気管支拡張症について知っておくべきこと
気管支拡張症は、気管支に影響を及ぼす非可逆的な拡張です。この状態になると気管支の形が変形します。その結果空気が気管から気管支樹に移動するのが困難になります。
今回は気管支拡張症について知っておくべきことをご紹介します。
気管支拡張症の症状
最も一般的な症状は以下の通りです
継続的、慢性的な咳: 特徴的な悪臭を発する大量の痰を吐き出す。また喀血(咳をする際の気道出血)が起こることがあります
疲労、脱力感: 一般的に継続的な運動によって引き起こされます
呼吸困難: 気道に入る空気によってヒューヒューと音がしたり非常に高いピッチの音が聞こえることもあります
蒼白、一般的な倦怠感
さらに気管支感染症を繰り返したり、口臭など他の症状が現れることもあります
兆候と症状は結核によく似ています。区別するためには徹底的な検査が必要です
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気管支拡張性の原因
原因に関係なく、残念ながら気管支拡張性は慢性疾患であり、生きている間存在し続けます。先天的(気管支奇形として生まれる場合)、または他の疾患による合併症の結果として発生する可能性があります。
一般的に、気管支拡張性は肺壁筋の衰弱を引き起こす疾患後に発生する傾向があります。それらの疾患は以下の通りです
- 重症肺炎
- 気管支炎
- 肺結核
- 嚢疱性線維症
- 細菌感染症
- 喘息
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺腫瘍(肺容量が低下します)
- 異物を吸い込んだ場合(気管支に詰まって空気の通過を妨げている場合)
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気管支拡張性の種類
基本的に患部によって気管支拡張性には2つのタイプがあります。
1. 局所性気管支拡張症:患者の肺の片方のみに影響を及ぼします
2. びまん性気管支拡張症:両方の肺に病気が広がっています
どちらの場合も、肺のより低い領域において頻繁に現れます。幹部の広がりが大きいほど症状の重症度が高くなります。
- 円筒状:エックス線で、枝のない「閉じた」気管支が見られます。また小さい気管支は炎症を起こしているように見えます。
- 静脈瘤状:気管支が炎症起こしているように見えるものもあれば、収縮しているものもあります。
- 嚢状:気管支は一見して病気の兆候がありません。しかしながら顕微鏡で検査をすると炎症と異常分泌を観察することができます。
診断
通常、医師はこの疾患を特定するために以下の技術を利用します
- 胸部レントゲン。技術の進歩により新しい高解像度の技術が可能になったため、胸部レントゲンはもはや一般的ではありません。ただし、医師がこの検査をした場合、気管支拡張性にかかっていると空気が不足している部分が、通常黒くうつります。
- CATスキャン(コンピューター断層撮影)。高品質の画像により、医療チームは、より確実に問題を特定することができます。
- その他の検査。後天性気管支拡張性の場合には基礎疾患を研究するために他の検査が実施されることもあります。
治療
現在、この病気に対する効果的な治療法は見つかっていません。ただし、医療チームは患者の生活の質を向上させるために、必要に応じて薬を提供したり手術をしています。
治療に最も一般的に使用される薬理学的薬物療法には抗生物質(細菌感染症などこの病気の頻繁な合併症を治療する)が含まれます。さらに気管支拡張薬(気道を広げるもの)及び去痰薬(痰の排出を促進する)が処方される場合もあります。
症状がひどい場合には外科的処置をとることもあります。肺の除去をすることもありますが、非常に稀であり、通常医師はこのオプションを避ける傾向にあります。
予防
この病気を予防したり患者の生活の質を著しく向上させるのに役立つ習慣があります。
例えば汚染されていない空気の綺麗な場所での運動とバランスのとれた様々な栄養からなる食事は非常に健康的な習慣です。
一方、喫煙やアルコール摂取など不健康な習慣は、気管支拡張症にかかるリスクを高める要因となります。
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