変形性股関節症 -- 症状と予防法

ゼラチンは軟骨の修復を助け、劣化を防ぐってご存知でしたか。また、水分を十分補給するため、1日に最低2リットルの水を飲むようにしましょう。
変形性股関節症 -- 症状と予防法

最後の更新: 13 10月, 2018

 痛みがひどく、生活の質に影響を及ぼす関節の摩耗・骨関節炎・その他筋肉の問題などで苦しんでいるのは、男性よりも女性の方が多いようです。変形性股関節症は、最も一般的で危険な関節の病気のひとつ。だれでもかかり得ますから、症状を知っておくことはたいへんよいことです。ぜひ続けてお読みください。

 

変形性股関節症の原因は?

変形股関節症の原因

股関節とは、大腿骨骨頭(大腿骨の先端の丸い部分)と臼蓋(骨盤側で、大腿骨の骨頭がぴったり収まるお椀状のくぼみ)の組み合わせでできており、つなぎ目の部分の骨の表面に軟骨があります。その周辺を、筋繊維や、骨と骨をつなぐ靭帯が覆っているのです。変形性股関節症は、この軟骨が摩耗して起こります。次の2つのタイプがあることを覚えておきましょう。

  • 1次性:長年の使用が原因で股関節の軟骨がすり減って起こる場合。60歳~65歳ぐらいで発症します。
  • 2次性:脱臼や栄養不良・骨の病気などによる局部的問題や関節の問題が原因で起こる場合。30~35歳ぐらいから股関節に不具合を感じ始めます。

変形性股関節症には、次のような原因が考えられます:

  • 外傷性:脱臼・ケガ・不適切な治療が施された病気などが原因となる場合があります。
  • 血管性:変形性股関節症は、骨関節炎や脱臼が原因の場合が多いですが、血管不全が原因で起こることがあります。
  • 先天性:臼蓋形成不全・発育性股関節脱臼・その他の先天性の問題を持って生まれてくる子どもたちがいます。それが大人になって悪化するケースが日本人に多いようです。

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変形性股関節症の症状

変形股関節症の症状

  • 言うまでもなく、どんな関節炎でも最初の症状は痛みです。ただ、変形性股関節症の痛みは腰のあたりにのみ起こると考えている人が多いですが、実際は鼠蹊部(脚の付け根)周辺に起こりがちです。時には太ももの下部に向かって痛みが走ることがあり、ひざまで届いて、臀部にはねかえってきます。
  • 時々、動くときに急にポキポキという感覚を体験します。
  • 腰が痛いのは筋肉の問題かもしれません。でも、もし鼠蹊部が痛みだしたら、変形性股関節症が原因です。
  • 最初はあまり激しい痛みではなく、主に運動をした後に現れます。例えば長い散歩の後や、走ったり、重いものを持ち上げたりしたときなどです。休憩すると、痛みが消えます。
  • その後、摩耗が進んでいくと、痛みがもっと激しくなり、階段の上り下りなど、基本的な日常の活動さえ困難になります。脚を組んだり、夜ベッドの上で寝返りをうつとき、ポキポキと音がして痛みが走ります。また、鼠蹊部あたりに灼熱感を感じることでしょう。左右の脚の長さが違ってしまう例も少なくありません。

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変形性股関節症を防ぐには?

変形股関節症の予防

変形性股関節症には、今のところ外科手術以外の治療法がありません。ですから、股関節の痛みを感じだしたら、症状を悪化させないよう生活習慣を適応させていく努力を始めましょう。正しい食生活を実行し、身体に必要な栄養素すべてをきちんと摂取するとともに、軽い運動をして、筋肉の衰えを防ぐようにしましょう。また、医師の指示に従いますが、抗炎症剤や筋肉弛緩薬を乱用しないように気をつけてください。これらの薬品を長期使用すると、肝臓に悪い影響を及ぼします。一方、まだ症状がないか、あっても非常に軽いものであれば、予防策として以下を実行してください。

  • 理想体重を常に維持するよう努めましょう。
  • 毎日軽い運動を少しずつつづけましょう。特に、腰を激しく動かす必要のない運動(歩く・ジョギング・水泳など)をおすすめします。
  • コラーゲンの生成を助けるビタミンC・ビタミンA・ビタミンDの摂取量を増やしましょう。そのためには、柑橘類・マンゴー・パイナップル・メロン・イチゴなどのくだものや、ニンジン・アブラナ科の野菜(キャベツ・ブロッコリーなど)・アーティチョーク・ニンニクなどの野菜をたくさん食べましょう。特にニンニクは、関節の腫れを抑えるのに役立ちます。
  • ゼラチンは軟骨を修復するのにすぐれた働きがあります。骨は修復できませんが、軟骨はそれが可能なのです。
  • マグネシウムのサプリの利用も考えましょう。マグネシウムは、関節の健康を維持するのに欠かせませんし、全身の健康にもすぐれた働きをします。ただし、過剰摂取や医薬との併用は危険を伴いますから、サプリを使用する前に、かかりつけのお医者様に相談してください。
  • 1日に最低2リットルの水を飲みましょう。関節に水分を補給して軟骨を守るため、十分に水分を摂るよう心がけてください
  • 股関節の摩耗を防ぐために、グルコサミンサルフェイトなどのサプリを利用する人もいます。股関節だけでなく、全身の骨や軟骨を自然に強くするのに役立ちます。詳しいメリットについては、かかりつけのお医者様にご相談ください。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。