錠剤を潰して飲むことの6つのリスク
薬を砕いたり潰すことは、錠剤の服用しやすくするためによく行われています。しかし、それは薬の完全性を変えてしまう行為でもありますので、薬の有効性が損なわれてしまいます。理想としては、薬の形状は変えずに服用するべきです。
ほとんどの薬は錠剤やカプセルの形で提供されます。そのため、飲み込むのが難しい場合は、錠剤を潰したり、砕いたりする人もいます。
薬を潰すのが良くない理由
薬を飲みやすくするために、薬を潰して飲むことを好む人が多いようです。しかし、「Nursing Magazine(看護雑誌)」にも記載されているように、薬の中には有効成分が一定期間で放出されるように作られているものがあります。
そのため、潰して摂取することはかえって有害な場合があります。薬を潰さない方が良い理由は他にもあるのでしょうか? 詳しく説明しますので読み進めてみてください。
1. 薬の安定性の喪失
飲み込みにくい、というのは高齢者に多い問題です。また、行動障害のある人にもよく見られます。
これらのケースでは、錠剤を粉砕したり、カプセルを開ける方もいます。すると、有効成分の安定性が大きく変化してしまいます。
また、薬の効果が失われる可能性もあります。付け加えると、おそらく、味の面でも良い効果はないはずです。
2. 服用ミス
原則として、あらかじめ切れ目の入った錠剤のみを割るようにしましょう。しかし、形状や大きさ、コーティングの関係で正確に割ることができないこともあります。
でも、薬を割って飲みたい場合、有効成分の分布がきちんと半分ずつになっているかを確認することはできませんよね。誤った量を服用してしまい、他の健康被害を引き起こす可能性があります。
中には非常に小さい錠剤もあり、ちょっとした割り方の違いで必要な量から危険な量になってしまうこともあります。服用ミスの可能性を捨て切れるわけではありませんが、より正確にカットするために錠剤用のカッターを使用するのも手です。
3. 有効成分の放出量の変化
薬を潰すと、投与量が大きく変化することがあり、これにより、薬剤の有効成分の放出特性や吸収特性に影響を及ぼす可能性があります。また、副作用のリスクが高まったり、薬の効き目に問題があったりすることもあります。
薬には、体が一定の方法で吸収できるように特殊なコーティングをしているものがあります。このコーティングが、有効成分の放出率、つまり薬の作用を調節してくれます。薬を潰してしまうと、有効成分の放出の仕方が変わってしまいます。
また、これにより、薬の供給がうまく制限できなくなります。つまり、服用量が足りなくなったり、過剰摂取になったりすることがあるのです。さらに、毒性があったり、有害な副作用のリスクが高まったりすることもあります。
4. 吸収の変化
錠剤の中には、腸溶性と呼ばれるコーティングが施されているものがあります。これは、薬がそのまま胃を通過し、腸内で有効成分を放出するようになっています。
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そうすることで、胃の内膜の刺激や胃酸の影響を防ぐことができます。胃酸は薬の有効成分を破壊したり、作用開始を遅らせたりします。
錠剤を潰すと腸内被膜が変化してしまい、作用に悪影響を及ぼす可能性があります。また、胃を刺激して副作用を引き起こす可能性もあります。
5. 効果の変化
舌下錠は素早く溶けるように作られているので、素早く吸収されます。舌の下で溶けるので、あっという間に血流にのっていきます。舌下錠を潰すと安定性が全く変わってしまうので、効果が変わります。
6. 取り扱う上でのリスク
また、薬を潰すことのもう1つの欠点は、薬が空気中に飛散してしまい、薬を扱う人が吸い込んでしまうことです。
薬によっては粘膜を刺激するものもあるため、扱う人にとっては危険な状況になります。女性の場合、妊娠中や妊娠を予定しているならば、薬によっては催奇形性(胚に欠陥が生じる可能性がある)のあるものもあります。
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薬を潰さないのがベスト
薬物を潰さないようにするための良い方法は、他の投与形態を探すことです。代替薬があれば、錠剤の形状を変えることなく治療を容易にすることができます。このようにして、上で挙げたリスクを回避することができます。何か疑問がある場合は、躊躇せずに医師や薬剤師に相談してください。
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