胃もたれと胸焼けのちがいって/なに?
忘年会・新年会つづきの年末年始につきものの胃もたれや胸焼け。ふつうは暴飲暴食やかたよった食事のあとなどに起こりますが、中には食事の内容にかかわらず、年がら年中胸がムカムカする、という方もいらっしゃるでしょう。今回は、どうして胃もたれと胸焼けが起こるのかについてお話します。両方の正体を知り、その症状を見きわめることができれば、食生活のどんなアンバランスが原因なのかをつきとめ、後ほどご紹介する自然療法を利用して、症状を改善するのに役立つことでしょう。
胃もたれと胸焼けを起こす要因
まず胃もたれと胸焼けに共通の要因をご紹介します。
- 一回の食事に、同じ要素の食品を食べ合わせている:例えば、肉と魚、豆類と肉、乳製品と肉など。シンプルな食事を心がけましょう。
- いっぺんに食べ過ぎる:胃の消化能力が衰えていると感じたとき、身体のためにいちばんよいことは、1回の食事量を減らし、1日をとおして少しずつ食べること。胃の負担を減らし、いたわってあげましょう。
- 脂質・乳製品・砂糖たっぷりのリッチなデザートを食べる:こういった食べ物は消化しにくいうえ、体重増につながります。どうしても食べたければ、午前中や午後のお茶の時間にだけ食べるようにしましょう。
- デザートに柑橘類を食べる:食後は酸を消化しにくいため、食後のくだものはナシやリンゴにしましょう。柑橘類は朝、食べましょう。
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- よくかまないで、早食いをする。
- 食事中に水をたくさん飲む:健康のために、水は食事の30分前までに飲むか、消化が終わってしばらくしてから飲むようにしましょう。
- ソワソワ・クヨクヨ・イライラしているときや、ストレスを感じているときに食べる:食事中は心をしずめ、くつろげる場所で食べることに集中するようにしましょう。また、あなたを怒らせない人たちと食事することです。
- 長期間、制酸剤をのんでいる:薬のせいで、胃の中の自然の酸性度が変化している可能性があります。
胃もたれ
胃がもたれる人は、ふつうの人より胃酸の生成量が少ないため、きちんと消化されていない食べ物が胃にたまって発酵してしまいます。
この他、よくある症状は…
- 消化が遅く、胃が重い。
- 食べたあと、胸がムカムカする。
- 早食いする。
- すぐお腹がいっぱいになる。
- 便秘・ガス・歯ぐきの腫れ。
胃もたれを防ぐには
これらの症状と闘うには、以下のアドバイスを参考にして下さい:
- 1日をとおして少しずつ食べる。
- 熱すぎる・冷たすぎる食べ物を避ける。
- 早食いの衝動を抑え、食べ物をよくかんで、ゆっくり食べるよう心がける。
- あなたの胃がどんなタイプの食べ物を消化しにくいか(脂肪・タンパク質・炭水化物)によって、消化酵素を含んだ天然サプリメントを摂る。
胸焼け
胸焼けは、胃もたれの反対です。胃が胃酸を分泌しすぎるので、食べ物が非常に速く消化されます。以下のような症状が出るのでそれとわかるでしょう。
- 食べる前に酸味を感じる。
- すごくお腹がすいているときに酸味を感じる。食べるとよくなる。
- 冷たい水をたくさん飲みたくなる。
- 便秘と歯ぐきの腫れを伴う。
胸焼けを防ぐには
- 食べると酸がおさまるようですが、よくかんで、できるだけゆっくり食べるようにしましょう。また、ヘルシーでさっぱりした食べ物を選んでください。
- 柑橘類・精製された小麦粉・砂糖・揚げ物・乳製品・赤身肉など、酸性あるいは体質を酸性化する食べ物を避けましょう。ただし、少量のレモンのしぼり汁は飲んでもかまいません。この手の酸には、胃酸を中和させる働きがあります。
天然の制酸剤
もし制酸剤をのむ必要があるなら、胃もたれにしろ胸焼けにしろ、 次に挙げる天然制酸剤のいずれかをお試しください。あなたの胃の中の自然のpHレベルを変えることなく、胃酸を中和してくれます。医薬品や重曹は使用しないようにしましょう。マイナスの長期的影響が出る可能性があります。
- 梅干し:梅干しのすっぱくて塩辛い味は、発酵の過程で生み出されるもの。胃腸にたいへんよい効果をもたらします。種をとった実の部分を少量舌の上にのせて、2〜3秒そのままにしてから、のみこみましょう。
- 白土(食用):白土は非常に役に立つサプリメントで、身体から毒素を排出したり、酸を中和したりするのに役立ちます。まず、水カップ1杯に、白土小さじ1/2杯をまぜましょう。プラスチックや金属以外のスプーンでかきまぜ、10分間そのまま置いてから飲んでください。
- 生のジャガイモジュース:ジャガイモの生汁は、ちょっとヘンな味と舌触りですが、天然の制酸剤としての役割を果たしてくれます。よく洗って芽を取ったジャガイモをジューサーにかけるか、すりおろしてガーゼなどに包んでしぼります。変色しないうちにすぐ飲みましょう。
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