血栓症って何?予防法は?
血栓症とは、血管の中に血の塊ができて、部分的あるいは体全体の血液の流れを妨げる病気です。通常よりも血が固まりやすかったり(遺伝的なもの、環境や生活習慣によるもの、もしくは原因不明の場合もある)、血管の内壁の細胞が傷ついたり(感染や外傷が悪化して起こる)、血液の流れが悪かったり等が、血塊の生成の原因となります。
血管の壁から血塊が部分的または全体的に剥がれて流れ出ると、脳、心臓、肺や脚の動脈といった、非常に重要な臓器の塞栓を起こす原因となります。血液中を自由に流れる血塊は、血液の流れを悪くします。その結果、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓や壊疽(えそ)といった、命に関わる症状を引き起こすのです。日本では、統計的には血栓症はガンに匹敵する死因とされています。
静脈血栓塞栓症とは、肺血栓塞栓症と、深部静脈血栓症を合わせて呼んだものです。静脈血栓症の要因には様々あります。
・あまり動かない生活スタイル
・凝固性亢進
・血管内壁の傷
・加齢
・手術(特に膝の整形外科手術と、膝関節全置換術)
・がん
・遺伝
・妊娠
・エストロゲンの上昇(避妊薬や内用薬を使ったホルモン補充療法による)
・肥満
・喫煙
・クローン病
冠状動脈における動脈血栓症は、心筋梗塞(心臓発作)の原因となり、一方で脳血管の流れが妨げられると、脳梗塞を起こします。静脈血栓と動脈血栓は、どちらの要因も心筋梗塞の要因と似ており、喫煙、高血圧、糖尿病といったものがその代表に挙げられます。
深部静脈血栓症が、静脈血栓症の中では一番一般的な症状です。深部静脈血栓症の兆候としては、体の窮屈感、体が重く感じる、ズキズキとした痛み、チクチクとした痛みや熱を脚に感じる、脚の皮膚に見られる変化(色の変化、腫れ、潰瘍など)、脚、くるぶし、足のむくみ、などがあります。
深部静脈血栓症の患者は、少なくとも半分が血栓後症候群を引き起こします。ひどい場合には、脚の慢性的なむくみ、ふくらはぎの痛み、体が重い/疲れ、皮膚の色の変化や静脈性潰瘍などがその特徴です。こういった症状は、生活の質に大きく影響してしまいます。
肺血栓梗塞症は、深部静脈血栓症の合併症の一つです。その兆候には以下のようなものがあります。
・突然の息切れ
・胸部の痛み
・出血を伴う咳
・心拍が速い/不規則
・めまい
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深部静脈血栓症の予防:健康的な生活習慣と定期的な健診を
深部静脈血栓症のリスクを下げるためには、以下のような予防法が効果的です。
・活動的な生活を心がけ、定期的に、出来れば毎日運動する。ウォーキング、水泳、自転車等が良い運動になります。
・運動と健康的な食生活に気をつけ、体重をコントロールする。
・禁煙する。ニコチン療法(パッチ、ガム、電子タバコなど)や、グループセラピーの利用などが禁煙を手助けしてくれます。
・動脈圧を定期的に測定する。必要な場合は血圧を下げる処置をとる。
・血栓梗塞の病歴は、家系のもの個人的なもの関係なく、必ず医師に知らせる。
・避妊薬やホルモン補充療法の別の選択肢を医師と相談する。
・もし飛行機に4時間以上乗っている場合は、歩いたり、着席のままでも脚をストレッチし、水分補給を十分行う。アルコールの摂取は避けること。
・妊娠中の場合は、深部静脈血栓症の予防法を医師に相談する。
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血塊の生成を予防する
血中の血塊を予防するには、以下のような方法があります。
・ゆったりとした服を着る。
・時々、脚を心臓より高く上げるようなポーズをとる。
・医師が同意の場合は、特別なストッキング(弾性ストッキングと呼ばれる)を使用する。
・医師の指示に沿って運動する。
・特に長い移動の時には、体勢を頻繁に変える。
・一時間以上休憩なしの立ちっぱなしや座りっぱなしは避ける。
・塩分をひかえる。
・脚を打ったり怪我することを出来るだけ避ける。また、脚を組まないようにする。
・ひざ下にクッションを置いて寝ない。
・ベッドの足の方を数センチ高くする。
・医師から処方された薬はすべて飲む。
・活発な生活を心がけ、体を動かす。
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