関節痛と腸内細菌とのつながりとは?

腸内細菌が関節痛を引き起こすって本当でしょうか。いくつかの研究によると、これらの微生物は免疫システムに影響を与え、身体の他の部分に問題を引き起こすといいます。
関節痛と腸内細菌とのつながりとは?
Elisa Morales Lupayante

によってレビューと承認されています。 体育教育学者、栄養士 Elisa Morales Lupayante.

によって書かれた Daniela Echeverri Castro

最後の更新: 06 12月, 2022

関節リウマチは、軟骨の劣化によって引き起こされ、炎症と関節痛を伴います。

研究者たちはこの病気を引き起こす危険因子をいくつか特定してきましたが、直接の原因については未だ解明されていません。

確かな原因を探して、ある研究者グループは、これまで考えられていなかった潜在的原因に焦点を当ててきました。私たちの腸内にすむ細菌です。

最近の研究により、腸内細菌は、関節痛( 関節リウマチによる痛みを含む) を引き起こし得ることが判明しました。

大阪大学呼吸器免疫アレルギー内科の前田悠一氏らは、2011年から2012年にかけて行った研究で、関節リウマチを患う患者と健康な人の腸内細菌叢が異なっていることを突き止めています。[出典:日経メディカル]

また、腸内細菌は免疫システムの機能を変える病気とつながりがあり、その他の慢性疾患を引き起こす可能性があります。

腸内細菌—関節痛の原因のひとつ

2013年に発表された研究によると、ニューヨーク大学のリウマチ専門医であるホセ・スケラ博士は、関節リウマチの患者は、この病気にかかっていない人たちに比べて、プレボテラ・コプリと呼ばれる細菌を腸内に持っている確率が高いということを発見しました。

同年の10月に発表されたもうひとつの研究では、乾癬性関節炎の患者は大切な腸内細菌の数が少ないことを スケラ博士が 発見しています。

腸内細菌

これらの研究は、微生物叢(消化管にすむ微生物の集まり)が健康全般に果たす役割を理解・解明しようとする、世界中の科学者たちの努力の一端です。

腸内細菌叢は1000種以上の異なる細菌が集まってできており、その重さは900グラム〜2700グラムにもなると考えられています。近年、研究者たちはこれらの有機体が人間の健康に大きく関与していることを証明しようとしてきました。中には病気を引き起こすものもあれば、身体を守ってくれるものもあります。

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腸内細菌が免疫システムに影響する

ミネソタ州ロチェスター市のメイヨークリニックの免疫学者ヴィーナ・タネジャ博士は、「研究がひとつなされるたびに明確になってきているのは、これらの微生物が免疫システムに影響を与え、腸内以外の疾患の一因となり得るということだ。関節痛は、腸内細菌と結びついている」と断言しています。

病原菌

研究者たちは、以前考えられていた以上に腸内細菌が免疫システムに影響を及ぼすという発見に驚きました。

ここ数十年間、自己免疫疾患の病例が増加していますが、多数の微生物叢研究者は、現代人のライフスタイルと、それが微生物叢(びせいぶつそう)の生態系に引き起こした変化が、この問題に対する責任の少なくとも一端を担っている、と確信しています。

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プレボテラ・コプリ菌が関節痛の一因?

身体の免疫細胞の3分の2が存在する腸。プレボテラ・コプリ菌はこの腸の健康に影響します。消化を行っているあいだ、消化管は、食べ物や飲み物といっしょに入り込んでくる異質の微生物群と常に闘わなければなりません。

関節痛1

この責任を果たすため、腸は広範な免疫システムをつくりあげており、これは腸以外の他の器官にも及んでいます。腸内にある免疫細胞には、関節を含む身体全体の炎症細胞を活性化する作用があります。

専門家であるホセ・スケラ博士によると、プレボテラ・コプリ菌は、後に他の組織に広がって関節痛の原因となる免疫反応を引き起こし得るのだそうです。もうひとつの学説は、この菌によって善玉菌が置き換えられる結果、免疫システムが弱体化されるというものです。

この最新の学説は最も支持されているもののひとつ。高レベルのプレボテラ・コプリを持つ患者は、免疫システムを助ける善玉菌バクテロイデス・フラジリスの低下が見られたことを、ある研究が明らかにしています。

これらの研究結果に基づいて、免疫疾患の治療に細菌を利用する方策を生み出そうとする新しい研究が行われています。

実際、医療専門家は、プロバイオティクス(善玉菌)を摂取することで、 腸内細菌叢を回復させ、 ニキビ不眠症など、腸の健康とつながりがあると考えられている健康上の問題を治療することをすでに勧めています。


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  • M. Romero. Artritis reumatoide. Guias Clínicas. 1998.
  • A. Caudill. Articulaciones, ay que DOLOR!. The American Quarter Horse Racing Journal Andrea Caudill. 2007
  • R. Martin. Pruebas bioquímicas para la identificación de bacterias de importancia clínica. Pruebas bioquímicas para la identificación de bacterias de importancia clínica. 2015

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