1日の摂取カロリーが最も高い国トップ10とその食事内容
国連食糧農業機関(FAO)から184カ国の摂取カロリーに関する報告書が発表されました。上位のほとんどをヨーロッパ諸国が占め、さらに中東とアメリカの2カ国がランクイン。この記事では、最もカロリーを摂取している国と、それぞれの国の食生活をご紹介します。
報告書はどのようにまとめられた?
オックスフォード大学が発表した分析(英語)では、世界184カ国を、国民が1日に摂取するカロリー数で整理しています。この報告書は、国連食糧農業機関(FAO)が収集したデータに基づいており、最も最新のデータは2020年のものです。
目を引くのは、ほとんどの国が、住民が1日に消費する平均カロリーの2000キロカロリーを超えて摂取していること。1位から10位まではすべて1日3500キロカロリーを超えて食べています。
この数字は、世界保健機関(WHO)による基本推奨値を超えています。
WHOは、成人女性は1600~2000キロカロリー、男性は2000~2500キロカロリーを推奨しています。年齢、体重、運動量などの要因により数字は前後します。
スペイン保健省(スペイン語の記事)は、1日の摂取カロリーを、下記のように時間帯別に配分することを推奨しています。
- 朝食:1日のカロリーの20%
- 午前中の間食: 5%から10%の間
- 昼食: 30%
- 午後の間食:5%から10%の間
- 夕食:25~30%
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摂取カロリーの多い国
この統計では、カロリーに加えて、各国が1日平均で摂取するタンパク質、脂肪、肉の量も報告しています。このデータには、食べ残された食事量は考慮されていないことにご留意ください。
10.ルーマニア:3599.76kcal
第10位はルーマニア。同調査のデータによると、このバルカン半島の国の住民は、1日に180グラムの肉と128.30グラムの脂肪を消費するそうです。
在ルーマニア・スペイン企業協会(スペイン語のページ)によると、ルーマニアの食生活では、乳製品、コーヒー、鶏肉が大きな割合を占めています。また、肉、果物、野菜、油もよく摂取されます。
文化面では、バルカン料理、ドイツ料理、ハンガリー料理の影響を受けており、スープや肉・魚料理が豊富です。
9. カタール:3609.15kcal
次にランクインしたのは、ここ数十年で急激な経済成長を遂げたアラブの小国カタール。1日のカロリーのうち、カタール人は平均216.94グラムの肉と131.07グラムの脂肪を取っています。一方、タンパク質の摂取量の半分以上は野菜からで、2番目は肉類からです。
カタールの代表的な料理であるマチュブース、ワラクイナブ、クーサなどのほとんどには米と肉が使われています。白米は100グラムで361キロカロリーですが、玄米は345キロカロリーと抑えめです。ただし、炊くと100グラム130キロカロリーになります。
8. イタリア: 3620.56 kcal
ここまでの例から、カロリー摂取が多い国は、多く脂質を摂取する国でもあることがわかります。例えば、イタリア人の食事は1日平均155グラムの脂質で構成されており、世界で10番目に多いです。
肉類は1日195グラム。ヨーロッパの美食におけるパスタ、ピザ、リゾット、ジェラートの影響はよく知られています。しかし、乳製品の摂取量は際立っており、1日のタンパク質摂取量の20%を占めています。
7. ドイツ:3647.81kcal
次点は、世界最大の脂肪消費国として躍進するドイツ。脂質摂取量は1日あたり166グラムで、摂取量の多い国第4位。食文化において重要な肉やソーセージの消費量が、その要因でしょう。
さらに統計によると、ドイツ人はタンパク質のかなりの部分を肉類から摂取しています。その意味で、トップ10の国で最も植物性たんぱく質の摂取量が少ないのはドイツなのです。
6.オーストリア:3738.94kcal
世界第6位のカロリー消費国であると同時に、一人当たりの脂肪摂取量が最も多い国です。約185グラムでトップに立ち、肉の摂取量は1日あたり213グラム。
