慢性の便秘を治療するマクロゴールについて
医薬品の下剤であるマクロゴールは、腸への浸透作用のおかげで効果を発揮します。マクロゴールの作用機序は、糞便量の増加を生み出すことや、結腸の運動性を刺激することです。マクロゴールの持つ浸透圧効果により軟化した糞便は、体内での輸送が改善され、排便が容易になります。ただし副作用を防ぐために、マクロゴールの投与はできるだけ短い期間のみ行うことが大切です。今回の記事では、慢性の便秘治療にマクロゴールを使用する方法について詳しく説明します。
マクロゴールを、便秘の解消法だと考えないことが大切です。むしろ、ライフスタイルにおいて、一連の衛生面や食生活の改善を行う際に、サポートとして使うことが大切です。ライフスタイルを改善する中で、水分と食物繊維の摂取量の増やすことが大切です。
さらに、定期的な運動と排便習慣のリハビリも重要であることに留意してください。これらの変化や改善がなければ、慢性の便秘治療にマクロゴールを使用しても問題の根本的な解決にはなりません。
どのくらいの量を服用する必要がありますか?
食べ物や飲み物と一緒に、またはマクロゴールだけで、1日のうちいつでも服用できます。正確な投与量については、便秘の深刻度によって異なります。
ただし、マクロゴールの服用を開始したら、2日後には服用量を減らし始める必要があります。便秘が慢性の場合、成人の通常の服用量は1袋、1日1〜3回です。ほとんどの場合、1日あたり1〜2袋で十分です。
身体反応と各個人の状況に基づいて、1日あたり最大3袋を処方される可能性があります。治療は平均的に2週間続きます。その後、2週間が経過しても症状が続く場合は、医師の診察を受ける必要があります。
糞便貯留の治療でマクロゴールを使用する場合、服用量は多くなります。具体的には、患者は最大3日間、6時間ごとに最大8袋を処方されることがあります。水に溶かして溶液を準備したら、冷蔵庫で最大6時間保管できます。
便秘には、急性の便秘と慢性の便秘があります。慢性の便秘に悩んでいる患者は、しばしば排便に苦労します。
こちらもご参照を:便秘に効果的!お通じをよくする3つの食品
マクロゴールの服用方法
マクロゴールは、1袋の薬をコップ半分の水に溶かしたらすぐに飲む必要があります。ただし、糞便貯留の治療では、1リットルの水に8袋すべて溶かす方が簡単です。
必要に応じて、服用量を1日2袋に増やすことがありますが、服用量を増やす前に必ず数日待ち、1袋で効果が現れるかどうかを確認することをお勧めします。 マクロゴールの効果は、服用後約24〜48時間で現れ始めます。
マクロゴールの副作用
マクロゴールによる副作用は、その頻度に応じて以下のように分類されます。
- 非常にまれな副作用:呼吸困難や喉や顔の腫れなどのアナフィラキシー反応が起こるのは稀です。アレルギー性皮膚反応として現れる過敏症にも同じことが言えます。
- 非常に頻繁:このタイプの副作用は、高用量を摂取した場合に現れ、下痢を引き起こす可能性があります。ただし、マクロゴールの服用をやめた後、1〜2日で消える傾向があります。
- 頻繁に起こる副作用:このタイプの副作用では、腹痛や腹部膨満などが起こることがあります。
マクロゴールの禁忌と薬物相互作用
マクロゴールの最も一般的な副作用は、大量の液体便と腹痛を伴う下痢です。
慢性の便秘と糞便貯留の治療に使用するマクロゴールの禁忌には、次のものがあります。
- 12歳未満の子供
- 腸壁で穿孔を発症している場合
- 小腸の閉塞
- 炎症性腸疾患
さらに、マクロゴールに過敏な患者や、潰瘍性大腸炎、クローン病、または中毒性巨大結腸症に苦しむ患者には推奨されません。他の薬との相互作用としては、マクロゴールを服用する1時間前または1時間後に他の薬を服用しないでください。
妊娠している場合、または妊娠している可能性があると思われる場合は、マクロゴールの服用を始める前に必ず医師に相談してください。同様に、授乳中の女性はマクロゴールを服用する前に、必ず専門家に相談する必要があります。
続きはこちらから:下剤なしで便秘を解消する方法
便秘には単なる投薬以上のものが必要
下剤を使用する場合、便秘の深刻さを含む様々な問題によって服用量が異なります。 専門家は、安全で耐性のあるマクロゴールを推奨していますが、生活習慣、食生活、そして身体活動などを改善しながら服用しなければ、薬だけでは効果がないことを覚えておきましょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
-
Candy, D., & Belsey, J. (2009). Macrogol (polyethylene glycol) laxatives in children with functional constipation and faecal impaction: A systematic review. Archives of Disease in Childhood. https://doi.org/10.1136/adc.2007.128769
-
Zangaglia, R., Martignoni, E., Glorioso, M., Ossola, M., Riboldazzi, G., Calandrella, D., … Pacchetti, C. (2007). Macrogol for the treatment of constipation in Parkinson’s disease. A randomized placebo-controlled study. Movement Disorders. https://doi.org/10.1002/mds.21243
-
de Graaf, L. (2019). Macrogol. Nursing. https://doi.org/10.1007/s41193-019-0012-5