ヒトパピローマウイルスとは何か?原因と症状

· 2月 4, 2018
ヒトパピローマウイルス(HPV)は最も一般的な性感染症であるヒトパピローマウイルス感染症の原因となるウイルスです。

ヒトパピローマウイルス (HPV)は、多くの性感染症の中でも最も一般的なものの一つです。パピローマウイルス科に属するウイルスで、大多数の人が性生活のうちで一度は感染するものですが、ほとんどの場合は無害で発症しません。

ヒトパピローマウイルスには2つの主な性質があり、一つは上皮細胞の核と重層上皮粘膜において増殖すること、もう一つは発がん性が高い種類があるということです。さて、先に進む前にこの2つのことに関して補足説明する必要があるでしょう。

1.重層上皮とは? 細胞が重なり合うように何列にも並んでいる上皮細胞のことです。

2.ヒトパピローマウイルスに感染するとがんにかかるということ? いいえ、ヒトパピローマウイルスの全ての種類に発がん性があるわけではありません。実際のところ、ほとんどの場合はこのウイルスに感染しても全く症状が出ません。

ヒトパピローマウイルスは何種類あるのか

HPVのイメージ

現在までに100種類以上のヒトパピローマウイルスが確認されています。これほど多くの種類が存在するので、複数のカテゴリーに分類する必要がありました。そこで主に、発がん性の高さによって分類されています。

どんな人がどのように感染するのか

ヒトパピローマウイルスは、大多数の人々が人生で一度は感染するほどありふれたものです。一つには、手のひらや指、足の裏のウイルス性のイボが子供によく見られます。プールや更衣室などの湿った場所で感染します。

性生活を持つ人のほとんどが気づかないうちに一度はHPVに感染しています。

もう一つには、性器や中咽頭(のどの奥)の感染があり、これは基本的に性行為によって感染します。実質的に、ヒトパピローマウイルスは現代の性感染症では最も頻繁に起こるものと考えられています。

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ヒトパピローマウイルス と がん

HPVとがんとのつながりは明らかで、特に子宮頸がんの原因になります。しかし、ウイルスがどうしてがんを引き起こすのでしょうか。

国立ガン研究センターの湯川氏と清野氏の論文によると、まずHPVは、細胞を増殖させるサイクルを作り出すE6とE7というたんぱく質を持っています。E7は、がん抑制遺伝子であるpRbと結合してその働きを抑制することで細胞増殖を活性化させます。E6は、がん抑制遺伝子であるp53を不活性化することでがん発生に寄与しているのです。

E6とE7 という2種のウイルスタンパク質の協調した活動により、コントロール不可能な細胞の増殖が発生します。

HPVのもたらす病状

子宮が赤いレントゲン風画像

皮膚の感染症

HPVによる皮膚の感染症ではイボが発生します。感染したヒトパピローマウイルスの種類によって身体のどの部位にイボができるかが変わってきます。

あらゆる年齢で誰でもこのウイルスによるイボができることがありますが、特に頻繁に子供に起こります。

このイボは通常ゴツゴツした風船のように外に向かって大きくなるものです。灰色がかった、または汚れた白っぽい色で、多くの場合内側に黒い点が見られます。これらの黒い点が活性ウイルスです。

尋常性疣贅(ゆうぜい)

基本的に手指や手のひらにできるイボですが、ひじ、膝、などにもできることがあります。

イボに接触することで感染するので、爪やその周りの皮膚を噛んだりする子供たちには特に注意しなければなりません。普通痛みはありません。ヒトパピローマウイルス2型、7型が原因です。

足底疣贅

足底疣贅

その名の通り足の裏にできます。このイボは特にプールや更衣室のシャワールームなどで感染します。足の裏にできるため、体重がかかると非常に痛むこともあります。ヒトパピローマウイルス1型、2型、4型、27型、57型が原因です。

扁平疣贅

扁平疣贅は、複数のイボがつながったように平たくなりあまり痛みはありません。ヒトパピローマウイルス3型が原因です。

疣贅状表皮発育異常症

これは遺伝性の皮膚疾患で、免疫系がパピローマウイルスによる感染症に抵抗することもコントロールすることもできないものです。

症状は、色素性病変(斑)と木の皮のようなイボ (丘疹)が主に手のひらや手指に大量に現れます。ヒトパピローマウイルス5型、8型と関連があるとされています。

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喉頭乳頭腫

ヒトパピローマウイルスによって口の中の粘膜や喉頭にイボが現れることがあります。ゴツゴツした汚れた色の水疱のようなものです。

ウイルスの中には高リスク群と呼ばれるものがあり、がんを引き起こす可能性が高いものです。これらは基本的に舌の後ろ側、扁桃、のどの入り口の部分などに現れます。

尖圭コンジローマ

下腹部を抑える女性

性器にイボが発生する場合もあり、これはヒトパピローマウイルス6型と11型が関連しています。不快なものですが痛みはなく、がんに変化する危険もありません。

ヒトパピローマウイルスは、高リスク群に属する16型と18型の場合に大きな問題があります。この二つの型が最も頻繁にがんを引き起こすとされていますが、約10種の型ががんに関連するとされています。最もよく知られているのは子宮頸がんで、膣や外陰部、ペニスにも発生することがあります。

診断

  • パップテスト(細胞診)…子宮頸がんの診断に使われます。膣より子宮頚部の細胞を採取し、子宮頸癌を疑うような異常細胞がないか判定する検査です、
  • HPV検査…ヒトパピローマウイルスの遺伝子を検出するための分子生物学技術を使った検査で、高リスク群のウイルスに感染しているかどうかを判定します。

予防

注射器を持つ白衣の女性

治療

ヒトパピローマウイルスに対する特定の治療法はありません。感染しても90%は免疫系が2年間で除去してしまいます。

イボに関しては、凍結療法が効果があります。これはイボに液体窒素を塗布するもので、一度実施した後は完全に消滅するまでサリチル酸の外用薬(絆創膏タイプと液体タイプがある)を塗布しましょう。