海水がもたらす効果
南米のある国では、海水は体内の負のエネルギーを取り除くのに役立つと言われています。そのため、多くの人が休暇をビーチで過ごし、暖かい海で海水浴をし、新しい自分を発見することを望んでいます。また、海に入らなくても、新鮮な空気と海を楽しむために、定期的に沿岸地域に出かける人もいます。海水がもたらす効果について、こちらの記事でご紹介します。
確かに、屋外で海の香りや風、太陽の暖かさを見たり、感じたり、楽しんだりして過ごすと、元気が湧いてきます。そう考えると、休みを取ろうと思ったときに、幸福感が増すことは想像に難くありません。
しかし、海水がもたらす効果は、精神的な健康にまで及ぶという説もあります。海水が精神衛生に及ぼす影響について考えてみましょう。
海水に関する説
今から4000年以上前の中国で、海洋医学の父と呼ばれる伏羲帝王は、健康維持のために海水を飲み、海藻を摂取することを推奨しました。
フランスの生理学者・博物学者のルネ・カントンは、海水の成分が体内の細胞の成分と同じであることを発見しました。そして、海水は血漿と非常によく似ていると主張しました。
数年後、彼はジャリコット博士とともに、「海洋診療所」を設立し、コレラ、甲状腺、栄養失調、皮膚病などの病気を海水で治療しました。
そして、その海水を瓶に詰めて「海洋性血漿」と名付けました。コロンビア、アルゼンチン、スペイン、メキシコ、ウルグアイ、南アフリカなどでも、このような薬局がつくられたのです。
海水が持つ特性
海水が健康を維持するための補完的な要素としての可能性が何度か研究されたことがあります。
しかし、専門家は、海水には有益なミネラルが含まれているにもかかわらず、摂取しない方がよいと指摘しています。健康的なライフスタイルの補完としてでさえも勧められていません。
海水に含まれるミネラル(マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム)の恩恵を受けるには、それらを含む食品(果物、野菜、穀物、肉、魚など、非常に多様な)を摂取することが最善です。
海水の化学組成には、亜鉛、ヨウ素、カリウム、シリカなどの微量元素が含まれていますが、人間がこれらの元素を得るために海水を摂取すべきというわけではありません。
海水はボディケアに有効な資源であるという考え方もあります。例えば、海水には殺菌作用があり、傷の治りを早めてくれます。
海水のメリット
海水を飲まないにしても、海水に含まれるヨウ素は、筋肉をリラックスさせる効果があります。加えて、怪我の回復にも役立ちます。ですから、リハビリ中の人や手術の後遺症がある人に最適です。
呼吸器系の病気や問題を抱えている人には、通常、潮風を浴びて空気を吸い込むことをお勧めします。
また、海水浴もおすすめです。海水は肺の「毒素」を排出する働きがあることが、『Oto-Rhino-Laryngologia Nova』に掲載されたこの研究でも指摘されています。このため、海水は痰の絡んだ咳や風邪の治療薬にもなります。
同様に、関節炎(または変形性関節症)の患者さんも、海水の恩恵を受けることができます。海水浴は、リウマチの病気にしばしば伴う激しい痛みを和らげるのに役立つと言われていますが、これを裏付けるような最近の研究論文はありません。
一部の研究者によると、乾癬の患者は海水を患部に塗るとよいそうです。そうすれば、剥がれた皮膚の層は、より簡単に、それ自身の意志で落ちるだろう。同じことが頭皮にも起こり、剥がれた皮膚がかゆみを引き起こすことがあります。
しかし、この治療法に頼る前に、専門医に診てもらい、推奨される治療を受けることを強くお勧めします。
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海水がもたらす効果:関係性と安心感
屋外での運動や心の整理に役立つだけでなく、海水に触れながらの浜辺の散歩は非常に気持ちがいいものです。パートナーと語り合ったり、夕日を眺めたりすることもできます。波が足をマッサージし、砂がかかとの角質を取ってくれる効果もあります。
海の近くに住んでいる人は、少なくとも週に一度は “海のセラピー “に出かけてはいかがでしょうか。夏なら、仕事の終わりにひと泳ぎするのも良いですし、寒いときには、遊歩道から吹く涼しい風を吸い込むだけでも大丈夫です。どちらも健康にはとても良い活動です。
ビーチから遠く離れた場所に住んでいる人も、休暇を待たずにビーチを訪れてみましょう。週末や休日を利用して、海水の恩恵を享受してください。
研究結果があるわけではありませんが、寝つきが悪いときは海辺を散歩するといい、とよく言われます。また、波打ち際にしばらく座って、海の空気を吸い込むだけでも十分だとも言われています。
つまり、海水がもたらす効果は、ストレスや心の緊張を解きほぐし、リラックスすることと密接に関係しているのです。今のところ、それ以外の面は科学的に確認されていません。
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