- A1:16歳未満
- A2:16歳から40歳まで
- A3:40歳以上
発症部位
- L1:回腸
- L2:結腸
- L3:回腸・結腸
- L4:上部(空腸より口側)のみ
症状の活動
- B1:炎症型(非狭窄・非穿通)
- B2:狭窄型
- B3:穿通型
- p:肛門部病変
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