ハグの健康効果
海外では普段のあいさつとして、気軽にハグをします。その相手は、友達・家族・子ども・恋人・あなたに同情してくれる人など、様々です。ハグは、人間同士が交わす、原始的な愛情表現のひとつだと考えられています。そんなハグの持つパワーと健康効果をご紹介します。
ハグの健康効果
ハグは脳内のエンドルフィンの分泌を促し、全身の治癒力を高めるという研究結果があります。
ハグは幸福感をもたらす一種のセラピーで、血圧を下げたり、生理痛を軽減する働きもあります。また、頭痛を緩和し、不安・ストレス・うつ病を軽減する作用もあります。さらに、自尊心を培う・神経を落ち着かせる・孤独感を和らげる・不眠を癒す・恐怖を克服する・感覚を刺激する・喜びをもたらす・精神を落ち着かせるなどの効果もみられます。老化を遅らせ、食欲を抑える働きがあると主張する専門家もいます。これだけあれば、「ハグされたからって、何の役に立つの?」なんて言えません。
ハグされる側だけでなく、ハグすることにも、生理学上の効果が期待できます。
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オキシトシン
そのひとつは、ホルモンの一種であるオキシトシンの分泌を促すことです。オキシトシンは、愛情ホルモンまたは抱擁ホルモンとも呼ばれていますが、その効用は子ども達だけのものではありません。年齢関係なく、私達の生活の質を高めてくれます。実際、『ハグセラピー』が うつ病やその他の心理的障害の治療に 使われているほど、ハグにはたくさんの健康効果があるのです。
ハグは、精神の安定・幸福感・心の平安をもたらすセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の分泌を促します。ここで非常に興味深いのは、このようなハグの効果は、抱き合っている間だけでなく、身体的接触が終わった後もしばらく続く可能性があるということです。また、ハグやスキンシップの効果は男性よりも女性に顕著に現れますが、男女ともにそのメリットを受けるという研究結果もあります。
ハグ・セラピー
キャサリン・キーティングの著書『ハグ・セラピー』によると、ハグは私たちを気分を高めるだけでなく、子どもたちの知的・精神的発達に欠かせないもので、恐怖を克服するのを助けるのだそうです。さらに、老化を防ぐのにも役立つと言います。
著書の中でキーティングはこう書いています:
「身体的接触は、気分を高めるだけでなく、心理的・感情的・身体的な健康に必要不可欠で、社会における個人の喜びと健康を増進してくれます。ハグは非常に特別な接触方法であり、自分自身を受け入れやすくすると同時に、自分は他の人たちから受け入れられていると感じることもできます」
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ここで、ハグの健康効果をまとめてみましょう:
- 保護:人間は弱い生き物で、いつも守られていたいと思うものです。この願望を満たすには、ハグが一番です。
- 自信:自信があれば、1日の間に起こり得る様々な困難に向きあうことができます。しっかりハグされた後、私達が向かうところは、敵なしです。
- 安心:安心感は毎日の生活に欠かせません。それは、私たちが目標を達成するのに必要な自信を生み出してくれる燃料であると言えるでしょう。
- 強さ:私たちの内側に強さがあれば、そのエネルギーを、ハグする人や周りの人達と分け合うことができます。
最後にひとつ!
ハグの裏に隠された意味に関わらず、ハグをしたり、ハグされたり、その行為は心地よいものです。友達とのハグは、嬉しさや悲しみの共有、恋人とのハグは、戯れのハグか、もっと心ときめくハグかもしれません。大切な人達のハグを温かく受け入れましょう!