鍼治療は関節痛に効く?
鍼治療が関節痛に効くと知っていましたか?
鍼は伝統的な中国医学に基づいており、様々な病気の緩和として何千年も昔から利用されてきました。
鍼治療の治療がどのように機能するかについて、はっきりしたことは科学的にはわかっていません。ですが、鍼は東洋だけでなく、西洋諸国でもだんだん人気が出てきています。生活の質を改善するために鍼を利用したいという人がたくさんいるのです。
こちらも合わせてどうぞ:関節の痛みに有効な家庭療法
鍼治療とは?
鍼がどのように働くかは、はっきりと知られていないのですが、鍼治療を行った後の生理的変化を示した研究はいくつかあります。鍼治療の効果の一つは、痛みの緩和でしょう。これには、関節痛も含まれています。
鍼治療は、体の特定された解剖学的ポイントを刺激します。様々なテクニックを必要としますが、もっともよく知られているのは針を使う方法でしょう。鍼による健康効果は深く研究されています。鍼というものを見たことがない方に説明すると、細くて小さな針を体の特定の部分に刺し、病気からくる痛みを緩和するというのが鍼治療です。
こちらも合わせてどうぞ:関節の痛みの7つの原因
関節痛
関節痛は、人々の間でとても一般的な健康問題となっています。関節痛は、骨が擦れることによる軟骨の使い痛みによって起こることが多いでしょう。
国際変形性関節症学会によると、35歳以上の女性の70%以上が関節痛に苦しんでいるそうです。この病気は、筋骨格系に影響を与え、関節を痛めます。これは、膝、足首、腰、手首の骨の動きに影響を与えるでしょう。深刻な状態では、歩いたり椅子に座るなど、基本的な活動すらしづらくなってしまいます。
関節痛は、鋭い痛みやこわばりを感じるところから始まります。関節の動きが限定され、影響を受けた部分の炎症を引き起こします。関節の動きが限定されることで、生活の質に影響を与え、日常的な活動が困難になるでしょう。
関節痛のサインや症状として、以下のものが挙げられます。
- 炎症、関節部分の赤み、触ると熱い
- 皮膚の発疹や紫がかった斑点ができる
- 胸の痛み、呼吸が苦しい
- お腹の痛み
- 発熱、発汗、悪寒
変形性膝関節症(OA)は、関節の痛みを引き起こす主な病気の一つです。関節が保護されていない状態にし、軟骨の退化を引き起こす変性疾患です。骨はお互いに擦られることですり減り、関節の激しい痛みやこわばりが起こります。
鍼治療が関節痛の治療に効く?
鍼治療は、他の治療と並行して行いながら関節痛を緩和する方法としてとても素晴らしい療法の一つです。
変形性関節症の素因として年齢、体重、遺伝的要素などが全てが考えられます。生活習慣を変えることで症状が改善することもあります。また、変形性関節症の代替治療として鍼治療の有効性も様々な研究で示されています。
コクランのヘルスデータベースに載せられた研究によると、鍼治療は、変形性関節症だと診断された患者の身体的な動きを改善し、痛みをわずかに軽減するかもしれないそうです。
この研究では、まず、患者は2つのグループに分けられました。1つのグループの患者は鍼治療を受け、もう一方のグループは鍼治療を受けませんでした。そして、8週間後と26週間後に調べたところ、鍼治療を受けたグループの患者は、そうでないグループの患者よりも痛みを感じることが少なく、身体的な動きも改善されていたのです。
薬剤が原因の関節痛?
関節痛は、特定の薬剤の副作用として現れることもあります。アロマターゼ阻害薬は、乳がん患者や、乳がんリスクの高い閉経後の女性に投与されます。この治療は、激しい関節の痛みを引き起こしますので、中には服用を止めてしまう患者もいます。
米国の科学研究ネットワーク、SWOG(Southwest Oncology Group)が最近行った研究では、鍼治療が、初期の閉経後や初期乳がん患者におけるアロマターゼ阻害薬の治療からくる関節痛をわずかに緩和するということを示しています。
この研究では、様々な医療機関から集められた226名の患者が3つのグループに分けられました。
- 鍼治療
- モック鍼治療
- 治療なし
12週間後、鍼治療を受けた患者グループは痛みの軽減を報告し、これは数ヶ月も継続しました。オピオイド薬の代替利用や望ましくない効果に関する前進を示しています。
結論
鍼治療がどのように働くかについては、より多くの研究が必要ですが、関節痛の治療の一環として効果的であるようです。また、この代替治療は、繊維筋痛やパーキンソン病のような神経変性の治療にも有効であることが示されてきました。
結果として、医療機関によっては、病院での通常の治療の他に鍼治療を取り入れることを推奨する専門家もいます。鍼治療は、国や地域によっては保険でカバーされることもありますので、気になる人は調べてみましょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Chou PC, Chu HY. Clinical Efficacy of Acupuncture on Rheumatoid Arthritis and Associated Mechanisms: A Systemic Review. Evid Based Complement Alternat Med. 2018;2018:8596918. Published 2018 Apr 12. doi:10.1155/2018/8596918
- Manheimer E, Cheng K, Linde K, et al. Acupuncture for peripheral joint osteoarthritis. Cochrane Database Syst Rev. 2010: CD001977. doi: 10.1002/14651858.CD001977.pub2.
- Crew KD, Capodice JL, Greenlee H, et al. Randomized, blinded, sham-controlled trial of acupuncture for the management of aromatase inhibitor-associated joint symptoms in women with early-stage breast cancer. Journal of Clinical Oncology. 2010, 28:1154-1160. doi: 10.1200/JCO.2009.23.4708. Epub 2010 Jan 25.
- Inhibidores de la aromatasa para reducir el riesgo de cáncer de seno. American cancer society. 2017. https://www.cancer.org/es/cancer/cancer-de-seno/riesgos-y-prevencion/inhibidores-de-la-aromatasa-para-disminuir-el-riesgo-de-cancer-de-seno.html
- Zhang Q, Yue J, Sun Z, Lu Y. Acupuncture for chronic knee pain: a protocol for an updated systematic review. BMJ Open. 2016;6(2):e008027. Published 2016 Feb 24. doi:10.1136/bmjopen-2015-008027
- Manyanga T, Froese M, Zarychanski R, et al. Pain management with acupuncture in osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis. BMC Complement Altern Med. 2014;14:312. Published 2014 Aug 23. doi:10.1186/1472-6882-14-312