胃腸炎の症状について学ぼう

05 1月, 2021
胃腸炎とは、通常、吐き気や下痢、腹痛などの症状が出る病気のことです。ウイルスや細菌、寄生虫、その他非感染性のものなどが原因となって引き起こされます。

胃腸炎の症状は、消化管の炎症に特徴付けられます。下痢、嘔吐、腹痛、筋肉の痙攣などが一般的に見られる症状です。

総合医学雑誌のThe New England Journal of Medicineに掲載された論文によると、胃腸炎の最も一般的な原因(成人のケースにおける90%)はノロウイルスであり、カリシビル科に属するRNA病原体です。

このように、ご想像とは違ったかもしれませんんが、流行性の胃腸炎のほとんどはウイルスによって引き起こされ細菌によるものではありません。そのため、効果的な治療法を知るためには病気の症状を知っておく必要があります。

胃腸炎の致死率

様々な疫学研究では、世界中で毎年30億から50億の胃腸炎の症例があると推定されています。これはかなりの数字です。世界保健機関(WHO)は、5歳以下の子供にはより深刻な影響があると警告しています。

いくつかの事実を下記にご紹介します。

  • 下痢性疾患は5歳未満の子供の死因の第2位で、年間約525,000人が死亡しています。
  • 複数の研究によると、これらの乳幼児の死亡原因のうち少なくとも453,000人がロタウイルスによるものであるとされています。(エチオピアやインドなどの国では、死亡原因の22%を占めています)
  • これらの死亡の内の大部分は、安全な水と公共施設での適切な衛生設備があれば防ぐことができるものです。
  • 世界では、毎年約17億件の乳幼児の下痢性疾患が発生しています。

これらを見るとわかるように、大人の胃腸炎の原因となるウイルスはノロウイルスが最も多く、5歳以下の子供はロタウイルスに感染しやすいとされています。胃腸炎の原因ごとの症状の見分け方を知りたい方は、ぜひ読み進めてください。

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胃腸炎の症状 腹痛
腹痛は、胃腸炎の典型的な徴候の1つです。

胃腸炎の症状

症状は、胃腸炎の原因によって大きく異なります。U.S. National Library of Medicine(アメリカ国立医学図書館)などの情報源は、ウイルス、細菌、寄生虫の3つの主要な病原体要素があることを強調しています。

これらの要素のそれぞれで何が起こるのかを見てみましょう。

ウイルス性胃腸炎

臨床研究によると、ロタウイルスによるウイルス性胃腸炎(別称、胃腸風邪)は、通常、成人では無症状で潜伏期間は1~3日です。目に見える症状が出る場合は5〜7日間症状が持続します。

症状は下記の通りです。

  • 血便を伴わない水っぽい下痢
  • 腹痛、けいれん
  • 吐き気と嘔吐
  • 頭痛
  • 37~38度の微熱

このタイプの胃腸炎は、通常は医療的治療を必要とはしませんが、人によっては緊急治療が必要な場合もあるため、医師に相談するタイミングを知っておくことが重要です。

例えば、子供でも大人でも嘔吐物に血が混じっていたり下痢をしたり24時間水分を保持できないなどの症状は、緊急の治療を必要とする明確な症状です。

細菌性胃腸炎

科学的研究では、カンピロバクター属の細菌が細菌性胃腸炎の最も一般的な原因物質であることが明言されています。その半分は、汚染された鶏肉への暴露によるものです。他にも同じ症状を示す感染症として、大腸菌、サルモネラ菌、シゲラ菌などがあります。

United States Veterans Health Libraryでは、このタイプの胃腸炎の一般的な症状をまとめています。最も一般的なものとしては、以下のようなものがあります。

  • 水っぽい下痢
  • 吐き気、嘔吐
  • 発熱、悪寒
  • 腹痛
  • 血便(最も重篤なケース)

上記のように、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎の違いはほとんどありませんが、後者では発熱と便に血が混じっていることが多いです。

もちろん、38度以上の発熱が続き、便に血が混じっていたり、脱水症状(口が渇いて尿が出ない)が見られるなど、悪化が見られる場合、医療的な介入が必要であることが明らかです。

寄生虫性胃腸炎

これは非常に広いカテゴリーで、原虫からサナダムシ、線虫、およびその他の扁平虫までの寄生虫など様々なものが原因となり、これらの寄生虫はすべて、子供と大人の両方で胃腸炎を引き起こす可能性があります。

研究によると、このタイプの胃腸炎の症状は上記で述べたものと似ています。しかし、以下のような新しい症状が見られます。

  • 食欲不振、体重減少
  • 貧血
  • ビタミン不足

これは、多くの場合(サナダムシ感染症など)、寄生虫が腸や血液から直接養分を奪っているために起こります。

また、このタイプの胃腸炎は先に述べたものよりも長引くことが多いです。例えば、サナダムシは抗寄生虫治療をしなければ2~3年は体内で生き続けることができます。

非感染性胃腸炎

胃腸炎のすべてが感染症によるものではないことに注意しなければなりません。これらの症状を引き起こす状況は、例えば以下の通りです。

  • セリアック患者がグルテンを摂取した場合
  • クローン病
  • 食中毒
  • 炎症性腸疾患(IBD)

医師の診察が必要があることを示すサインは、高熱、激しい痛み、便に血が混じっている、脱水症状です。

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胃腸炎の注意点

胃腸炎は、症状の多様性にもかかわらず、共通の症状もたくさん見られます。最も効果的な治療方法を判断するには、重度のケースに発展した場合医師による診断が不可欠です。一般的に、脱水症状や血便が認められる場合、緊急に医師の診察を受ける必要があることを示す明確なサインです。

まとめますと、胃腸炎の症状には原因に拘らず必ず下痢、腹痛、吐き気があります。しかし、原因が細菌なのかウイルスなのか寄生虫なのかによって、必ずはっきりとした違いがその他の症状に出てきます。

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