オーストリア料理は明らかにドイツ料理に近く、例えば、屋台で大人気のソーセージなどが代表。ほかにもこの国を代表する料理のひとつは、子牛や鶏肉にパン粉をつけて揚げたウィンナー・シュニッツェルです。
5.トルコ:3762.08kcal
トルコの代表的な料理は、ピタパンに肉、野菜、ソースを挟んだケバブ。また、牛肉の塊と炊き込みご飯をツルの葉で包んだドルマも人気です。その他の代表的な料理を見ても、トルコ料理における肉、野菜、米の重要度がわかります。
印象的なのは、上記の国々とは異なり、トルコ人はタンパク質の大部分を野菜から摂取していること。加えて、1日の脂肪摂取量は125グラムで、オーストリアやドイツよりかなり少ないです。
4.ベルギー:3824.21kcal
フランスとオランダの影響を強く受けたヨーロッパの国ですが、北アフリカや東洋の要素も取り入れています。ベルギーの文化は食に重きを置いており、この地域の特徴のひとつです。代表的な料理はジャガイモ料理、ソーセージ、魚など。
ベルギー人は1日に170グラムの肉と180グラムの脂肪を摂取しており、後者の摂取量が最も多い第3位の国となっています。もう一つの驚くべき事実は、このランキングの中で最も乳製品を通してタンパク質を摂取している国で、全体の30%近くを占めていることです。
3. アイルランド: 3850.50 kcal
最もカロリーを消費する国の表彰台に、もう1つヨーロッパの国を見つけることができます。アイルランドでは、コルキャノンやチャンプといった代表的な料理にジャガイモがよく使われます。アイルランド人は肉をよく食べ、1人1日当たり162グラムと世界第6位です。
これは、ソーセージ、ベーコン、ブラックプディング、ポテトブレッド、目玉焼きといった特徴的な朝食にも反映されています。高カロリーの食事に揚げ物が含まれるのが一般的です。
オイルやその他の脂質で揚げた食品は、食事のカロリーを大幅に増加させます。Food Science and Nutrition誌に掲載された研究(英語)によると、習慣的な摂取は太りすぎや高血圧のリスクの増加と関連しています。
2. アメリカ:3868.28kcal
世界で2番目にカロリー摂取量の多い国は、世界で2番目に肉と脂質を摂取する国でもあります。アメリカ人はタンパク質のほとんどを肉から摂取していますが、これはファストフード発祥の国であることと因果関係はありません。
この点、 Ibero-American Journal for Educational Research and Developmentの研究(英語)によれば、ファストフードの過剰摂取は肥満の発生を助長する可能性があるとのこと。加えて、2型糖尿病や動脈性高血圧などの関連疾患の危険因子でもあります。
一方、イギリスの医学雑誌『ランセット』による調査(英語)では、1980年から2013年までの過体重と肥満の世界的な有病率を算出。その結果、肥満や過体重の人の割合が最も高い国はアメリカであることがわかりました。
1.バーレーン:4012.45kcal
世界で最もカロリー摂取量が多い国は、カタールの北、サウジアラビアの東に位置するペルシャ湾に浮かぶアラビアの小国バーレーン。人口150万人で1日156gの脂質を摂取し、世界第9位です。
鶏肉、羊肉、米、ひよこ豆、スパイスを使った料理が多く、アラブの影響を強く受けています。また、タンパク源は植物性タンパク質が多く、バランスが取れています。
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カロリー摂取量が多い国とその食生活
WHOの勧告によると、健康的な食事には果物、野菜、豆類、ナッツ類、全粒穀物を含むことが望ましいそうです。また、脂質は総摂取カロリーの30%を超えない方が良いと推奨されています。
その意味で、1日の摂取カロリーが最も多い地域の多くは、脂質の摂取も多いのに注目しましょう。あなたの国ではどうですか?
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